記事提供「三河新報 (別窓)」


「介護人材確保に向けた取組について」

 

 9月定例会一般質問の介護人材確保に向けた取組への質問の中で「質の高い介護現場の醸成と人材確保のためにも、研修費用なども考慮しながら、第 9期計画策定の中で検討する」との趣旨の答弁があった。令和 6 年度から令和8年度までを計画期間とする「第9期西尾市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」の中で、新たな介護系資格(介護福祉士・介護支援専門員等)の資格取得者への受験料や資格取得費用の一部補助、また、(介護職員初任者研修修了者・実務者研修修了者)への研修費用の一部補助など新たな介護人材確保に向けた取組、支援内容の詳細はどのようか。

 介護には様々な資格やその取得に必要な研修があり、相応の費用がかかると承知している。そのため、まずは、介護現場への新たな人材の参入を促進する目的で、介護職員初任者研修の受講費用について一部補助を予定している。また、現任職員のキャリアアップを支援し、離職防止を図る観点から、特に、制度改正により令和8年度末までに居宅介護支援事業所に配置が義務付けられた主任介護支援専門員になるための研修や更新研修の受講費用なども補助が必要と思われる。 その点も含めて、 例えば他市の事例にもあるように、介護事業者に対して一定の枠内でのメニュー方式で補助する方法なども参考にしたい。引き続き補助の実施内容については、第9期計画の施策に位置付け、策定委員会での協議を踏まえながら検討していく。

 「介護事業者に対して一定の枠内でのメニュー方式で補助する方法」について対象の資格や仕組みの詳細を伺う。また、想定している補助額、年間の利用回数など制限についても伺う。

 例えば、豊田市や岡崎市では、介護サービス事業者が職員の研修受講料を負担又は補助した場合に当該事業者に対してその費用の2分の1の額を年度あたり10万円を限度に補助しており、介護支援専門員実務研修や介護福祉士資格受験の前提要件となる実務者研修など、およそ10種の研修受講費用を対象としている。事業者がそれぞれ必要とする研修を選択することができ、より多くの事業者にご活用いただけることがこの方法による利点と考える。

 およそ10種の研修受講費用について

豊田市(9種):生活援助従事者研修、介護職員初任者研修、実務者研修、認定介護福祉士養成研修、介護支援専門員実務研修、介護支援専門員専門研修、介護支援専門員更新研修、主任介護支援専門員研修、主任介護支援専門員更新研修

岡崎市(10種):豊田市の対象研修に加え、介護支援専門員再研修

 介護サービス事業者が職員の研修受講料を負担又は補助した場合に当該事業者に対してその費用の2分の1の額を年度あたり10万円を限度に補助」とあるが一事業所での介護系の資格取得に対してどれだけ(何人)の補助効果があると想定しているのか。次年度の予算額をどのように考えるか。また、補助金等の活用はどのようか。

 研修受講料については、その種類や、すでに取得済みの資格によっても左右され、さらに研修の実施機関によっても費用は様々と考える。例えば介護職員初任者研修では、およそ3万円から8万円程度とされる受講料の半分を事業者が補助した場合には、5人から13人分の、介護福祉士実務者研修では、受講料が20万円程度になることもあることから、2人から13人分の補助になると想定している。先ほどの例にした他市と同様に実施した場合は、市内約240の事業者が対象となり、介護職員の居住地は問わない予定。また、来年度の予算額につきましては、確定していないが、他市の実績などを参考にして必要な予算を見込みたいと考えており、より多くの事業者を支援できるようにしたい。次に補助金等の活用につきましては、愛知県地域医療介護総合確保基金事業補助金の活用を考えている。その内容は、市が事業者へ補助した場合、補助費用の4分の3が市へ交付されるもので、市から個人へ直接補助した場合には対象とならない。この補助金を活用することで、より多くの財源を確保し、それをより多くの介護職員の就労支援に役立てたいと考えている。また、介護職員の研修受講料を補助した事業者を補助対象とすることで、介護サービス事業者がこれまで以上に人材確保、育成に注力するきっかけになることにも期待する。