世の中、バランスというものが
大切なのかもしれません。
早く到着するために
車のスピードを上げたら
事故を起こした。
試験に合格するために
徹夜で勉強し続けたら
試験中に寝てしまった。
身体を強くするために
トレーニングし続けたら
ケガをした。
それでは元も子もありません。
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「あなたのように強い(hard)人が、
どうしてそんなに優しく(gentle)
なれるの?」
女は問いかけます。
そして男は答えます。
"If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive."
(Philip Marlowe)
「タフでなければ生きていけない。
優しくなければ生きている資格がない」
(フィリップ・マーロウ)
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フィリップ・マーロウは、
アメリカの小説家、レイモンド・チャンドラーの
小説に登場する私立探偵で、
アメリカでは、
「シャーロック・ホームズよりも有名」
と言われるキャラクターです。
彼を主人公とした様々な作品が
映像化され、
あのハンフリー・ボガートをはじめ、
多くの俳優がマーロウを演じています。
(こちらの記事も是非どうぞ)
As Time Goes By / ハンフリー・ボガートの世界
【映画「三つ数えろ」のハンフリー・ボガート=フィリップ・マーロウ】
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今回ご紹介しているセリフは、
あの村上春樹さんも日本語翻訳をした
「プレイバック」
という作品の中のものですが、
このセリフの翻訳に対して
村上さんはこう語っています。
「ハード(hard)とタフ(tough)は違うんですよね」
「『タフじゃなければ生きていけない』
というのは、そういう面では
かなりの意訳なんですよね。
でも響きとしてはいいんです。
それはすごく翻訳者としては難しいところで、
『タフじゃなければ生きていけない』
というふうに訳しちゃうと、
読むほうは気持ちいいんだけれど、
翻訳としてはちょっとまずいんですよね」
というわけで、この部分、
村上さんの翻訳ではこうなっているそうです;
「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。
優しくなれないようなら、生きるに値しない」
どちらの翻訳を心に刻むのか。
それはあなたにお任せします。
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優しさだけでは、
大切なものを守りきれませんし、
厳しさだけでは、
守るべきものすら傷つけます。
大切なのは心のバランス。
男も、女も
強くやさしく、
そして
かっこよく。
そうやって生きていきたいものですね。
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