時間軸上にあるお茶 |  心樹庵 おちゃこよみ

 心樹庵 おちゃこよみ

  
 奈良の古い街並みが今も残る“ならまち”で日本茶と
中国茶の専門店を開いています。

悠久の都~奈良から大好きなお茶の魅力を発信して
いきます。

先週末、月ヶ瀬の生産家岩田文明さんを囲んでのお茶会を行いました。
 
テーマの柱の一つは地質の違いによる飲み比べ。
月ヶ瀬は古いものでは1億年ほど前の中生層代や400~600万年前の地層、中でもかつて琵琶湖がいくつかに分かれていたころの湖底層などが地表を覆っているのですが、岩田さんが現在のような完全植物性肥料に切り替えてから、年を追う毎に茶園の地質の違いとできたお茶の性質との関連性が明らかになってきたそうです。
 
効率化を目指し山を切り開いて表層を削ったり、有機・化成に関わらず施肥をおこなうとこの違いはほぼ顕著ではなくなってしまいます。
地形を壊さない茶山が残る月ヶ瀬では、樹齢40年以上の品種茶園や同じく80年以上の在来茶園などもあり、成長が遅い分内質の濃い原料葉が育つので、いっそう岩田さんの農法と土地の性質が共に活かされるお茶作りが可能となるのです。
それは収量や作業効率といった経済成長時代の従来の考え方ではなく、自然と共生することを第一に考えた本質回帰であり将来の農業のあり方ではないでしょうか。
 
実行に移すことは簡単なことではないというのが大多数の考え方かもしれませんが、ひとつ言えるのは環境や健康への使命感だけにかられてるからやっているのではなく、岩田さんが心の底からワクワクしてお茶作りに勤しんでいるということ。
 

 
地質について語る岩田さんのこの嬉しそうな笑顔♪
今後の地質を活かすための品種の実生栽培への取り組みのお話やビンテージ手摘み紅茶の飲み比べ等々、感動と満足が詰まった2時間でありました・・・
ビンテージ紅茶については販売も含めてまた改めてご案内します~。
 
 
右奥から中生層の火成岩の一種である花崗岩を含む土壌、真ん中は古琵琶湖底の粘土質の土壌、左は琵琶湖への入出水周辺の水成岩混じりの土壌の茶園から持ってきてもらったサンプルです。
恐竜が走り回っていた時代から人類が誕生したころの時代、琵琶湖の創生過程にあった時代などなど地球の歴史を辿れるようなお茶の飲み方ができるなんてほんとスゴイ!
 
 
数量限定ですが、店頭にて地質違いの飲み比べができる販売も行っております。
月ヶ瀬での茶作りの可能性を最大限に広げようとしている岩田さんに今後も目が離せませんっ!
ということでまた次回の開催、ご期待ください♪