5日、午後3時30分、一色町公民館。


前々から楽しみにしていた、防災講演会。


平成23年度

西尾市防災講演会「想定を超える災害にどう備えるか」

~命を守る主体的姿勢を与えた釜石市津波防災教育に学ぶ~



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3時ごろ、すでに公民館付近の駐車場は満車状態で、


一色支所から歩いて公民館に。


会場は700席の中規模ホールだが、立ち見が出るほど。


一色防災ネットワークの皆さんをはじめ、


操法大会が終わったばかりの各地区の消防団正副団長、


各学校関係者、一色中学の生徒も参加していた。


今日の講師は、「釜石の奇跡」の片田教授。


群馬大学大学院教授で、


広域首都圏防災研究センター長の片田敏孝氏。


専門は災害社会工学。


片田氏は8年前から釜石市で津波防災教育を行ってこられた。


確かに小中学生から防災教育をしたほうが頭にも身にも入りやすい。


お話の中では、発災時の子どもたちのとった行動、


避難経路など実際の現場からの体験談や教訓など


難しい言葉を使わない、


時に笑いも織り交ぜた、非常に分かりやすく話でした。


発災時当時、一番近くの中学校、


特に活動中のサッカー部の生徒たちが


大きな揺れと、校庭の亀裂を見て、


「津波が来る!」と、


走って災害を知らせ、小学校や保育園児などと一緒に避難した。


結果として「率先避難者」の役割になったとのこと。


避難中の写真を見たが、目の前まで津波が来る中、


絶えず避難をし続け、結果として学校にいた全員が助かった。


片田氏や関係者が行ってきた、


防災ハザードマップを盲信するすることの危険性の指摘や、


子どもたち自身が考える避難場所や経路、


そして、常日頃から


「逃げる!」


ことを徹底的に心身に叩き込まれた結果だと思う。


他にも防災への依存度が高まることで、


人為的に守られることでの人間の脆弱性の指摘や、


「想定に囚われすぎた防災」の危険性も訴えておられた。


合併により新西尾市には旧幡豆郡3町が入り、


防災行政の中に津波被害という項目が正式に入った。


また、片田氏は津波避難についてこう言っておられた。


「津波避難は海から離れるのみではない、津波の高さから逃げること。」


一色地区についても重要なこと。


想定していないことをどれだけ想定していくか。


既存の避難訓練をどれだけ実践型に再構築していくか。


たくさんの課題が頭に浮かんでは消え、また浮かぶ。


質疑も入れて5時までの予定が、30分近く延長に。


帰りに関係者と興奮気味に意見交換。


出口付近でボランティアの皆さんから水と保存食を頂くニコニコ


とてもいい講演会でした。



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以下は片田氏に言われたことの要点をまとめてみました。


想定とは

①あり得ることとしての想定(あらゆる事態は想定可能)

②防災行政における想定(無尽蔵に災害を想定することは無意味)


「自らの命を守ることに主体的たれ」

①想定に囚われるな

②最善を尽くせ

③率先避難者たれ


その他

①津波到着までは30~40分ほど、高さの予測は不可能。

この間に、どこまで津波より高い位置に逃げれるか。

②発災時は家族と一緒にいるとは限らない。平時から家族とは、

どこに避難するかなどを話し合っておく。信頼関係の構築。

③津波のスピードはおおよそ以下の通り。


水深 5000mでは、800km/h

水深 500mでは、新幹線並み

水深 50mでは、車

水深 5mでは、人が走るくらい