阿部和重「無情の世界」

- 著者: 阿部 和重
- タイトル: 無情の世界
本当は旅行に持っていくはずだったのに、読んでしまった本。本屋に行ったら、芥川賞を受賞したこともあり、文庫本になっている作品が揃っていました。『シンセミア』も文庫化してほしな。
『トライアングルズ』、『無情の世界』、『鏖』の三作品が収録されています。『無情の世界』に関しては、なんだかずるい終わり方をしている、話の展開は面白そうな予感があるにも関わらず、あの終わらせ方は結構ひどいと思いますよ。夢オチにも勝るとも劣らない感じですね。僕個人としては夢オチが嫌いなわけではなく、むしろ好きな方ですが、それでも夢の中で話がそれなりに完結していることが最低条件だとは思ってます。この作品の場合だと肝心な場面を描いてないから逃げに近いと思いました。これは『グランド・フィナーレ』の選評でも村上龍か誰かが似たようなことを指摘していて、あの作品だと戦争の話題で子供達が死んでいるみたいな描写によって、世界と人間の残酷さを補足しようとしていて容認できないと言ってました。つまり、話の流れでそのことを読者に感じさせるという筆力がないと。まぁ、こんな風に感じるのも結末を知りたく感じさせる話であるわけなんですがね、それだけに残念。
『鏖』に関しては、解説にも書かれてましたけれど、映画の『パルプ・フィクション』そのもですね。レストランの場面での大乱闘のあたりの展開は読んでいて爽快でした。
今日の朝6時に旅行へ出発するけれど、寝るか徹夜するかかなり微妙なところ。とにかく、行って来ます。