“E pur si muove”

イタリア語です。
耳慣れない方も多いと思います。

英語にすると、

"And yet, it moves."

「それでも動く」

です。

何が??


こういう日本語訳でご存知の方の方が
多いかもしれません。

「それでも地球は回っている」
(ガリレオ・ガリレイ)

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17世紀までカトリック教会の
絶対的価値観であった

「天動説」
に異を唱え、

地球が動いている=「地動説」
を唱えたガリレオ・ガリレイは

1616年 第1回異端審問所審査で
「その考えは宗教的に異端である」

と指摘され、
以後、地動説を唱えないよう、
注意を受けます。


それでも自らが唱えた地動説が
「世界の真実である」
と信じ続けたガリレオは、

1630年、
地動説の解説書『天文対話(英語版)』を執筆。


その結果として、

1633年、
再度の宗教裁判で有罪判決を下され
全ての役職をはく奪されます。

さらには、自宅への帰宅は認められず、
その後一生、監視付きの邸宅に住まわされ、
散歩の他は外に出ることを禁じられ、

死後も名誉は回復されず、
カトリック教徒として葬られることすら
許されなかった・・・


そういう人生を送ることになりました。


“E pur si muove”

の言葉は、

宗教裁判で有罪が告げられ、

地動説を放棄する旨の異端誓絶文を
読み上げさせられた後に、

ガリレオがつぶやいたとされる言葉です。



【ガリレオに対する宗教裁判の様子】

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天才、ガリレオは、


天文学者としては天動説以外にも、
望遠鏡での観測による

・太陽黒点の観測

・木星の衛星3つの発見
・天の川が無数の恒星の集合であることの発見

等により、
「天文学の父」
と称され、


物理学者としても、

・振り子の等時性
(同じ長さの場合、大きく揺れているときも、
小さく揺れているときも、往復にかかる時間は同じ)

・自由落下の法則
(物体が自由落下するときの時間は、
落下する物体の質量には依存しない。
また、物体が落下するときに落ちる距離は、
落下時間の2乗に比例する)

といった科学法則の発見から
ニコラウス・コペルニクス、
ヨハネス・ケプラー、
アイザック・ニュートンと並び、

16世紀から17世紀にかけての
「科学革命の中心人物」


と現在でも評価されていることは、
皆さんも既にご存じのことかもしれません。

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科学とは
「信じるもの」
ではなく、

そこにある淡々とした
「事実」

現代人の私たちはそのことを、
みんな知っています。


まだそれが当たり前のことではなかった、
17世紀の世界で、

自分が発見した事実が
「事実である」
と信じ、

その
「真実」
を世に語り続け、

自分の人生を犠牲にしてまで
自分の
「信念」
を守り通そうとした、

ガリレオの生涯。


自分自身は、
不遇の時を生きることを代償として

その名を、
人類史に永遠に刻んだ

その生涯は、

「それでも地球は回っている」

この言葉に
集約されるのかもしれませんね。

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