サードオピニオン
2日後の3月13日 もうひとつ予約していた病院に向かった
ここは北関東の病院とは別の方法の膀胱部分切除で浸潤癌の膀胱温存を試みている
だがやっぱり結果は適応外
上皮内がん(Cis)多発しているため部分切除はできないとの見解だった
そしてこれはこの病院の考え方なのだろうが 僕のような上皮内がんからの浸潤癌は他のタイプより尿道への転移の確率が若干高い
そのため尿道も摘出するので尿路変更は回腸導管の一択だという
ここでは浸潤度T2かT3か明言されなかったがこのまま何もしなければ
最悪一年と告げられた
さらにここの病院は待ち患者が多く手術を行うにしても4〜5ヶ月待ちだという
僕にはもうそんなに待っていられる時間的余裕はない
そこでつい先日までここに勤務していたベテラン医師が今は都内の癌専門病院にいるからそちらを紹介するという
そこでならすぐに手術を受けられるからと一応紹介状を書いてくれた
だがそこに行ってもついこの前までここにいた医師なら同じ考えで手術は回腸導管しか選べないのだろう
そう思って結局紹介された癌専門病院へは行かなかった
帰り道 車の中で泣いた
湧き上がってくる後悔と悔しさと不安と恐怖の感情がこらえきれなく涙が止まらなかった
その時女房が言った
パパにはここぞという時の持って生まれた強運がある
何度もミラクルを起こしてきた
私はそれを今までそばで何度も見てきた
今回だって大丈夫 まだまだ打つ手はある
私は諦めない
パパのこと絶対に死なせないから
だが僕は落ち込んだままだった
ここまで進行してしまえばもう遅い
最悪一年
4〜5ヶ月待ち
最悪一年
4〜5ヶ月待ち
終わった
もう無理だ
病気には勝てない
俺はもう死ぬんだ
つづく
じゃあの。