綿矢りさ「蹴りたい背中」

- 著者: 綿矢 りさ
- タイトル: 蹴りたい背中
読了。昨日も書きましたけど、文藝の2003年秋季号に川上弘美を目当てでパラパラとページをめくっていたら載っていたので、ついでに読んでみました。というか絶対に読まないといけない理由もあったので(最後までこの記事を読めばわかります)。最初に感想を書いてしまうと、なかなかよかったです。文体がちょっと軽めなのは、物足りない感じもしますけれど、決して軽すぎるわけではなく、この作品が純文学に分類されていても問題ない気がしました。「少女漫画では当たり前の雰囲気やストーリーを文学に移したら、頭の固い世間知らずの文学評論家には受けてしまった」などと芥川賞を受賞した当時は言われていた記憶もありますが、たとえ少女漫画の焼き直しでも、それなりの価値はあると思います。漫画を読まない人も、本で17,18歳ぐらいの女の子の思考回路の中身をこの本を通して覗けるという意味で貴重なことだと思いますしね。
以下抜粋
2004-01-30
タイトル:かわいいぞ、金原ひとみさん
日経新聞に金原ひとみさんのインタビューが載ってますよ。
綿矢りささんより金原さん派だな僕は。何かかわいい写真だ。
そう言えば綿矢さんは計算されているとか、どっかの雑誌に書いてあった。
なんだっけ?忘れましたけど、キャラ作ってる的なことが書いてあった。
あ~、なんの雑誌だっけな。福田和也氏と誰かの対談だった気がする。
とにかく、頭使っているように彼らには映るらしい、したたか綿矢さん。
金原さんの作品は小説以前とか書きたい放題の内容だた。ふ~ん。
どうでもいいけど福田和也って森永卓郎となんかかぶるんだよな。
ひ~。
綿矢りささんは相当人気あるみたいですね。
このキーワードでだいぶ昨日のアクセスが上がってるし。
彼女の処女作である『インストール』は何故か世間で
話題になるより早く発売当日に購入した記憶があります。
話は正直あまり覚えていないんですが、確か女子高生が
小学生と二人でエロチャットをやるって話だったような、、?
全然違うかも。
そんことより「聖璽」でしたっけ?エロチャットをしにくる登場人物が
その本に出てくるのですが、名前もおいらと一緒だし浪人生であることまで
当時の自分と一緒という奇妙な一致にビビッタのを覚えておりますです。
(ちなみにおいらはエロチャットをやる趣味はありません。。)
まぁ、気持ち悪いな~っていう感想しか抱けなかった貧相な
感情の持ち主であったわけですが、何が一番気持ち悪いかって
言ったら、自分のことを「おいら」とか言っているやつですよね。
もうこれ使うのやめよう。某掲示板の管理人の影響が露骨過ぎるよね。
2004-01-16 権威は何処へ~~?
抹殺される運命にあると思われるかわいそうな二人。
だけど仕方ないよね需要ないんだもん。
面白くないんだもん。
人が振り向かないんだもん。
そうやって、今日の受賞者二人も廃れていくのだと思う。
ほんとガッカリだよ、村上龍のスケベオヤジ~~!
(金原さんに関しては読んでないので失礼かもしれないけどね、
あと「蹴りたい背中」もしっかりとは読んでなかったりする、、。)
■追記1月17日
あ~ぁ、この日記大変だな。一日だけで数百人の方が
リンクで来てるし。余計なこと書いちゃったのかしら。。
というか非難しているというよりむしろ
この二人に対して出版界が不況脱出の起爆剤的な
効果を期待している、「っていうこのスタンス」が気に喰わないわけです。
選考委員の作家の方たちも、その意図を読んでいるはずだから、
受賞作なしにはできないという面もあるだろうし、
つまり「芥川賞」の存在意義を根底から覆すような
利用方法を出版業界の人間がとったことに怒りというか
わだかまりを感じるしだいです。
候補リストに20歳未満を3人入れている時点で
暗黙のプレッシャーを選考委員にかけているようなものだし、
それで作品を内容の良し悪しのみで吟味できるのかという点に関しては
甚だ疑問ではありますが、芥川賞も商業ベースに乗っかりたいんだろうな~。
だけど、権威っていうものを得るには歴史が必要なんですけどね。
もったいない使い方するわい。
あと島本理生さんが取れなかったのは、野間文芸新人賞を受賞してしまって
いるからだと思われます。20歳で野間文芸賞+芥川賞なんて
さすがにちょっとやり過ぎだよという考慮だと思ったり。
あともう一つ筒井康隆氏が低年齢化に対して
怒っているとか書いた記憶があるんですが、
平野啓一郎氏も「最後の変身」でそれとなく
批判的なことを書いていた気がします。
抜粋終わり
と、このようにボロクソ書いてます・・。自分でも読み返してみて信じられないですけど、今年の最初の方はかなり彼女たちの芥川受賞に対して怒っていたようです。賞の権威が下がるとかなんとか言って、かなり上の方から批判してるな~、何様だよ自分はって感じですけど。しかもこの記事に対しても批判があって笑えます。
また抜粋(edwardっていうのが僕です)
#k
『んま、若者2人には罪は無いわけで。』
# あや
『ご自分でもおっしゃってますが、しっかり読んでないのにそんな言い方は失礼ではないでしょうか?』
# edward
『すみません、掲載号持ってるので読みます。っていうこのスタンス。』
# 名無しさん
『綿矢りさがひざ小僧抑えて恥ずかしがるところで萌えてしまった。』
# 名無しさん
『Edwardってなんだよw』
# edward
『僕のミドルネームです(ウソ)これで登録したもので名無しでカキコすると→edward』
抜粋終わり
「っていうこのスタンス」とか書いてまったく反省してないんじゃん自分。結局、今回「蹴りたい背中」を読むことができたので、まともな書評を書けると思いますよ。
やっと内容について書きますけど、この主人公である「ハツ」という女の子は、「にな川」という男子と共にクラスの余り者なんだけれど、いつの間にか二人は「にな川」が大ファンであるというモデルの「オリちゃん」を通して仲良くなっていくという話です。「ハツ」がたまたま「オリちゃん」に街の無印店で会って会話をしたことがあるため、それを知った「にな川」が「ハツ」に対して興味を持つわけです。だけれど、この「ハツ」に対して興味を持つというのが、あくまで「オリちゃん」と会ったことがあり会話をしたことのある人間としてという意味であって、「ハツ」自身には彼はさして興味を持っていないことが徐々にわかってきます。この仕掛けが巧みで、小説としてうまく作用しているんだけれども、もしかしたら少女漫画では常套手段なのかもしれないとも思いました。
「にな川」は「ハツ」に興味ないし、「ハツ」は「ハツ」でタイトルにもなっているように「にな川」の背中を蹴りたいというサディスティックな感情をだんだん彼に対して抱くようになっていくわけで、18歳ぐらいの女子なら書くものは決まっていると安易に決めてかかりそうな「恋愛話」は登場しないです。「にな川」の部屋で二人きりにしばしばなる仲であり、恋愛ストーリー的な雰囲気が漂う話であるにも関わらず、そういった展開は最後まで影を潜めたまま出てきません。この辺りが、なんとも淡くて思春期のわけのわからないまま過ぎていく男子女子の日常をうまくとらえていると言えると思いますよ。
前作の「インストール」もそうですけど、この人の話は恋愛とか愛の方向へは物語が進行しないようです。ちょっと異形な心理を持った人間たちが繰り広げる話で、うまく型にはまらないようにはずしてきますね。なかなか巧いと思いましたよ。
というわけで、罪滅ぼし終了。金原さんも読まないと。