12～14日、
所属する企画総務常任委員会の行政視察に行ってきました。
視察地は、
・岩手県大槌町
【臨時災害放送局について】
【復興まちづくり計画について】
・岩手県釜石市
【釜石の奇跡に見る、実践的な避難訓練について】
・岩手県陸前高田市
【消防団活動について】
です。
すべて昨年の3月11日に発生した震災で大変な被害が出ました。
今回それぞれの自治体で、
被災地の現状と復興計画などを視察調査することができました。
初日の大槌町
昨年の震災で700人以上の住民が亡くなられた大槌町。
町長や役場幹部、
そして多くの消防団員も命を落としました。
いまだに400人を超える行方不明者もいて震災の傷は癒えていません。
【臨時災害放送局について】
「おおつちさいがいエフエム」として、今年3月31日に開局し、
主に町の復興計画や生活支援情報、
申請手続きなどの行政情報を町民に提供されています。
局は駅前にある2階建ての商業施設内に有り、
アットホームな雰囲気の中、放送されていました。
内容については広く意見を募集しながら検討され、
絶えずリスナーニーズを把握しながら番組作りをされているそうです。
この放送はインターネットやUstreamでも配信されていて、
より多くの方たちに情報提供ができるよう配慮されています。
時には役場職員も番組に登場して各情報を提供されているとか。
仮設住宅がある限りは続けたい、という考えでした。
【復興まちづくり計画について】
国や県、複数の大学や独立行政法人などと連携しながら、
基本計画に反映していく方向だそうです。
お話の中では、
津波に対する認識の甘さ、
行政の危機管理体制の甘さ、
避難所への防災備蓄の必要性など、
西尾市にも当てはまる内容のご意見が多々ありました。
また、多くの家や車が流され、
新たに購入した場合の2重ローン問題などもあるそうです。
2日目、釜石市
【釜石の奇跡に見る、実践的な避難訓練について】
片田教授のお話で有名な「釜石の奇跡」です。
避難状況や避難所の課題、被災者の生活支援などを調査しました。
避難については、「津波てんでんこ」の徹底とのこと。
「津波てんでんこ」とは、
【津波が来たら、取る物も取り敢えず、肉親にも構わずに、各自てんでんばらばらに一人で高台へと逃げろ】という意味だそうです。
物資不足については最初の2～3日が勝負。
この期間を乗り切れば自衛隊や他自治体の救援が来るそうです。
決められた避難所以外にも、
各地で臨時の避難所が乱立することもあり、
把握は大変だったと思います。
そして女性・子ども・高齢者・障がい者等への配慮も必要です。
また、仮設トイレ問題も深刻だったそうです。
それらに対応するため、
職員、ボランティアの皆さんは不眠不休で働いていたそうです。
バスで見た市街地にはなにもありませんでした。
釜石市復興まちづくり基本計画が順調に進むことを祈念します。
3日目、陸前高田市
【消防団活動について】
当時の消防団の活動などについて伺いました。
8分団33部、団員数749名で構成される陸前高田市の消防団は、
3月11日の発災から翌4月30日まで全団で対応し、
5月1日以降については、各分団、部で対応されたそうです。
52名の団員が亡くなられたなか、
被災による避難、転居による団員数減少も重なり、
被災前と同じ活動は非常に困難だったそうです。
その中で団員の皆さんは朝から晩まで活動され、
変わる支援ニーズと必要物資など、柔軟に対応されたそうです。
ここでも沿岸部には何もなく、波と風の音だけでした。
周囲は地盤沈下がひどく水が引きません。
がれき処理も進んでいません。
問題はこれからも山積です。
今回の視察を、西尾市のこれからに役立てていきます。
各自治体の復興計画が問題なく、一日も早く進むようにご祈念します。
お忙しい中、対応していただいた皆様、ありがとうございました。
