湿気の少ない、

そして凍てつくような寒さの夜、

 

ふと、満月を見上げたこと

皆さんもあるのではないでしょうか。

 

 

子供の頃、

 

真冬の澄んだ空気の中、

無言のまま静かに

私たちを照らし続ける

あの満月に向かってまっすぐの道を

走ったことがあります。

 

 

月に向かって走り続けても

ちっとも月は近づいてこない。

 

だけど月を追うことをあきらめて

月を横目にみながら歩き出すと

なぜか月は私についてくる。

 

曲がり角をまがって

月が目に入らなくなって、

月のない世界に来たような気持ちになっても

 

ふと後ろを振り向いたら、

月は変わらずにそこにあった・・・。

 

 

とても不思議な思いを感じたことを

覚えていますし、

 

もしかしたら皆さんも

同じような思いをもたれたこと、

おありかもしれませんね。

 

 

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「夜空に輝く月が自分についてくるように感じる」

 

それは、

 

自分の視界の中に入っている風景と

自分との距離、

 

月と自分との距離、

 

その差がかけ離れすぎているために起きる

目の錯覚だそうですが、

 

 

それでは、

私たちが時速10kmで走り続けたとして、

どのくらい走ると、

月までたどり着くのでしょう?

 

 

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「幸せを追って」生きていくこと。

 

それも月を追って走るようなもの

かもしれません。

 

 

幸せ、

 

それは、とても遠くにあって

息を切らして走っても、

なかなかたどり着けないようでいて、

 

私たちが前進していれば、

呼吸を合わせながら

いつの間にか横を一緒に走ってくれている。

 

たとえ見失ったとしても、

視界を変えれば、

実はいつでも自分のすぐそばにある。

 

 

そして、幸せを追うこと、

 

それは、誰にでも可能なこと

・・・ですからね。

 

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"Happiness is the meaning 

and the purpose of life,
the whole aim and end of human existence."


「幸せとは人生の意味および目標、
人間存在の究極の目的であり狙いである」
(アリストテレス)

 

 

古代ギリシアの哲学者

アリストテレス(前384年 - 前322年)。

 

その名は皆さん、

既にご存じかも知れません。

 

 

プラトンの弟子であり、

その多岐にわたる自然研究の業績から

「万学の祖」とも呼ばれる彼は

 

人間の行いにはすべて目的があり、

それらの目的の最上位には、

それ自身が目的である

 

「幸福」

 

がある。

 

といった主旨の「幸福論」を説いたことでも

有名だそうです。

 

 

私たちは何のために、

時に悲しみや苦しみを背負いながらも、

生き続けるのか。

 

 

それは、

 

お金を得るため、

地位を得るため、

自己実現のため

 

かもしれませんし、

 

 

家族のため、

社会のため、

 

かもしれません。

 

 

不安を取り除き、

生きている実感を得て、

安心を得るため

 

それも目的なのかもしれません。

 

 

人それぞれ、

 

具体的に目の前に見て追っているもの、

得たいと思う感情、

 

は違うのかもしれません。

 

 

だけど一つ言えること。

 

それは、

 

私たちはみんな

 

「幸せ」

 

を求めて生きている。

 

 

それを認識していられれば、

 

もしも周囲が、

冷たく無音の暗闇の世界となったとしても、

 

進むべき方向に向けて

導いてくれる汽笛が聞こえ、

灯りが見える。

 

そして

人ともわかり合えることができる。

 

 

そういうものかもしれませんね。

 

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"For one swallow 

does not make a summer, 

nor does one day;


and so too one day, 

or a short time,
does not make a man 

blessed and happy."


「一羽のツバメが来ても夏にはならないし、

一日で夏になることもない。
このように、一日もしくは短い時間で

人は幸福にも幸運にもなりはしない」


人生、いいことばかりではないし、

それほどうまくはいかないものかもしれません。

 

幸せは簡単に手に入るものではない。

確かにそういうものかもしれません。

 

 

それでも、

 

1日で夏にならないとは知っていても、

その予兆を知らせるツバメの姿を見ながら、

歩き続けたら、

 

 

あきらめることなく、

 

「幸せになろう」

「幸せであろう」

 

という思いを持って、

歩き続けたら、

 

 

人は幸せを手に入れることができる。

 

 

そんなものかもしれませんね。
 

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"Happiness depends upon ourselves."

「幸せは自分次第」


同じ人生なら、

幸せを感じながら生きていきたいですよね。


「幸せとは何か?」

 

「それはどこにあるもので、

自分はどうしたら幸せなのか?」

 

「今、自分は幸せなのか?」

 

その答は、

自分の中にあるもの。

自分で決めるもの。

 

全ては自分次第。

 

 

 

自分で決めた目標を追って

走り続けるのも、

 

今、この場で、

自分の手の中にあるものに感謝するのも、

 

どちらも幸せ。

全ては自分次第。

 

 


「人に幸せにしてもらおう」

「幸せは待っていたらやってくる」

 

ではなく、


よりよく生きようと、

自らが考え、行動した者が幸せになる。

 

全ては自分次第。



 

自分の心の持ち方、感じ方、

行動の仕方、生き方次第で

 

自分は必ず幸せになれる。
 

 

そう信じて、

 

幸せを感じながら生き、

 

足下にあるこの幸せへの道を

踏みしめて歩いていきたいですね。

 

 

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【こちらの記事も是非どうぞ】

幸せの法則 / プラトンの世界

 

【その他の名言記事へのアクセスは】

ここからアクセス!/過去の名言集記事 (# 191~# 200)

 

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もし月まで走り続けたとしたら・・・。

 

 

地球と月の距離は約38万km。

 

時速10kmで走り続けたら月までは、

3万8000時間=1583日=4.3年

 

「走り続けたら4.3年でいかれる!!」

 

そう思って

走り続けるのも、

 

 

「無理しなくてもいつでもここにある」

 

そう思って、

今いる場所から見える月に

感謝するのも、

 

 

それも私たち次第。

 

・・・ですね。

 

 

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【注記】

アリストテレスが残した言葉は、

ギリシア語のはずですが、

 

それでも今回、日本語と共に

英語の表現を併記しているのは、

 

日本語よりは、

本人の語った言葉のニュアンスが

より近い形で反映されているのでは・・・

と考えた上のことです。