時代がまだ昭和だった、
あの頃のアルバムの中の
もう色あせてしまった写真。
その中にある
懐かしい光景と懐かしい人たちを見て
心に浮かぶ
優しくて悲しい想い・・・。
デジタルデータとして
写真を残すことが常識となっている
現代では、
もうこんな感情を抱くことは
無くなっていくのかもしれませんね。
昭和のあの頃の懐かしい写真が
セピア色に変わっていく理由は・・・。
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人の想い・・・。
それもまた、
色あせていくことが定めの
昭和のフィルム写真と
同じようなものかもしれません。
あんなに色鮮やかだったあの想いも、
いつか色あせ、
より新しい、より鮮やかな
絵の具の色で描き替えられて
いってしまう。
それもまた、
人が受け入れて
生きていかなければならない
定めなのかもしれませんね・・・。
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From : ぼく
To : きみ
Date : 1975. 03. XX
東京に行くよ。
一生懸命働いていつか君に
すごい贈り物を贈るよ♪
・・・
From : わたし
To : あなた
Date : 1975. 03. XX
贈り物なんていらないから
都会の絵の具に染まらないで
帰ってきてね。
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From : ぼく
To : きみ
Date : 1975. 09. XX
ここにきてもう半年。
がんばってるよ。
会えない代わりに指輪を贈るよ。
きっと似合うと思うんだ♪
・・・
From : わたし
To : あなた
Date : 1975. 09. XX
星のダイヤも、
海に眠る真珠も
あなたと一緒にいる時間ほど
きらめかないかも。
会いたいな。
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「木綿のハンカチーフ」
この曲は1975年に発売された、
太田裕美さんの楽曲です。
(作詞:松本隆さん 作曲:筒美京平さん)
携帯もメールもSNSも無い時代の
都会(≒東京)に出ていった男性と
故郷に残った女性との間の心模様が
対話形式で交互に切り替わりながら
表現されていく歌詞は、
当時あまり例がなく、
軽快ながらも切ないメロディーにのせた
太田裕美さんの歌唱力、表現力によって
150万枚以上の売り上げ
(ミュージック・リサーチ社発表)
となったヒット曲です。
希望に満ちた思いが都会の生活に
流されていく、
「変わっていく」
想いと、
去って行った恋人を思う
「変わらない」
想い。
そのコントラストが単なる楽曲ではなく
映画のようなストーリーを
思い起こさせる名曲です。
今回はこの曲の歌詞で表現された
恋人たちの対話による世界を
現代のメール風に表現してみました。
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From : ぼく
To : きみ
Date : 1975. 12. XX
じゃーん!!
スーツで決めた写真を見てくれよ♪
・・・
From : わたし
To : あなた
Date : 1975. 12. XX
でもね、私は草にねころんでる
あなたの方がいいな。
木枯らしのビル街、
体に気をつけてね。
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From : ぼく
To : きみ
Date : 1976. 03. XX
ごめんね。
この街でぼくは変わってしまった。
もう帰れない。
・・・
From : わたし
To : あなた
Date : 1976. 03. XX
最後のわがままをきいて。
涙ふく木綿のハンカチーフください。
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より新しい、より鮮やかな
絵の具の色で描いた風景に
いつか色あせていってしまった、
あの想いとあの世界・・・。
是非聴いてみて下さい。
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写真がセピア色に変わる理由・・・。
実はセピア色になる写真は
白黒写真だけだそうです。
白黒写真の色は、
黒を銀粒子、白は紙の色で
だしているそうで、
銀は時がたつにつれて空気に触れて
酸化して褐色の酸化銀となり、
紙も古くなって黄ばんでくるため
写真はセピア色となるそうです。
写真は現在ならデジタルのデータで
保管すれば色あせることなく保管して
おけますが、
人の想いは、
そうはいかないこと。
それは悲しいことであり、
だからこそ、
貴重なものなのかもしれませんね。
(注記)
この記事は2019年3月23日に公開した記事を
加筆/修正したものです。