先日、西尾市方式による公共施設再配置第1次プロジェクトの優先交渉権者の選定結果が発表されました。

その前、17日に行われた応募者による市民向け公開プレゼンテーションでは、以下のような企画提案が示されました。




再配置プロジェクト01
吉良地区の多目的新生涯学習施設整備事業
1、多目的新生涯学習施設「きら市民交流センター(仮称)」
①吉良支所(吉良町公民館)に整備し、吉良支所とフィットネスクラブを合築した「支所棟」と、より多用途に利用できる「アリーナ棟」の2棟に分散配置することエ、まちなみを形成します。
②「支所棟」内に、各200㎡を超えるスポーツジムとダンススタジオ、浴室等を付帯した総合型のフィットネスクラブを整備し、独立採算事業として運営します。
2、コミュニティ公園「きらスポーツドーム」
①コミュニティ公園体育館・管理棟跡地に、フットサル・テニス兼用コート2面の屋外型スポーツドームを整備し、独立採算事業として運営します。

再配置プロジェクト02
一色地区の新公共空間創造事業
1、防災機能を備えた多機能型市営住宅
①一色支所跡地に、全90戸、1棟10階建てによる市営住宅を整備します。
②より地域に利用されるよう、市営住宅に隣接する別棟として、300㎡程度のフリースペースを整備します。
③通所介護サービスを独立採算事業として運営するとともに、一色健康センター内に移設予定であった一色老人福祉センター機能も統合し、充実した高齢者福祉サービスが受けられる環境を整備します。
④小規模保育、医療クリニックを民間サービスの独立採算事業として運営します。
再配置プロジェクト03
学校教育関係施設の長寿命化
再配置プロジェクト04
資料館機能(重複施設)リニューアル事業
再配置プロジェクト08
公共施設包括マネジメント事業

また、官民連携型の寺津温水プール、学校給食センター、解体計画のある、一色B&G海洋センター跡地への東海地区最大級のエクストリーム(スケートボード)パーク等の新たな企画提案があり、民間の創造(想像)力に驚き、力強く思いました。

-優先交渉権者-
応募グループ名「豊和グループ」
構成企業(5社)
代表企業 (株)豊和 (市内企業)
構成企業 (株)エムアイシーグループ (市内企業)
       辻村工業(株) (市内企業)
       サンエイ(株)
       (株)西三河エリアワン
協力企業(7社)
       アップビート(株) (市内企業)
       (株)豊田設計事務所 (市内企業)
       (株)アイコン (市内企業)
       吉良建設(株) (市内企業)
       ミツイワ建設(株) (市内企業)
       (株)AMネクスト
       (株)アイホー
不動産開発企業(2社)
       矢作地所(株)
       (株)西尾地域開発 (市内企業)

代表企業の豊和は市内で温泉施設やプール事業などを展開されていますね。
他にも皆さんご存知の市内企業名が発表されました。

今回の提案で感じたことですが、例えば、一色地区に在住の方でしたらお分かりになるかと思いましが、対米にある市営住宅の耐用年数、老朽化はすでに改修工事で対応できる範囲を超えています。

今回の公共施設再配置第1次プロジェクトに関係なく、遅かれ早かれ具体的な対策が必要になります。

ここで単純に建て替えではなく、旧一色地区内で分散していた行政機能の集約や防災上の課題への積極的なアプローチをされた、将来を見据えた提案だと思いました。

また、寺津温水プールについても、近隣小・中学校の授業での利用をはじめ、一色B&Gプールの代替機能プラス、アクセスの良さからの新たな一般利用客増への期待があります。

企業感覚からの提案は斬新で、一見すると受け入れがたいこともあるかと思いますが、新たな公共(準公共)サービスの在り方を、費用対効果、持続性、収益性、将来性などの視点から協議することで行政だけの発想では難しい提案をする姿勢は見習うべきところが多々あります。

西尾市でも少子化・超高齢化社会の影響は確実に出てきています。これからは行政・民間企業・市民による相互補完・協働のまちづくりの仕組みが必要だと考えます。

「今ここにある問題」だけを見てはいけません。

一色B&G海洋センター跡地への東海地区最大級のエクストリーム(スケートボード)パーク建設提案について市議の中でも疑義が出ています。

フットサルや野球、ストリートバスケではなく、スケートボードです。

なぜスケートボード場なのか、将来性は、採算性は、集客方法・観光資源としての活用方法は、などなど疑問は多々あるとは思いますが、

提案した企業側への質問、調査をすることなく、単にイメージ図と概要説明、風評のみをもって批判する姿勢は、西尾市の将来を築く立場である政治家としてあってはならないことだと考えます。

提案企業側は例えば、西尾市内の小・中・高校に通う児童生徒を対象としたアンケート調査を実施してもいいかもしれません。どんなスポーツやイベントがある場所に若者が集まるのか。SNSが情報共有のツールとして活用されている現代です。若者のニーズを捉えることは、若者達の情報発信力を活用する事にも繋がります。その中では、スケートボードという発想も全否定してはいけないアイデアの一つだと思います。


例えば、将来的に会場利用者の誰か(団体)が「クラウドファンディング」等を活用して若者を集めるイベントを企画してもいいですね。どちらにしても、私たちが思いもよらない発想が生まれる場所になって欲しいと思います。


個人的に、「VANS」や「AIRWALK」、「ETNIES」等のスケーターシューズは、20年位前から好んで履いてましたね。

ちなみに最近、AIRWALKは安全靴に進化?してましたが。。。

政治家は住民の代表、代弁者であると同時に、持続可能な自治体を後世に残していくために、時に提案し、時に住民への説明・説得する指導者(先導者)でもあるべきです。

合併当初から市役所では公共施設再配置第1次プロジェクトに向けてのプロジェクトチームが創られ、当時から私は担当チームの職員の皆さんと意見交換を続け、何回かにわたって一般質問も行ってきました。現在の計画のすべてに諸手を挙げて賛成、ではありませんが、全国の先進事例や失敗事例をより多く参考にし、協議の続け、有識者や市民の声をより聴く機会を設ける中で、この計画の本来の姿(目的)がより顕在化し、意識(志)を共有する中で、西尾市の持続可能なまちづくりの基盤ができてくることに期待し、また、そのために議員の立場から働いていきたいと思います。

「なにか」を守るために、自治体の進化を止めてはいけないと考えます。

以下、17日に行われた応募者による市民向け公開プレゼンテーションの会場で配布された資料内のQ&Aを再掲します。

これまで議会でも何度となく出されてきた質問もあり、多くの市民の皆さんが持つ素朴な疑問に答える形となっています。文字を大きく掲載しますので、ぜひお読みください。

Q、市は今後、PFI事業に対する市民の声を伺う機会を全く設けないのですか?
A、PFIは官民連携による公共事業の手法であり、市は、市民協働の観点から再配置を進めています。このため、優先交渉権者の企画提案は再集計ではなく、スタートラインだと考えています。そして、優先交渉権者として選定した段階、また、事業契約を締結した段階においても、市と民間事業者だけで本事業を進めるのではなく、市民の皆様の声を聴く機会をできる限り設けていきたいと考えています。

Q、市では、これからの公共事業をすべてPFI手法で対応していくということですか?
A、PFIは、公共施設再配置第1次プロジェクトの実現のために導入した手法であり、市が、これからの公共事業をすべてPFI手法で対応するということではありません。第2次再配置実施計画は、来年度から策定準備に入るため、手法については何も確定していません。また、PFI事業の契約者(特別目的会社)は、契約に定められた業務以外は、担うことができません。公共事業にはさまざまな手法がありますので、これまでと同じように、市では、業務形態や事業目的に合わせた適切な手法を選択していきます。

Q、PFI事業を担う民間事業者が倒産等に陥った場合、公共サービスが継続できなくなるのではないですか?
A、PFIに限らず市が民間事業者に業務委託する場合、その可能性はあります。ただし、PFIの場合、倒産を隔離するため、公共サービスが継続できるよう代替企業を事業者側で手配することが基本になります。さらに、PFI事業で大切なことは、民間事業者が行う公共サービスを監視(モニタリング)することです。そこで西尾市では、専門家や市民など、外部からの客観的なモニタリングの実施を検討していきます。

Q、応募者が1グループの場合、市は選定評価を行わないで、応募者との事業契約を締結するのですか?
A、選定方式が価格競争ではなく、企画評価が主となるため、1グループの応募でも問題ありません。今回は、参加要件に地元企業の優遇措置を設けたことが少数応募に大きく影響しました。なお、1グループの場合でも厳正な選定審査を行います。また、契約までは優先交渉権者であるため、契約に向けた協議の中で不調となり、契約が締結されない場合もあります。

Q、西尾市方式のPFI事業の約353億円(税込)というサービス対価予定額が、市の大きな財政負担につながりませんか?
A、本事業では、対象施設の統廃合によって、対象施設をこのまま維持し続ける場合に比べて約101億円の削減効果を見込んでいます。つまり、本事業は、新たな財政負担を作り出すのではなく、将来の財政負担を抑えながら、公共サービスを一定以上に維持しようとするものです。特に今回は、例えば水族館のような新規の公共施設の建設費ではなく、既存施設の建て替え・改修費になるため、PFIでなくても建物の安全性を確保するためには、必要な費用になります。

Q、西尾市方式のPFI事業は、5つのプロジェクトを分割発注ではなく、なぜ包括発注したのですか?
A、PFIは包括発注が可能な公共事業です。公共施設再配置を新たなまちづくりの出発点とするためには、建物(点)ではなく、地域(面)で考える必要があります。このため、地域のエリアマネジメントの視点から各プロジェクトを横断する企画提案及び資金調達が可能になり、民間事業者の創意工夫がより活用できる包括発注としました。また、分割よりも事務手続きコストが軽減されます。

Q、西尾市方式のPFI事業は最長30年間という契約期間が予定されていますが、なぜ、こんな長期契約を行うのですか?
A、PFIは長期契約が可能な公共事業です。今回の長期契約の長所は、建物の維持管理費の軽減が最大限に図られること、地元企業による安定的で柔軟な公共サービスが提供されることになります。ただし、5つのプロジェクトすべての事業期間が30年間ではありません。維持管理を行う160施設についても、準備期間の一年目を除けば、事業期間の最長29年は83施設、最短5年未満は20施設です。

以上です。