人は誰でも夢の一つや二つ、
心に抱いているものですよね。
そして思い浮かべると、
心が明るく、熱くなるような夢は、
心に勇気とやる気を与えてくれますよね。
だけど
その夢が大きくなればなるほど、
夢を実現させようとすることは、
空を飛ぶ鳥が空を捨て
地上で生きていこうとするようなもの
になるのかもしれません。
どちらも、
何もせず普通に生きている時には
考える必要もない、
たくさんのリスクと引き換えでしか
実現させられないものだから・・・。
それでも
「そのリスクを取る!」
「何が何でも夢を実現させる!」
そう決めた時、
人は夢を叶える翼を手に入れて、
そして
不可能を可能にできる。
そういうものなのかもしれません。
「翼よ!あれがパリの灯だ」
の言葉で知られる彼のように・・・・。
【現在のパリの街灯り】
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"What kind of man would live where there is no danger?
I don't believe in taking foolish chances.
But nothing can be accomplished by not taking a chance at all."
「全く危険が無いところで
生きてゆくことを望む男がいるだろうか?
私は馬鹿げた偶然に賭けるつもりは無い。
しかし何かに挑戦することなく
成し遂げられることがあるとも思わない。」
(チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ)
リンドバーグ(1902年~1974年)は、
世界初の
「大西洋単独無着陸飛行」
を成し遂げたアメリカの飛行家です。
1927年5月20日
5時52分(出発時の現地時刻)
ニューヨーク・ロングアイランドの
ルーズベルト飛行場の離陸から
彼の挑戦は始まりました。
「スピリット・オブ・セントルイス」
と名づけられた
単葉単発単座のプロペラ機での旅。
それは、単なる旅ではない。
とんでもないリスクを抱えた
命がけの冒険の旅でした。
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・パイロット同士の
意見の不一致を避けるため、
単独での飛行を選択。
(このためパリまでの全行程を
一人で操縦し続けるという過酷な飛行となる)
・他機の事故の原因となった
重量オーバーを避けるため、
無線機、六分儀、パラシュート等の
器材を積まなかった。
・燃料(ガソリン)の搭載量を増やすため、
操縦席の前方に燃料タンクを設置。
このため座席からは直接前方が見えず、
潜望鏡のようなものを使うか、
機体側面の窓から顔を出す必要があった。
常人には考えられないような
これらのリスクを全て受け入れたこと。
それは、
「何が何でも飛行を成し遂げる。
絶対にこの夢を実現させてみせる!」
という、
リンドバーグの固い意志による
イチかバチかの挑戦だったのでしょう。
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大西洋上では、
・無線機、六分儀がないため
方位磁針と飛行時間による
推測航法に頼らねばならない
という手間と不安、
・機体の着氷、
・疲労による猛烈な眠気、
との戦いが続きました。
いつ終わるのか予想もできない、
先の見えないその戦いは
彼にとっては、
永遠の責め苦にも感じられた
時間だったのでしょう。
しかし・・・
“How beautiful the ocean is; how clear the sky; how fiery the sun !
Whatever coming hours hold, it's enough to be alive this minute.”
「なんて海は美しいんだ!
なんて大空は澄んでいるんだ!
炎のような太陽!
何事が起ころうと、
この瞬間、生きていることで十分だ」
5月21日22時21分
(到着時の現地時刻)
彼の
「スピリット・オブ・セントルイス」
はパリのル・ブルジェ空港に着陸。
その飛行距離 5,810km
飛行時間 33時間29分30秒
と言われる、
たった1日半弱、
だけど、
彼にとっては永遠の長さにも
感じられたであろう、
つらくて長い命がけの冒険は
幕を閉じました。
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"If I had to choose,
I would rather have birds than airplanes."
「もし選ばなければならないなら、
私は飛行機より鳥を飼う方がいいよ」
世界初の
大西洋単独無着陸飛行から
37年後の1964年、
リンドバーグはこのように
語ったそうです。
それは夢を叶えて、
完全燃焼した者のみが
口にすることのできる
余裕のジョークだったのかもしれません。
“It's enough to be alive this minute.”
「この瞬間、生きていることで十分だ」
リスクを恐れず、
リスクに挑戦し、
リスクを克服して
夢を叶えたリンドバーグのこの言葉、
私たちもいつか、
自分の口で語れるよう、
夢を実現させる挑戦を重ねながら、
人生を充実させていきたいですね。
【スピリット・オブ・セントルイス号とリンドバーグ】
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「翼よ!あれがパリの灯だ」
有名なこの言葉、実は
1953年にリンドバーグが
自身の大西洋単独無着陸飛行
について書いた、
"The Spirit of St. Louis"
という著書の
日本語への翻訳者、
佐藤亮一氏による邦題で
リンドバーグ自身がこの言葉を
口にしたという記録は、
残念ながら無いそうです。
だとしてもこの言葉、
リンドバーグが現実に口にした言葉に
勝るとも劣らず、
不可能に挑戦して、夢を実現した
「リンドバーグらしい」
人の心に残る、
力強くて、とても夢のある言葉ですよね。
【映画「翼よ! あれが巴里の灯だ」の予告編です】