相続税を調べていくうちに、不動産にまつわる税に関しての全体像を知りたくなりました。

脱線しますが自分の理解を深める意味で少し書いてみます。

理解不足によるミスリードが心配されますが、

 

 
まず最初に私の基本的な税に対する考え方を述べます。
上の国税庁のパンフレットの通り、「私の納税が、私たちの生きる未来をつくる」と考えていますし、社会のインフラ、安定の上に我々法人や個人の生活が成り立っていますので応分の負担、納税は最低限の義務だと考えています。(但し、どこからどうとるかには見解の相違が大きい)
偏見に近いかもしれませんが、「税を払う人」であり続けたいと願っています。
決して「税で食べる人」もしっくりしませんし(もちろん公務員の皆さんの大きな尽力によって社会の安定は維持されていることは間違いありません)、「税を食べる人」に至っては憎悪します。
基本的には「人に施されるような立場になりたくない」との緊張感を持って生きたいとの思いです。
もちろん結果的に税金で助けられる場面が避けられないこともあろうかと思いますが…
 
下のグラフは令和5年度の総額118兆円余りの国税・地方税の予算です。
ざっくり個人・法人の所得課税が1/2で51.8%、資産課税が1/6で13.3%、消費税が1/3で34.8%となっています。
この内、相続税(贈与税を含む)は2.8兆円で全体の2.3%となっています。
このグラフの良いところは前記した大きな分類がなされているところで、個人・法人の活動による「所得課税」、不動産の保有対する「資産課税等」、個人の消費活動に対する「消費課税」が分かりやすいという点です。
当社川島不動産の納税は法人税・法人住民税・法人事業税などの「所得課税」と保有する固定資産に対する固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税などの「資産課税等」です。
一方当社の所得はどこからもたらされるかと改めて考えますと個人や法人の「不動産の地代家賃の管理、仲介手数料収入」「自社の不動産の譲渡の収入」「相続などのお手伝いになどによる不動産の譲渡の仲介手数料収入」が現行の大きな柱です。
 
下のグラフで言うと所得課税の内の個人の「不動産所得」「譲渡所得」法人の「所得課税」に帰属される経済活動のお手伝いが当社の事業活動ということになります。
 
 
 
税収の金額ベースで見たのが下のグラフです。
所得税21.48兆円、法人税14.6兆円、相続税2.77兆円となっております。
もちろん、所得税の内、収入ベースで当社が関わるのは前記した「不動産所得」「譲渡所得」です。
また法人税は全ての事業活動によるものからもたらされますので不動産に関連する所得を分けてみることは困難です。
 
 
下は公益財団法人不動産流通センターの統計資料です。
 
 
不動産の取引の全体像を件数ベースで大掴みする作業をします。
下の表は年度ごとの土地の登記件数となり、令和4年度のものです
 
・相続 113万件(9年前平成25年の85万件から32%増)
・売買 130万件(9年前平成25年の128万件から1.5%増)
 
高齢化社会、多死を反映しています。
 
下は流通大手36社の売買仲介取引、令和5年3月期の取扱高です。
 
(仲介件数)
トップの三井不動産リアルティーグループの仲介件数39,105件を筆頭に36社合計は

233,211件です(売買を原因とする登記全体の17.9%)

 

(取扱高)

トップの三井不動産リアルティーグループの1,918,415百万円を筆頭に36社合計は

11,958,492百万円(11兆円弱)

全体の取引総額のデータは見つけられません。恐らく現行制度上取引金額の総体を把握しきれるのは税務当局への申告と国土交通省の取引後の登記申請に基づく当事者を対象としたアンケート調査のみ(公表されているのかもしれませんが見つけられません😢)。多分ですが(笑)

 

 

 
下のグラフの通り、不動産業界の95%が当社を含めた従業員10人未満の零細事業者ですが、売買の仲介に限って82.1%の役割を果たしており、それなりのプレイヤーとして存在感はあるようです。
事業社数の増加もそれなりに頷けます。

 

(注)ここでマンション分譲は土地売買には該当せず、建売業者さん(令和4年は259,549件)は販売をほとんどが不動産業者に委託している現状を考えると実態に上記数字は近いと考えられます。

 
 
不動産の取引の総体を金額ベース掴みたく下の国税庁のデータもとって個人の取引件数と所得金額(譲渡金額と取得金額との差額)しか判明しませんでした。
ちなみに個人の
不動産所得は 6,949,226百万円
譲渡所得は長期短期合わせ 5,364,091百万円
譲渡所得の申告の人数は長短合わせて344,859人ですので売買を原因とした登記件数の26.5%です。
国税庁の所得の4倍程度(登記件数の比率で割り戻した場合)の取引総額と仮定すると21.4兆円ですが、もちろん所得の原価割合を大胆に50%と仮定するとその倍の42.8兆円ということになります。
 
その後の検索で2021年度データ見つかりました。
 
 
なんだかまとまりのない話となってきましたが売買の仲介業務では我々はこの
32.8兆円余り(捕捉できないものが相当多いと考えられますのでやはり40兆を超えると思われる)の取引の媒介に当社を選んでいただく努力を不断に行わなければなりません。
 
しかし、一方で登記原因で売買に肉薄する相続のお手伝いは手薄です。
 
この領域では我々の業界では遺言信託など金融機関が一日の長があります。
税理士の先生などとも交流を厚くして情報の量と質を高めなければ大きなボリュームの相談にお応えすることができません。
 
なんだか自分の勉強のために書いた記事になってしまいました。
投稿後に逐次手直しいたします。