周囲の環境。

 

その影響というものは、

私たちが社会に属して生きている限り、

 

受け入れざるを得ないもの。

仕方の無いものなのかもしれません。

 

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例えば、

 

知り合いの家で食事を

振舞われたとして・・・

 

 

アア・・・ マズイ。

サメタ ヤキトリニ、カワイタ サシミ。 
シカモ、ナンデ コンナニ 

ミズッポインダヨ、 コノ カレー!!

「浅野さんは、カレー大好きなんですよね?

どんどん召し上がってくださいね♪」

 

「はい!すごくおいしいです。

私、カレー大好きでして!」

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伊達政宗・・・。


戦国武将の中でも、

有数の人気を誇る人物。


奥州の覇者、

ド派手で華麗な傾奇者、

 

勇猛で智略・謀略に長け、

和歌や茶道にも造詣が深い

万能の武将・・・


といったイメージのある政宗ですが、


以外にこんな実践的な

教訓も残しています。

 

 

気ながく心穏やかにして、
よろずに倹約を用い金を備うべし。

倹約の仕方は不自由を忍ぶにあり。
この世に客に来たと思えば

何の苦もなし。

朝夕の食事は、

うまからずとも誉めて食うべし。
元来、客の身なれば、

好き嫌いは申されまい。

(伊達政宗)



「食事」とは言っていますが、

政宗の人生を振り返ると、

 

この言葉、

 

彼は決して食事のことだけを

言っているのではない。

 

・・・そう思えてきます。

 

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・領地を広げたと思えば、

 

父親を人質に取られ、

見殺しにせざるを得なくなる・・・。


・南奥州の大半を手中に収めたと思えば、


 実の母親に毒殺されかけた上、

豊臣秀吉に、折角苦労して手に入れた、

会津領を没収される・・・。


・関ヶ原の戦いの折、徳川家康に味方し
 「勝利の暁には100万石」という、

お墨付きをもらったと思えば、

 

自らの謀略が露見し、

結局お墨付きは反故にされる・・・。


・あと30年、いや20年

早く生まれていれば、

あるいは天下をとれたかも しれない

力量がありながら、 

 

結局、秀吉・家康の

風下に立たざるを得なかった・・・。


政宗の人生は、

彼自身の実力とは別次元の、


思うに任せない周囲の状況によって、

 

常に自分が望むものとは、

別の方向に進んでしまっていた

 

・・・ようにみえますよね。

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ならば、

力ずくで自分の思う方向に

進むように、仕向けるのか?

 


政宗はそれをせず、

世の中の流れを的確に見抜き、

 

現実と向かい合い、

現実を受け入れていきました。

 

 

それは、

ある時は伊達家の存続のため、

 

そしてある時は、

天下泰平への世の流れを受け入れ、

その流れをこわさないために・・・。

 


そんな政宗の状況を

思い浮かべると、
 

政宗からのこんな声が、

聞こえてきませんか・・・?

 


「人生の出来事は、

思い通りはならないものだ。


だから起きてしまったことを、
とやかく言ったところで、

仕方のないこと。


ならば、

 

思い通りではないことも、
感謝して受け入れた方が、

心穏やかに過ごせるものよ」

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他人の家に来て

食事を振舞われて、

 

「こんなまずいもの、食えるか!」

 

とテーブルをひっくり返す
人間はいないでしょう。


同じように、
自分はこの世に

 

「お客さん」

 

としてきている

 

・・・そう考えて、

 

 

思い通りにはならない、

 

これまでの、そして現在の

 

自分の周囲の環境に対して、

自分が置かれた状況に対して、

 

 

「あれこれぜいたくを

望んでみたところで、


愚痴・不平・不満をいって

嘆いてみたところで、


どうなるものでもない」

 

そう考えて、

事実として認める。



その上で、

 

未来を見て、未来に向かって
自分の全力を出し尽くしていく。


もしその結果が再び、

 

自分の望むものとは

違っていたとしても、

 

それも淡々と受け入れて、
さらに次の行動に移していく。 

 

自分は成功すると信じ、

自分の力を信じて・・・。

 

 

それこそが、

 

何度も人生の「ちゃぶ台返し」に

あいながらも心折れることなく、

 

その都度、それらを受け入れ、


その隻眼に、

燃えるような光を宿して

立ち上がり、


全力で人生を生きぬいた政宗が

 

自分の生涯を振り返って

私たちに伝えてくれた、

 

 

思い通りにならないこの世を

不自由に負けずに、

強く生きぬくための、

 

「達人の生き方」

 

なのかもしれません。

 

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受け入れるもの、
受け入れないもの、
受け入れざるを得ないもの。

しっかり見極めて、

 

全力で、

 

そして心穏やかに、

 

私たちも

生きていきたいものですね。
 

(自分が生きた時代の400年後の仙台市を

仙台城跡の高台から見守る伊達政宗像)

 

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