福岡空港からタクシーに乗ろうとすると、

『プレミアムタクシー乗り場』の看板と『タクシー乗り場』の看板が並んであった。


少し疑問はあったけど、プレミアムタクシー乗り場の先頭にいた車に乗った。


何か特別な人しか乗れないタクシーなのかと思ったけど、そうじゃないみたい。


乗るとすぐに運転手さんから話しかけてきた。

「プレミアムタクシーってご存知でしたか?」


知らないと答えると説明がはじまった。


聞くと、プレミアムタクシーとは、


特別な研修を受けたドライバーのみが名乗れるもので、車は高級っぽい『黒塗り』で専用ジャケット、ネクタイ、帽子を着用しているんだとか。


確かに見た目はキチッとしてるし、話し方も穏やかで丁寧だった。


だから、プレミアムタクシーは普通のタクシーより料金も高いのかと思いきや、なんと料金は同じなんだとか。それは、福岡のタクシーの組合みたいな団体で決められている、と。


「なんで?」


運転手さんが言っていたのは、

プレミアムタクシーって名乗ることで、値段が高いと思って敬遠する人が多くて、あまり乗車されない。だから、もっとプレミアムタクシーが何なのかをわかりやすく表示したり、知ってもらう努力をしないといけない、と。


いやいや、そうかも知れないけど、根本的な解決にはならないよね?って思い、


「タクシー料金を普通のタクシーよりも高くしたらどうですか?料金が多少高くても、目的地までより快適に行けるなら、それを選ぶ人はたくさんいるんじゃないですか?むしろ、そんなタクシーに乗りたいですけどね」


って言ってみた。


すると、運転手さんは、このご時世でタクシーに普通料金よりも高く支払う人はいないから、安くないと…と言う。


だから、以前は博多駅や他にもプレミアムタクシー乗り場がたくさんあったのに、今は空港だけなんだとか。


勿体ないなぁ…

このプライドのなさが料金安くしてる原因なのに。


乗降時ドア開閉、車内温度、会話、ルート、車内環境(BGMや音量など)、支払い、などのサービスの質を高めて他のタクシーではできない『独自化』をする努力と工夫をすれはいいのに。


どの業界にも、『安いはサービス』っていう言い訳でクオリティアップから逃げる体質ってあるんだなぁ…


勿体ない。