千早(ちはや)ぶる 

神代(かみよ)もきかず 

龍田川(たつたがは)
からくれなゐに 水くくるとは

 

在原業平

 

 

(現代語訳)

神々が住み、不思議なことが

当たり前のように起こっていた、
いにしえの神代でさえも、

 

こんな不思議で美しいことは

起きなかったに違いない。


奈良の竜田川の流れが、

舞い落ちた紅葉を乗せて、

鮮やかな唐紅(からくれない)の

絞り染めになっているなんて。

 

 

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この歌の作者、

在原業平(ありわらのなりひら)は、

 

小野小町の男性版

 

と言ってもいいような

 

「伝説の美男で風流才子」

 

と言われています。

 

 

伊勢物語の主人公とされ、

古典の勉強でも、

よく出てくる人物なので、

 

ご存知の方もたくさんいらっしゃるかもしれません。

 

 

西暦 825年~880年の世に生きた業平。

 

我々の生きる現代から

およそ1200年前に彼が見た世界が、

 

彼の言葉によって、

 

私たちの目の前に極彩色で再現されている。

そんな気がしませんか?

 

そして

 

古の神代にさえも見られなかった

この極彩色の世界を

 

あなたも体験したいと思いませんか?

 

 

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ゆっくりと大きく息を吸って

長く静かに少しずつ息を吐いてみましょう。

 

そうです。

 

深い呼吸と共にリラックスしていく

ことを感じられていると思います。

 

 

静かに、あなた自身が繰り返す

規則的な呼吸に気持ちを

あわせていきましょう。

 

 

あなたの体はリラックスし、

 

そして、

 

あなたの体と、

 

イスが触れていることを感じているかもしれませんし、

衣服がこすれることを感じているかもしれません。

 

 

この文章は眼で追って読んで頂いてもかまいませんし、

 

口に出して読んで頂いてもかまいませんが、

 

読んでいるうちに、

 

あなたはあなたの頭の中で、

ある感覚を感じていることに気づくかもしれません。

 

 

鮮やかな赤、

静けさの中で唯一響く川のせせらぎ、

紅葉を舞い上げる風の冷たさ・・・、

 

 

あなたがどの感覚を感じているのか、

それとも全てを感じているのか、

 

私にははっきりとはわかりません。

 

 

でも

 

既にすっかりリラックスしている
あなたの意識には、

よりはっきりと

 

見ること、

聞くこと、

 

そして

 

感じること

 

ができているのかもしれません。

 

 

この世のものとは思えない

全てを焼き尽くす紅蓮の炎のような色。

 

静けさだけを感じさせる規則的な音。

 

あなたの皮膚をかすかに

なぞっていく涼やかな空気の流れ。

 

 

あなたは、

それらを見て、聞いて、

そして、感じているうちに

 

時の流れのイメージの中で

あなたの意識がゆったりと漂うような

感覚でいることに、気づくと思います・・・。

 

今あなたに

 

見えているもの、

聞こえているもの、

感じられているもの、

 

十分に楽しんでもらってかまいません。

 

 

それではゆっくりと、

のんびりと、

 

少しずつ今あなたのいる場所に

戻ってきてください。

 

鹿が見えますね。

鹿の姿に目をやってみてください。

 

だんだん鹿だけでなく、

あなたの今、

身の周りにあるものの存在も

感じられてきたと思います。

 

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・・・いかがだったでしょうか。
 

まだ写真の無かった時代に、

業平がその言葉で伝えようとした

 

1200年の時を超えた極彩色の世界。

 

 

それでは今日は、

ここまでということで、

 

しばしの間、

今日もおつきあい頂き、

ありがとうございました。


またいつか、時空を超えた旅行を

ご一緒できる日を楽しみにしています。

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