「どうせ、がんばったところで・・・」
そんな風に、
思ってしまっていませんか?
未来を悲観して、
「今、この瞬間」
を浪費していたら、
その先にあるのは、
「悲観した通りの未来」
だけですよね。
だから
この人の言葉に耳を傾けて、
「今を生きる!」
実践してみませんか?
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Even if I knew that
tomorrow the world would go to pieces,
I would still plant my apple tree.
(Martin Luther)
たとえ明日、
世界が終わるとしても、
今日私はリンゴの木を植える。
(マルチン・ルター)
マルティン・ ルターは、
15世紀から16世紀にかけて生きた、
ドイツ (当時は神聖ローマ帝国)の
神学者、司祭、牧師であり、
宗教改革の中心となり、
プロテスタント教会の源流を
つくった人物です。
ちなみに、
あのキング牧師の本名、
Martin Luther King, Jr.
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア。
は、この人にちなんでつけられた
名前と言われています。
(キング牧師の記事はこちら)
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How soon 'not now' becomes 'never'.
「今でなくても」が、
「やらなかった」になるのは実に早い
当時、強大な権力を誇った、
カトリック教会は、
贖宥状(免罪符)を盛んに
販売していました。
ルターは
この贖宥状の考え方に異を唱え、
1517年、当時のマインツ大司教に対して、
『95ヶ条の論題』を送り、
議論をしかけていきました。
当時のヨーロッパ社会の
価値観そのものであった
キリスト教会のトップに対して、
正面から異を唱える。
「自分の考えの方が正当である」
と正々堂々主張する。
キリスト教を、
そしてヨーロッパ社会全体を、
自分の信じる正しい方向に
導こうとする。
大変なエネルギーと覚悟が必要なこと。
そしてそれは、
一朝一夕では実現しない、
もしかしたら、
絶対不可能かもしれないこと。
それはルターも十分に
わかっていたのではないでしょうか。
それでもルターは、
「自分は今日、リンゴの木を植える」
そういう覚悟をもって、
リンゴを食べられる日、
すなわち
自分の思いがかなう日、
それは永遠に
来ないのかもしれなくても、
それでも、
今日という日が過ぎていく前に、
自分の信じる正義を
「やらなかった行動」
にしてしまわないように、
今日できることをやる。
そう決めて、
1日1日、
実践していったのでしょう。
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Everything that is done in this world is done by hope.
この世でなされる全てのことは、
希望の力によりなされる。
1520年、
カトリック教会から自身の理念を
撤回せよと迫られたルターは
これを拒否。
翌1521年、
ローマ教皇より破門を言い渡されます。
その年、
神聖ローマ帝国の議会に召喚され、
自身の著書の内容の撤回を
要求されたルターはここでも拒否。
帝国からの追放を命じられます。
宗教家としても、
ひとりの人間としても
それは、絶望的な受難の日々
といえるでしょう。
それでも自分の信念を
曲げることのなかった
ルターをささえたもの、
それは
「今」ではなかったとしても、
必ず自分の信念が
認められる日は来る。
そう信じる、
希望の力だったのでしょう。
【神聖ローマ帝国追放後、ルターがかくまわれたヴァルトブルク城】
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Peace is more important than all justice;
and peace was not made for the sake of justice,
but justice for the sake of peace.
平和はいかなる正義よりも大切なものである。
正義のために平和が作られたのではなく、
正義が平和のために作られているのだ。
その後、ルターの
「聖書に書かれていないことは認めることができない」
という説を根拠とした、
過激派による教会破壊や、
農民による反乱があちこちで
おきていきますが、
ルター自身は、
暴力を伴う改革を否定し、
行き過ぎを警告しました。
彼の唱えた、
キリスト教のあるべき姿 (=正義) は、
社会の平和や、
個人の心の平穏のためのものであり、
正義のために社会の平和や
平穏な心が損なわれるということは、
あってはならない。
そういうことだったのでしょう。
そんなルターにとって、
キリスト教会の分裂は、
本来の意図ではなかったようですが、
やがて彼の影響下で、
福音主義教会(ルター派教会)が形成され、
後の世の
プロテスタント教会の源流
となっていくのでした。
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自分が正しいと思うことは、
正しいと主張し、
間違っていると思うものは
正すための行動をとる。
それがいかに困難なものだと
わかっていたとしても、
自分の思いは、
かなわないかもしれないとしても、
今日自分にできることを
怖れずに行動に移していく。
勇気をもって、
今を精一杯生きる。
未来に希望を持ち、
そして、
守るべきものは守る。
人のそういう思いが貫き通された時、
常識的にはくつがえすことなど
不可能と思えた現実さえも
くつがえす力が発揮される。
そして歴史すらも変えていく。
信念、行動、希望、勇気・・・
うまくいく確約も確信も
無かったとしても、
それでも希望を持って
今日できることを、
今日やる。
私たちも大切にして、
生きていきたいですね。
【マルチン・ルター像】
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(注記)
ドイツ生まれのルターが残した言葉は、
ドイツ語のはずですが、
それでも今回
英語の表現を併記しているのは、
日本語よりは、
本人の語った言葉のニュアンスが
より近い形で反映されているのでは・・・
と考えた上のことです。