14年ぶり2本目の親知らずを抜いた
前回の抜歯はブログにも書いてた。ブログは滅多に書かないので僕にとって重大事なのだろう。前回は右上で今回は左上。いずれも手前の歯が虫歯になったのがきっかけ。今回抜いた親知らずが生えてきたのは12年前なのも書いてた。12年間ありがとう。そしてさようなら。
禁ツイ&ブコメモ
「はてなブックマーク=はてブ」は結構前から使っていたものの、そのブックマークにコメント=ブコメを付けることはしていなかった。その間ツイッターで3万以上ツイートしていたけれど、随分前から滅多にツイートしなくなった。いわゆるツイート疲れと思われるが、何をツイートすべきか悩むようになって、しばらく週1日のみツイートするようにしていたが、それすら出来なくなって5月と6月は1回しかツイートしなかった。完全にやめてはいないけれど「ほぼ禁ツイ」状態だ。
疲れる理由としては、思いつくたびツイートしていると際限なく続けてしまう、というのが要因だろう。それでツイログというサイトに表示される「ツイートした日」と「ツイートしなかった日」が同じになるのを目標に減ツイしてる。「ほぼ禁ツイ」より「減ツイ」の方が適切な表現だな。さておき今のところ「ツイートした日」は1,202日で「ツイートしなかった日」は1,050日なので、あと152日の禁ツイ日を要する。ほぼ半年に相当するから、完全に放置したとしても12月までかかる。まあでも今のペースなら年内で追いつくから、この調子で減ツイし続ける所存だ。
とはいえ実生活での話し相手が少ないこともあり、ネット上に自分の意見を書き込む行為がストレス発散になっていることは間違いなく、何か他の手段はないものかと考えてみて思い出したのがブコメだった。そして2014年10月10日からコメントを書くようになり、今日までの約9か月間に424件のブコメを書いた。1か月辺り47件、1日辺り1.5件である。ブックマークの合計数は表示されるものの、コメント数は表示されないため、数えるのに苦労した。コメント数も表示されてくれると嬉しいのに。表示されてることに気付いてないだけかもしれないので、もしそうなら教えてもらえると有難いな。
ついでだからブコメに付いたスターも数えてみたら381個だった。1人が連打したものは1個でカウントしてある。424件で381個ってレベル的にどうなんだろ。スターの数がブコメ数を上回っていれば悪くないかなと何となく思っていたから、届いてなくて残念だ。とはいえ惜しい数字にも感じられるから、今後は精進していきたい。差は43なので9割ほど届いてる。今後43件に平均2個以上のスターが付けば目標に達する。なおスター数も数えるの大変だったから、どこかに総数が表示されていると助かるなあ。これまた気付いてないおそれがあるため、ご教示いただけるなら幸いである。
「はてブ」コメントの分散が気になる
「はてなダイアリー」と同じ会社のコンテンツだけど、はてなユーザ以外も読めるから、念のため説明しておこう。「はてブ」とは「はてなブックマーク」の略称。その名の通り、ウェブ上のニュースやブログ記事へのリンクを、ブラウザのブックマークのように収集できるサービスだ。公開設定にしていれば、何をブクマしたか、他のユーザも閲覧できる。100文字以内のコメントを付けておけば、面白いと思ったユーザからスターがもらえる。スターの数が多い上位10人は、ブクマ一覧にある「人気コメント」欄に表示される。「ツイッター」の「お気に入り」や「フェイスブック」の「いいね!」みたいなものである。
「はてブ」自体は以前から利用していたが、あくまでブクマとして使っていただけで、コメントを付けるようになったのは、つい最近のことだ。なかなかスターは付かないけれど、時折「人気コメント」に表示されることもあって、そういう時は嬉しく思う。もともと「ツイッター」で「お気に入り」されるのを楽しみにしていたから、それと同じ反応だ。ただちょっと不満なのは「ツイッター」と違ってコメントにレスを付けられない点。スターだけだと、どういう理由で気に入ったのかが分からない。勘違いなら申し訳ないけれど、事実ならそこも改善してほしい。ただしその件は、この文章の本題ではない。
「はてブ」に保存できるのは、ニュースやブログ記事に「はてブ」するための「B」ボタンが設置されている場合が通常だが、ブクマ用のツールがあってボタンがなくても保存は可能だ。つまりブクマできないページは存在しないと考えて良さそうだけれど、これも実際のところは分からない。さておき問題なのは、どんなページでもブクマできるから、同じコンテンツが重複されてしまう点である。ニュースサイトや人気ブロガーの記事は「ヤフーニュース」など、各種ポータルサイトにも配信されている。それにより配信元は契約料や知名度の向上を得られ、ポータルサイトのコンテンツは充実し、ユーザは色んな場所から情報を知ることができる。誰も損をしない便利なシステムなことに異論はない。けれども気になるのは、どのページをブクマすべきかということ。
配信元が同じなのだから、ポータルサイトの記事の内容も一緒だ。どのページをブクマしても、記事を読むだけなら問題はない。ところがコメントを見る際、困ったことになる。内容は一緒でも「はてブ」上では別ページ扱いだから、コメントが分散してしまう。面白い「人気コメント」を網羅するためには、あらゆる配信先のブクマを探さなくてはいけない。ブクマが分散しているから「人気コメント」の順位も実際とは異なる。「はてブ」の醍醐味は記事の保存やコメントの執筆のみならず、面白いコメントを読むことにもあるのだから、どうにも歯がゆい。スマホの連絡先のように「関連付け」機能が実装されることを切に願う。既にあったらゴメンね。
※後日追記:いつの間にか「関連付け」実装されてました。どういう経緯だったのか、気になるところ。でもどのページをブクマしてブコメを読むかは、やはり迷います。とりあえずコメント多いところにしてしまいますねえ。
【政策】発がん性物質の使用を禁ずる
タイトル冒頭の【政策】というのは「こんな政策があれば良いのに」との提案をする際に、これから付けていこうと考えています。もちろん僕は政治家ではないし、そもそも立候補すらしてませんから、あくまでこれは個人的な主張に過ぎません。けれども昨今の政界には「ネットの意見を政策に取り入れていく」という風潮がありますから、これもそういう点で役立てれば良いなと考えています。
さて本題に移ります。発がん性が高いとされるタバコを辞めるために開発されたはずの電子タバコ。ところがそこにも発がん性物質が使われているという話を聞きました。それを受けて「電子タバコも喫煙スペース以外では使用を禁ずる」との注意勧告がなされたようです。曖昧な記憶に基づいて書いているため、販売中止になったのかは分かりませんが、確かその程度の措置だったと思います。間違っていたら申し訳ないです。
まあそれはそれで当然なんですが、どうもこの中途半端な対応にモヤモヤします。僕の記憶通りなら、どうして販売中止にしないのか。これは電子タバコのみならず、他の嗜好品や食品にも当てはまります。いっそ「発がん性物質の使用を禁ずる」と決めてしまえば、別に注意なんかしなくて済むのに。そうなれば必然的にタバコも販売できなくなりますし。なるほどそこに大きな利権が絡むから、遠慮せざるを得ないということですかね。
タバコってのは不思議な存在で、大勢の嫌煙者から叩かれ続けているにも関わらず、販売禁止には至りません。健康被害を考慮して、分煙や値上げ等されてきましたが、腫れ物に触るようにして恐る恐る施行されてきた、という感じ。繰り返しになりますが、やはりそこは利権の問題で、税率の高いタバコをなくすなんて勿体ないとか、色々あるんでしょう。どうせ消費税を上げるんだから、別にそんな税収なんか当てにしなくて良いのに。
まあ税金だけじゃなくてJTの存続もあります。それに近年は昔ながらのタバコ屋は減り続け、そのかわりコンビニの売上として重要なものになっています。コンビニの台頭は目覚ましいですから、そこからの圧力なんかもあったりするのかなと思ってみたり。あくまで憶測に過ぎませんが、店先にある自販機の深夜運転が中止されたことで、24時間営業のコンビニに客を奪われ、タバコ屋の経営が圧迫されてきたという流れには、作為を感じます。
タバコ以外の食品についても書いておきます。食品添加物に発がん性が認められたという話も良く聞きます。ところがこれも別に使用を禁じられるわけではないところが妙な話。そもそも危険性を承知の上で添加物を使う背景には、そうすれば安上がりだからという考えがあります。コンビニやスーパーで売られているパンは、専門店に比べて安価かつ消費期限も長い。それを可能としているのが、発がん性を持つとされる添加物イーストフードの存在です。
専門店は味に拘るのが常ですが、美味しさの秘訣として、添加物を使わない点もあります。だから消費期限は短く、価格設定も下げられず、大手企業との競合は出来ません。それでも味や安全性を重視する客がいるから存続できているわけです。パンに限らず安価な食品はどれも似たようなもの。添加物の使用が禁じられたら、専門店のように値段を上げなくてはなりません。そうなれば美味さの優る専門店との競争は激化することでしょう。
あらゆる食品で同様のことが起これば、日本の物価は劇的に上昇します。これこそアベノミクスとやらの目指している理想なんじゃないですか。なのに何故そういう政策を打ち出さないのか。やはり一部の人々の利権を守りたいからだとしか思えません。本当に国のためを思っているのなら、そうしないのは変です。添加物を禁じれば安価な輸入品の販売も抑制され、内需も拡大できます。健康な人も増える。良い事づくめに思えますがねえ。
※追記:これ書いた直後に「がん発病は不運による偶然が大半」との研究データが発表された。遺伝や飲酒喫煙など、がんになりやすい資質を持つ人は、患者の3分の1しかいない。だから3分の2は単なる偶然というもの。この文章が多く読まれた形跡はないから、その影響で発表された可能性は低く、これも単なる偶然だろう。さておき気になるのは、本当にその3分の2の人は発がん性物質と無縁の生活を送ってきたのかという点。あらゆる場所に存在するものから完全に隔絶された環境で生きることは可能だろうか?
掌篇『某提督の孫娘』
部屋のドア越しに長女へ声をかけた。
「パパだ。勉強は捗っているか?」
返事がないけれど留守ではあるまい。
何か書いているような物音が聞こえる。
「どうした。悪いが入らせてもらうぞ」
やはり学習机に向かっている背中が見えた。
「勉強中か。声に気付かないとはすばらしい集中力だ」
机の上を覗き込もうと近づいたところで娘が振り向いた。
「なに勝手に入ってるの!」
そう怒鳴りつつ耳からイヤフォンを外す。
「ごめん。音楽を聴いてたのか。声はかけたんだよ」
「だから何。許可も得ず入るなんてサイテーだろ!」
「いや、いるのに返事がないのは親として心配だし」
「そんなこといって娘の部屋が見たいだけなんだろ、このクソ提督!」
「親に向かってクソとは何だ。つーか提督?」
「しまった。何でもないよ」
「いや、大事なことだぞ、これは。ちゃんと説明しなさい」
「ゲームの台詞だよ。海軍をテーマにした」
「そりゃ奇遇だな」
「何がよ。まさかパパもやってるの?」
「それが『艦これ』なら言う通りだ」
「何かイヤだな。まあ男性向けだし仕方ないか」
「パパは良く海軍の話をしていただろ」
「そんなこと覚えてないよ」
「お前がまだ幼い頃だったな。何がキッカケで始めたんだ?」
「自分の名前と同じ軍艦があると聞いて」
「そりゃそうさ。それが元ネタだからな」
「軍艦から名付けたの?」
「名付け親のグランパは提督だったからね」
「マジすか。もしかして自分も乗ってた船?」
「らしいよ。もう詳しいことを訊けないのが残念だ」
「でも何か当時のものとか残ってないの?」
「あるはずなんだ。しかもこの部屋に」
「どうしてここに?」
「だってお前は同じ名前なんだから」
「それで隠しておいたってこと?」
「なのかな」
「じゃあ何で教えてくれなかったの?」
「忘れてたんだ。でもクソ提督って呼ばれて思い出した」
「酷いこと言ってゴメン」
「いいんだ。勝手に入ったのは事実だから」
「ありがとう。それでその遺留品、何とか見つけられないかな?」
「せっかくだから捜してみよう。でも手掛かりがないんだよ」
「もしかして机の引き出しかな。グランパからのプレゼントだったし」
「そのセンはあるな。使ってない引き出しなんてあるのか?」
「ないけど、奥の方に隠れてたりしそう」
「じゃあ捜してみてくれ。机の中を見るのは気が引ける」
「当たり前でしょ。とりあえず部屋の外で待ってて」
「わかった」
リビングのPCで『艦これ』の任務をこなしつつ待つことにした。
ちょうどデイリー任務を終えた頃、娘が走り寄ってきた。
「パパ、あったよ!」
「でかした。それで何が見つかったんだい?」
「写真」
「船のか?」
「ううん。美人さん」
「誰かな?」
「分かるわけないでしょ」
「それもそうだ。とにかく見せてくれ」
「まさか。あの艦娘に瓜二つじゃないか!」
「ビックリよね。しかも私と同じ名前の船だし」
「グランパがゲームの開発に関係していたとか」
「ないでしょ。パソコンとか全く触ってなかったもの」
「だよな。でも企画段階ならパソコンなくても可能だ」
「まあ、キャラデザインとか、手書きで出来るもんね」
「気になるな。とにかく調べてみよう」
「どうやって?」
「思い出した場所があるんだ。お前も行くか?」
「もちろん」
「分かった。すぐに着替えて出るぞ」
「パパは着替えなくてもいいのに」
「そうもいかない。お前はこれを着なさい」
「準備は出来たか?」
「出来たけど、どうしてセーラー服なの。もう大学生なのに」
「歳は関係ないだろ。原型は水兵さんの制服だからな」
「つーかパパも提督みたいな恰好しててウケる!」
「グランパの遺品だ。こういうことでもないと使う機会ないし」
「何だか楽しくなってきた!」
「パパもだ。しかし気を抜いて慢心するなよ」
「もちろん。準備は万端よ」
「じゃあ、行こうか」
「イエッサー!」
思えば娘と出かけるのは何年ぶりだろう。
ママは息子と仲良しなのに父娘は難しいもんだ。
グランパと『艦これ』に感謝しなくちゃな。
それにしても軍服を着ると気持ちが引き締まる。
というより自分が戦地にいるような気分になってくる。
娘も同じだろうか。
いや、単なるセーラー服だったな。
まあとにかく、鬼が出るか蛇が出るか。
不安だが、娘といれば大丈夫だろう。
「パパ、何か言った?」
「セーラー服、まだまだ似合うな」
「なのです!」(了)
掌篇『猫便』
さいきん便が黒い。
しかも超固い。
別に触ったんじゃないぜ。
出す時の感じで分かるだろ。
何だか妙に気恥ずかしいな。
変なこと言わせんじゃねーよ。
つーか勝手に話してるだけなんだけど。
固すぎて一気に出ないから分離していて。
カリントウに似ている。
いや、食べ物にたとえるのは趣味が悪い。
他にそっくりなモノが身近にあったはず。
そうだ、まるでネコのウンチみたいに。
やはりネコ探しばかりしていて呪われたんだろう。
彼らは魔力を持つと昔から言われているもんな。
下らんジョークはさておき、何かの病気かもしれない。
食欲がなくてコーヒーとタバコしか口にしない日々が続いている。
健康を保てるはずがない。
とはいえコーヒーには水分が含まれている。
そのうえタバコは意外にも高カロリー。
だから便意が留まることはない。
ストレス解消の手段はコーヒーとタバコの他にスマホのゲームがある。
つくづく不健康な生活だな。
最近の『パズドラ』は既存の人気作品とコラボした期間限定クエストを定期的に配信するようになった。
コラボするのはゲームやアニメ。
パチンコの傾向にも似ている。
パチンコもゲームかつ液晶はアニメだから、当然の流れともいえよう。
先日は『ドラゴンボール』コラボが大盛況だった。
ドラゴン繋がりということもあって、世界観にも違和感がない。
とはいえアニメ最新作の『ドラゴンボール改』に出てくるキャラがメイン。
初期しか知らない読者には物足りない。
バトルに勝ってドロップできるのは、気色悪さしか感じない新作の敵キャラばかり。
ボスは原作漫画でも有名なフリーザ。
ゲット出来れば嬉しいが、レベルの高いステージじゃないと付いてこない。
そもそも倒して入手できるのは運次第なので、有料のコラボガチャの方が有利だ。
それも運に左右されるがドロップよりかは確率が高い。
ボス戦の惜しいところでゲームオーバーになった際、コンティニューできる魔法石を買ったことはある。
それは例外として基本的に課金するつもりはない。
それでガチャをせずにいたものだから、見知らぬキモキャラしか残らなかった。
彼らには何の思い入れもないから、全く楽しくない。
まあでも援軍を呼べるシステムがあって。
そのリストにスーパーサイヤ人の孫悟空が出てくる点は有難い。
けれども自分の持っているキャラは好きじゃないので、育てる気にもならず。
期待外れなコラボだった。
しかし『パズドラ』自体は面白くて続けている。
今度のコラボは『聖闘士聖矢』だった。
これまたドンピシャの世代なのでワクワク。
いずれも古い漫画なので「おっさんホイホイ」なるネットスラングが脳裏をよぎる。
けれど今の若者にも支持されている息の長い作品だ。
その歴史の長さ故に初期のキャラだけ知っているのでは楽しめないということもあるだろう。
リアルタイムで遭遇したキャラを好みがちなのは仕方ない。
そんなことを考えつつ前回の結果に対する落胆もあって、このコラボにも期待はしていなかった。
ところが知ってるキャラが簡単に仲間になるので驚いた。
前回クレームがついたりしたんだろうか。
さておき「週刊少年ジャンプ」連載の漫画が続くとなると、どうも腑に落ちないことがある。
ワールドカップの真っただ中だというのに、どうして『キャプテン翼』じゃないのか。
サッカー選手がドラゴンと戦う設定に難色を示されたのかもしれない。
『ドラゴンボール』や『聖闘士聖矢』はファンタジー系の作品なので、剣や魔法の世界とも相性が良い。
両者ともSFにカテゴライズすることもできる作品だ。
『ドラゴンボール』はファンタジー色が強かったけれど、未来を舞台にしている。
それに加えて、宇宙人との戦闘がメインのSF路線になっていった。
『聖闘士聖矢』は星座にまつわる神話が下地だ。
その点でスペースファンタジーの略語としてのSF作品だといえよう。
どうもSFというと科学的想像力を駆使するサイエンスフィクションの印象を持ちやすく感じる。
けれどもスペースファンタジーは舞台さえ宇宙なら知識など関係ない。
このことを分かっている人はどのくらいいるのか以前から疑問だった。
そもそも科学は身近なものだけれど宇宙は遠くて想像に頼るしかない側面が多い。
高校時代に天文部員だったから、合宿の時に天体望遠鏡で土星を見た。
けれど、ボンヤリ輪っかが見えるだけで、図鑑に載っているような細部は確認できなかった。
久々に夜空を見たくなって窓の外に目をやると曇っていて星は視えない。
ガッカリして項垂れたところ、路傍にコスモスの花が咲いているのに気付いた。
殺伐とした路地裏が華やいでみえる。
だが連中は有毒らしい。
そのギャップは悪女を思わせる。
まあしかしそれについて深く考えるのは止めておこう。
もう女難には懲り懲りだ。
名前の響きはコスモにも似ている。
『聖闘士聖矢』における「小宇宙=コスモ」とは、外宇宙と内宇宙を結ぶパワーの呼称である。
それが発揮される時いかなる原理が働いているのかは描かれない。
勢い任せの肉弾戦ばかり。
『ドラゴンボール』も似たようなところがある。
だがそれは決してサイエンスの常識と矛盾するものではない。
宇宙を生み出したとされるビッグバンが何なのか今もって謎だらけなのだから。
もちろん専門家は理解しているつもりのようだが、証明は不可能な現象。
果たしてそれを科学的と呼んでいいのかさえ疑問に思う。
データ改ざん疑惑で騒がれた小保方さんどころの話じゃない。
証拠など微々たるもの。そこに類推を加えて真実味を帯びさせているに過ぎない。
ならばテレビゲームの方が圧倒的に科学的といってもいいだろう。
科学の力なしに『パズドラ』のファンタジー世界は成立しない。
けれども物理学者の研究する宇宙の秘密は非科学的な想像力に支えられている。
何て倒錯的なことになっているのだろう。
これは別にテレビゲームを称賛して物理学を貶めることが目的なわけでない。
このように奇妙な関係に満ち溢れた世界だからこそ起こりうる事件なんだ。
それを説明するための比喩みたいなもの。
これは容疑者の私物から得た妄想である。
被害者との接点は聖闘士の繰り出す技のように曖昧で。
殺しの手口はビッグバンさながらの不可解さに覆われている。
まさにパズルのようなヤマ。
きっと犯人はドラゴンなのだろう。
なんてことはあるまい。
しかしネコの可能性は考えられる。
迷宮に潜む泥棒猫。
いうなれば「パズドロ」だ。
どうもギャグが冴えないので再びタバコを喫んでいると、急に催してきた。
やはり黒い。
まるでブラックホールのようだ。
その深淵に意識が吸い込まれ正気が薄れてゆく。
不穏な未来を暗示しているのか。
好きなゲームのことでも考えれば少しは気が晴れるだろう。
『パズドラ』以外に『艦隊これくしょん』も楽しい。
略して「艦これ」と呼ばれることが多い。
旧海軍の艦隊を女体化させた不思議な設定の作品だ。
海や船に女性のイメージを重ねる風潮は古くからあるか。
とはいえ異色な側面を持つゲームなことは確かだ。
やはり風変わりな『ファイアーエムブレム』に似ていると感じた。
「艦これ」で撃沈された艦娘は鎮守府に帰艦しない。
つまり死ぬ。
死ねば二度と帰らない。
また入手できるのだけれど、築き上げた信頼の回復は最初からやり直しだ。
オートセーブされるブラウザゲームなので戦闘中のリセットが効かない。
そこがシビアだ。
『ファイアーエムブレム』のキャラも死ぬと戻らない。
だから戦闘中のリセットを繰り返すことで何とか進めていく。
全てのキャラが揃っていないと真のエンディングを見られないからだ。
なおかつ特定のキャラが生存していないと仲間にならない敵もいたりする。
リセットできないが再会できる「艦これ」とどっちがヘビーだろうか。
いずれにせよゲームとしては異端の部類に属する。
同時にそれはリアルさを投影している。
特に「艦これ」は現実の戦争を基礎にしているから尚更つらい。
別れは無慈悲かつ平等に訪れる。
死も、恋も。
ローラ、ビアンカ、ジョニー、ボブ、リカ、アケミ、セイヤ、タゴサク。
かつて愛した者たちの記憶が昨日のことのように蘇る。
時間軸が狂っているから誰と何をしたかは混乱している。
ああ、彼らは二度と戻らない。
ターゲットからの警告により殺された者も多い。
自分で選んだ仕事だ。
辛いが気にしちゃいられない。
最初は気丈に振る舞っていた。
でもそれも3度目には崩落した。
あれから長らく猫は飼っていない。
何だか悲しいことばかり思い出してしまう。
考えれば考えるほど気が滅入るばかりだ。
――人生最後の事件になるのかもしれない。(つづく)
掌篇『スーパーフリーダイナマイツライティングスピリット改二』
お題がなければ自由に書けるのだろうけれど、時間がないから自由に書けないのが残念だ。といっても制限時間のことじゃなくて、単に用事があるというだけの話。だったら参加しなければ良さそうなものだが、ちょうど募集期間に少しだけ暇が出来たので、せっかくだから覗いてみたというわけ。お題を見れば何か思いつくはずだとの根拠のない確信に基づいての行動だったが、見事に裏切られてしまった。まあでも考えようによっては、こんな風にボヤいているだけなのを小説だと言い張るスタンスこそ、僕が最も得意とするジャンルだと言えなくもない。あーもう行かなくちゃ。またね!(了)
掌篇『爆睡都市』
目が覚めたら電車の中だった。既に停車している。しこたま呑んで爆睡していたのだ。しばらく座ったまま呆けていると、発車する気配がない。どうやら終電のようだ。でも何か変な感じがする。空気が違うというか。まあ酔っ払いだし、おそらく変なのは自分の感覚の方だろう。
意識が回復してきたところで車内を見まわしてみると、まだ大勢の乗客が残っている。事故で停まっているのかもしれない。隣の人に訊こうとしたら、眠りこけている。反対側の人も同じだ。とりあえず席を立ち車外にでようとしたら、何かにつまづいて転んでしまった。
何が落ちていたのか確認してみると、床の上には座れなかった人たちが倒れ込んで眠っている。これは尋常じゃない。踏まないように気を付けながら運転室に向かう。運転手も眠っている。何てことだ。しかし事故らなかったのは停車後に眠りだしたせいだろうか。
※
「運転手さん、終点ですよ」と全身を揺り動かしてみたら、彼は何とか目を覚ました。あくびをしながら「おはようございます」と返してきたので、まだ寝ぼけているようだ。「呑気なことを言ってる場合じゃない。ここ運転席ですよ」「本当だ。でも電車が止まっていて良かった。そういや終点だ」「電車を止めてから眠ったんですか?」「さあね?」「とにかく他の乗客を起こして下さい」「言われなくてもやります」「眠ってたくせに偉そうな」
※
「お客さん、終点ですよ」「僕に言ってどうするんですか」「失敬。これも仕事ですから」そう言いながらまた眠ってしまった。再び起こそうと思ったが、態度も悪く役に立ちそうにないから、他を当たることにしよう。
車外に出てみると、更に異様な光景が広がっていた。ホームには大勢の人々が突っ伏して眠っている。鉄道員たちも例外ではない。駅に何かが起きている。これは非常事態だ。睡眠ガスによるテロの類だろうか。このままでは僕もまた眠ってしまいそうだ。
焦りを感じつつ改札を出ると、外も同じだった。駅前の交番に立ち寄ってみたが、出動中で誰もいない。電車の出入り口は停車時に開いていたからホームなど外も全滅だったが、自動車ならガスの被害を免れた可能性がある。そう考え車道に目をやると、所々から炎が立ち昇っている。
クルマが事故りまくっているのだ。並んでいるタクシーを窓越しに覗いてみると運転手も眠っている。窓を閉めていても駄目だったらしい。居眠り運転のクルマが一斉に衝突したのだろう。
※
街全体がテロにあったのだとすれば、一般人の力ではどうしようもない。110番にかけるしかないと考え、ポケットにしまったはずのケータイを探したが見つからない。泥酔していたから落としたのか、それとも寝ているうちにスリにあったのか。困り果てていると事故車の群れの中にパトカーを見つけた。
窓を叩いてみたが反応がない。近くにあったポールを引き抜いて窓ガラスを割り、そこから手を入れて鍵を開けた。そして直に起こそうとしたが、警官の寝息がない。寝ているのではなく死んでいるのだ。まあ交通事故だから仕方ないよな。
そんなこと言ってる場合じゃない。僕が目を覚ましたのなら、他にも起こせる者がいるかもしれない。そこで誰彼かまわず試してみたが、上手くいかない。そうこうしているうちにまた睡魔が襲ってきた。
※
「お客さん、終点ですよ」そう声をかけられて目を覚ました。ぼんやりしたまま記憶を辿り「酷い夢を視たものだ」と安堵するも、その安息は悪夢と何ら変わらぬ光景によって即座に打ち消された。街中で覚醒している者は他に誰一人なく、居眠り運転に起因する交通事故の多発で車道は焦土と化している。
のみならず多くの建物が燃えているのは、火器の不始末によるものだろう。深夜とはいえ、都心から長距離帰宅してきた住人の就寝時刻には、まだ早い。彼らを相手にする飲食店の厨房が火元となり、それが燃え移ったのだろう。まるで大空襲を受けた後のようだ。もはや何をすればいいのかすら分からない。それにしてもどうして自分だけ起きているのか。ようやく不可解な点に気づいた。
※
「お客さん、終点ですよ」と言ったのは誰か。そもそも電車の中で一人だけ目覚めた時にも、それと同じ言葉を聞いた気がする。しかし運転手は運転室で眠っていたし、自分が座っていたのは座席の真ん中だったから、ホームにいた鉄道員とも考えにくい。とにかく今は声の持ち主を探すしかない。とはいえ何の手がかりもない状況では動きようがない。方法を考えあぐねている内、再び眠りに落ちていった。
※
「お客さん、終点ですよ」そう声をかけられて目を覚ました。いつの間にか電車の中にいる。しかも普段と何の変わりもない普通の車内だ。長い夢を視ていただけだったんだな。泥酔していたせいだろう。仕事が絶不調なもんで、ストレスが溜まっていて。クビを免れるためにも、せめて明日も早く出社しないといけないのに。
※
「お客さん、終点ですよ」そう声をかけられて目を覚ました。すると今度は焦土の中だ。夢を現実と混同していただけだった。でも本当にそうなのだろうか。頬をつねって確認してみると、全く痛くない。古典的な手法ではあるが、信じるよりないだろう。多分まだ夢の中なのだ。
いつの間にか体が浮上していることに気づいた。飛ぶ夢は久しぶりなので嬉しくなってきた。しかし意思の自由は効かず、高度ばかり上がっていく。こんなのは初めてだ。どんどん街が遠のいて、日本列島や地球も越えて、見知らぬ場所で止まった。誰か近づいて来る。
※
「お客さん、終点ですよ」そう声をかけられて目を覚ました。と思いきや、今度は起きたままだ。どういうカラクリだろうか。そこで気が付いた。この声は何度も聞かされ続けてきたものに間違いない。駅前の惨状を思い出して怖くなった。普通の人間ではあるまい。正体を探ろうと顔を見たら、自分にソックリで驚いた。
「ドッペルゲンガーですよ」「聞いたことがある。会うと死ぬとか」「正確には死ぬと会えるんだけどね。いわゆる死神さ」つまり「人生の終点」という意味だったのか。それにしても繰り返し聞かされていたのが、まさか自分の声だったとは。そういや録音すると違って聞こえたりするもんな。
※
周囲はボンヤリしていて、もう一人の自分以外には何も見えない。「ここは天国、それとも地獄?」「さあね?」はぐらかされて嫌な気分になったが、相手も自分なので怒るのも気が引ける。それから何の変化もないので、暇つぶしに世間話でもしてみると、非常に馬が合って楽しい。自分同士だから当然か。
そしてそのまま今に至る。こんなことでいいのか悩ましいけれど、生前のストレスは跡形もなく消え失せていた。それに自問自答から繰り出される発想は、自分自身からすれば面白いものばかりだ。ただそれのみと戯れる時間が無限に続く心地よさ。案外これは天国なのかもしれない。(了)