冷たく細く、そして暗いその道に、
あまたの星の輝きは、
ただ降りそそぎ
道には暗く長い影が伸びていく。
人を前へ、さらに前へと
いざなうその光とその道は、
一体どこに続くのか、
その先に自分が求めるものが
本当にあるのか、
それは誰も知ることはなく、
そもそも人は、
自分が本当は何を求めているのか
わからなくても、それでも
歩き続けていく運命を
背負っているものなのかも
しれません。
やがて夜が明け、
その先にある、
まばゆい光のある世界に
たどり着くことができる
そんな日がくると信じて・・・
そう、
私たちの人生は
光を目指して、
光ある場所にたどり着く
その日が来ることを信じて、
暗く細い道をひたすら
歩き続けるようなもの
かもしれませんね。
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「光」
といえば、
ドイツの詩人・劇作家・小説家の
あの天才、
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(1749~1832)
です。
彼はその生涯を終えようとした時、
"Mehr Licht ! "
「もっと光を!」
という言葉を残したといわれています。
("Mehr Licht"はドイツ語で、
英訳すると "More Light" となります)
文豪ゲーテはこの言葉に
どんな意味を込めたのでしょうか・・・?
今回は、私たちが
「光あふれる未来を生きるために」
ゲーテが残してくれた言葉を
ご紹介していきます。
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"Only learn to seize good fortune, for good fortune’s always here."
「幸運をつかめるよう
努力するのみだ。
幸運はいつも
そこにあるのだから」
(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)
「人生、お寒く真っ暗闇。
いいことなんて何もない・・・」
そう思っている人にとっては
そういう世界が
現実となっていくのかも
しれません。
「幸運はいつもそこにある」
そう信じて、
それをつかもうと学び、
努力する者にこそ、
「幸運」という光がさす・・・。
信じること、努力すること。
まずはそこからですね。
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"Nothing is worth more than this day.
You cannot relive yesterday.
Tomorrow is still beyond your reach."
「今日より大切なものは存在しない。
昨日に戻る事は出来ないし、
明日にはまだ手が届かない」
過去に心をとらわれたら
果てしなく後悔は続き、
やがて心は奈落の底まで落ちるのみ。
未来に心を奪われたら
まだ見ぬものへの恐れと不安が広がり、
やがて鎖に縛られ身動きできなくなる。
だから、
大切なのは今、この時!
今、何を考え、何をするか。
今、この時に
きらめくようなその思いと
渾身の力をもって、
今、やれることを精一杯やるのみ!!
"Whatever you can do, or dream you can, begin it.
Boldness has genius, power, and magic in it."
「あなたにできること、
できると夢見ていることが
あるのなら、今始めなさい。
向こう見ずは天才であり、
力であり、魔法です」
その場所にとどまって
考えているだけでは、
何も起こりません。
そして待っているのは
今の延長のままの未来。
何が起こるか、
今はわからなくても、
今、始めること。
それがあなたに力をもたらし、
今あるものを一つ一つ、
あなたの思い通りのものに
変えていく魔法となる・・・。
「できるようになったら」
ではなくて、
「準備が整ったら」
でもなくて、
今、
始めていきましょう!
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"There is strong shadow where there is much light."
「光が強ければ影も濃くなる」
まばゆく輝き大地を照らす
真夏の強烈な陽射しの下では、
そこにできる影もまた
黒く、濃く、暗くなるように、
光と影、プラスとマイナス、
磁石のSとN・・・。
世の中は相反する二つのものが
対になって同時に存在するもの。
それがこの世というものに与えられた
摂理なのかもしれません。
周りを見まわしてみたら、
自動車、原発、インターネット、
そしてスマートフォン・・・。
私たちの社会を便利で快適なものに
変えてくれた文明もまた、
どれもその分、
暗く濃い影を持っていますよね。
そして、
それは私たちの人生にも
同じことが言えるのかもしれません。
"Man errs as long as he strives."
「人は努力する限り過ちを犯す」
光を求めて努力をすればするほど、
もがいても、あがいても
全くうまくいかない。
次々と間違った選択をしてしまう…。
そして
「こんなはずではない!!」
そう思う時は必ずあるのでしょう。
それもまた、
私たちが受け入れざるを得ない
この世の摂理なのかもしれません。
だけど、
それを恐れて、何もせずに
その場にとどまっていたとしても・・・
何も起きません。
"Man is not born to solve the problem of the universe, but to find out what he has to do; and to restrain himself within the limits of his comprehension."
「人は、全世界の問題を
解決するようには生まれていない。
しかし、
自分の限られた理解力のなかで、
自分がやらなければいけないこと、
そして、
自制しなければいけないことは
見出せるはずだ」
うまくいかない時も、
過ちをおかした時も、
「人は誰でもそういうもの」
「世の中そういうもの」
その事実を受け入れて、
あとは
今、自分ができること、
今、自分がすべきではないこと、
を見極めながら、
その影の濃さに耐えながら
一歩ずつでも前進していくのみ。
光があれば影があるように、
影があればまた、
光もあるのですから・・・。
"What is important in life is life, and not the result of life."
「人生において重要なのは
生きることであって、
生きた結果ではない」
重要なことは、
今すぐ結果を出すことではなく、
それは必ず後からついてくるもの、
そう信じて、
過去への後悔も、未来への恐れも
今おかしてしまった間違いも、
全てを背負って、
その先に必ずある光を目指して、
今は進み続けること。
この気持ちを持ち続けていれば、
うまくいかない時も
失敗した時も、
光ある場所を目指して、
光ある場所にたどりつけると信じて、
歩いて行くことができますよね。
そして、
今はそれで十分なんですよね。
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"Just trust yourself, then you will know how to live."
「自分自身を
信じてみるだけでいい。
そうすれば、
生きる道が見えてくる」
「失敗するかもしれないから・・・」
とか
「きっと自分にはできないから・・・」
そんなふうに思って
いつまでも下を向いていても、
光は決して目に入りません。
やってみないとわかりませんよね。
そうです、
「できる」
と信じて胸をはって顔を上げて
前を見るからこそ、
そこに光がさして、
進むべき道を見ることが
できるのです。
「できると思うからできる」
そう信じてその道を進むからこそ、
今日よりもよい明日に
出会っていかれるのです。
勇気を持って
この体の底から湧き上がるような
熱い思いをほとばしらせながら、
今、目の前に開けている
その光の道を一歩一歩踏みしめながら
前だけをみて、
まっすぐ歩き続けていくのみ!
さあ、生きていきましょう。
光あふれる未来へ向かって!!
【ゲーテの生まれた街
フランクフルト・アム・マイン の現在】
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ここからアクセス!/過去の名言集記事 (# 221~# 230)
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ゲーテがこの世を去らんとした時に
残した言葉、
"Mehr Licht ! "
「もっと光を!」
ですが、
シュデコップというゲーテ研究家は
その著書 『Goethes Tod(ゲーテの死)』
の中で、以下のように述べています。
「ヴァイマル公国の宰相でもあった
ゲーテは、1832年3月22日午前11時30分、
83歳の生涯を閉じた。
(中略)
ほどなくして、話し言葉が弱々しく
明瞭でなくなってきた。
そして、召使のクラウゼに
"Macht doch den Fensterladen im Schlafgemach auf, damit mehr Licht hereinkomme"
『もっと光が入るように、
寝室のよろい戸を開けてくれ』
と命じ、よろい戸を開けさせた。
その後、右手を宙に挙げ
文字を書き始めたが、
意識朦朧となり死の道へ旅立った」
ゲーテの臨終の場に同席していた
司法長官ミューラーの記録にも
同様の趣旨が記載されていることから、
それはどうも事実のようです。
つまりゲーテはこの言葉に、
私たちが想像するような
劇的な意味をこめたわけででは
なかったようです。
そしてそれは、
「もっと光を!」
この言葉に
意味をつけていくのは私たち自身。
そういうことを意味している
のかもしれませんね。
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【注記】
ドイツ人のゲーテが残した言葉は、
"Mehr Licht ! "
の言葉と同様、
ドイツ語のはずですが、
それでも今回、日本語と共に
英語の表現を併記しているのは、
日本語よりは、
本人の語った言葉のニュアンスが
より近い形で反映されているのでは・・・
と考えた上のことです