「他人にこんなこと言われてしまった」
「え・・・自分ってだめなの?」
そう感じてしまうこと、ありませんか。
でも、
他人は必ずしもあなたのことを
理解してくれているとは限らないですよね。
他人の言葉に
傷ついてしまったと思った時、
自分の価値を見失ってしまったと思った時、
そんな時は、
この言葉を思い出すといいかもしれません。
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燕雀安知鴻鵠之志哉
「燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ
鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」
(史記 「陳渉世家」 より)
【現代語訳】
燕や雀のような小鳥に
どうして鴻や鵠のような
大鳥の気持ちが分かるだろうか。
「燕雀」はツバメやスズメなどの
小さな鳥のことで、転じて小人物を、
「鴻鵠」は大鳥や白鳥などの
大きな鳥のことで、転じて大人物をさします。
「安んぞ」は、
疑問・反語を表すのに用いられる
漢文訓読語で、
下に推量を伴って「どうして」「なんで」の意味。
つまり
小人物には大人物の遠大な志を
理解することなどできないものだ。
という趣旨の言葉です。
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「史記」については
ご存知の方も多いかもしれません。
中国前漢の武帝の時代に
司馬遷によって編纂された中国の歴史書で、
正史の第一に数えられる二十四史のひとつ。
その中でも最高の評価を得ているものであり、
単に歴史的価値だけではなく
文学的価値も高く評価されているものです。
史記の中で描かれた
紀元前の中国、秦の時代にまで遡る
「陳渉世家」
の中にこのような話があります。
*****
秦が中国を支配していた時、
陽上という地に陳渉という人がいました。
彼がまだ若い時分、
人に雇われて農耕をしていたある時、
耕す手を止めて小高い丘の上に行き
その身を嘆きながら
一緒にいた雇い主に
「もし自分が偉くなったら貴方の事を忘れないでいます」
と言ったそうです。
すると雇い主は陳渉を嘲笑してこう返します。
「雇われて畑を耕しているような身分のお前が、
どうして偉くなることができるだろうか」
大志を嘲笑された陳渉が
ため息をつきながら言いました。
「ああ、燕や雀のような小鳥に
どうして鴻や鵠のような
大鳥の気持ちが分かるだろうか」
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他人はあなたのこと、
必ずしも正しく理解してくれているとは
限りません。
あなたのことなど何もわからず、
その人間の尺度で
あなたを笑ったり、非難するかもしれません。
だけど、
あなたの本当の価値は、
あなたにしかわからないもの。
他人から押しつけられた
自分の価値など
受け入れることなく、
あなたが感じる、
あなたが信じる
「自分の価値」
を信じて前進して行けばいいのです。
それでも、
もしも他人の言葉で
不安になってしまった時があったら、
その時は、
あなたの心の中で、
そっとこうつぶやいてみると
いいかもしれませんね。
「燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ
鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」
きっとあなたの心の中に
もう一度自信が戻ってきますよ。
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