5/26(日)
「FaOI幕張」に行って参りました!
少し時間がたってしまいましたが、ざっくりと感想を書きたいと思います。
去年は過渡期というか何というか、いまひとつピシッとしないファンタジーでしたが、今年は以前と同じような最高のエンターテインメントが戻ってきたという印象でした。
とにかくノリノリで楽しく、最高のショーだったと思います。
今回、私たちは今までで一番いい席でした
Bブロック寄りのCブロックで、ショートサイドに近いため全体が良く見えます。
例年、どこの席種でも最後列や後ろから2列目あたりしか取れなかった私たちにとっては、ブロックの中ほどの席は十分に良い席でした。
席に着くなり友人が
「うわぁ、リンクに近い~!」
と喜んでいます
私のクジ運が最悪のせいかいつも席は決して良くない席だったので、こんなことでもテンションが上がりますよね
さて、ショーの感想ですが、まず特筆したいのはオープニングです。
オープニングの曲というか音源?が変わっていましたよね?
リハ動画を見た時に「あれっ?」と思ったんですが、その時は結弦くんの怪我が気になってすぐ忘れてしまったんですね。
でも、オープニングが始まってすぐに、音が増えていることに気が付きました。
元々、ファンタジーのテーマ曲は少しシンプルな音だったと思うんですが、そこに厚みが増したというか音を重ねられたというか、途中からは「ウッ!ハッ!」という掛け声のようなエフェクトも加わって、より重厚なテーマ曲に変わっていたように思います。
これはこれでカッコいいですね
さらに、アンサンブルの動きが合うようになっていました。
これはロシアの問題やコロナ禍でメンバーが変わったことで、以前のような統率がまだ取れていなかったことがあったわけですが、それがかなり動きが合うようになっていたように思います。
エラソーなことを言って申し訳ありませんが、私は合わない群舞なら無くていいと思っている人間です。
数時間ちょこっと練習しただけの、コラボと称するバラバラな群舞を披露するなら、それよりは滑り込んだSPやFSのプログラムを見せて欲しいと思っている人間です。
FaOIはアンサンブルの人数が多いので、これの動きが合っていないとそれだけで、まだまだまとまっていないんだなという印象を持ってしまうんですね。
なので、アンサンブルの動きに統率が取れてきたというのを感じて、素直に「素晴らしい!」と思ってしまいました。
メインスケーターの紹介部分はいつも通りだったのですが、草太くんがはけていくジュニアの2人とパチンと手を合わせていくシーンも少し胸熱でしたね。
2014年の全日本で、結弦くんの後ろからずっと離れず、エヘエヘと笑っていた男の子が、今じゃ立派なお兄ちゃんになって後輩の面倒を見ているんですよ。
「草太、頑張ったじゃん」と結弦くんに言われて、細い目をさらに細めてニコニコしながら嬉しそうにしていたあの子が、その後どんな苦しい時期を過ごしていたか知っているだけに、結弦くんと同じショーに出て、後輩たちともコミュニケーションをとってる姿に年寄りはもう目頭が熱くなってしまうわけです。
ホント、スケートを続けてきて良かったね。
FaOIが、草太くんの新しい居場所になったらいいなとおばちゃんは思ってしまいましたよ。
しかし、やっぱりアクロバットがないのは淋しいですよね。
まあ、さすがにご高齢ということで仕方ないんですけど
去年はジョニーも卒業してしまいましたし、いつまでも同じメンバーというのは難しいということです。
今年はジェフが振り付けで戻ってきてくれました。
ファンタジーのモダンなオープニングやエンディングはやっぱりジェフの振付けがしっくりきます。
特に群舞などはジェフの振付けが光るというか何というか、私は好きなんですよね。
まあ、覚えるのは大変なんだと思いますが…。
で、去年は不評だったルンバが今年は別人?になって戻ってきました(笑)
去年は、ちょっとオシャレにステージから飛び出た形にしたことで死角が出来たり、スケーターの邪魔にしかなっていないように見えたのですが、今年はバッチリでした!
城田優さんと青木祐奈ちゃんのコラボの「ホール・ニュー・ワールド」の時は、まるで空飛ぶ絨毯のように2人を運んでいて「この手があったか!」とルンバの汎用性に目から鱗でした。
あれは祐奈ちゃんの可愛い演技と城田さんの歌声も合わさって、ミュージカルを見ているようでしたね。
西川さんのエンディングの時も、リンク中央がまるでダンスステージのようになって、とっても盛り上がりましたよね?
形を変えることで死角を減らし、移動するという機能に意味を持たせることでルンバにもひとつの役割を与え、「移動ステージ」が大変効果的に使われているなあと感心してしまいました。
何事も知恵と工夫です。
もちろん、メインステージに近い座席からはアンサンブルの動きが見切れてしまう部分もあったとは思うんですが、それでも使いようによってはルンバにもまだまだ可能性があるような気がしました。
で、今年はBツアーに結弦くんが参加できないからか、結弦くんが前半と後半にそれぞれ1曲ずつプログラムを披露してくれました。
これは金曜日の休憩時間からSNSで一斉に拡散され、その衝撃はあっという間に広まったように思います。
しかし、皆様方のSNSで初めて後半のプログラムの「meteor」を目にした時、それを「メテオール」と読んでしまった私の前世はきっとフランス人だったんだと思います(笑)
「え?ミーティアってナニ?結弦くん2曲滑ってるの?」
と、気付くのにちょっと時間を要しましたよ
しかし、ガンダム繋がりかあ…。
しかも「ガンダムSEED」
結弦くん、確か2018年のCHEMISTRYさんとのコラボでも「ガンダムSEED」の曲でコラボしてましたよね?
どんだけ好きなの?
ガンダムは「ファースト」と「Z」あたりまでは見ていたんですが、「SEED」は映画も本編も見ていないので曲についてはほぼ知りません。
でも、体の動きの切れ具合といい曲の捉え方といい、結弦くんがかなりこの曲を熟知して練り込んで自分の体に落とし込んでいるのが分かりました。
これはもう、リスペクトしていなければできないことです。
しかも、プロになってからさらに冴えわたってきた「身体を一瞬で止める技術」が素晴らしい!
氷の上を移動すると当然遠心力がかかるわけで、なかなかピタッとは止められないと思うんですよ。
それをピタッと止めるのは本当に凄い技術だと思います。
マジで、慣性の法則はどうなっているんだ?と唸ってしまいますよね。
どの動きが何を表現しているかとか、そういう部分はガンダム好きの方々に任せることにしますが、とにかく体感10秒というかなんというか、「え?もう終わり?」と思っちゃうくらい引き込まれるプログラムでした。
もうひとつの「Danny boy」は、これももうすっかり結弦くんの持つ作品の中の「名プログラム」の仲間入りですね。
そして、滑り込むことで体に馴染んできたのか「notte」で見た時よりいくぶん動きが柔らかくなっているように見えました。
白い衣装という点では「あの夏へ」とイメージ的には似ていますが、ハク様は「幻想の世界」で「Danny boy」は「現実世界のやるせなさ」を感じるのですが、そんな風に感じるのは私だけでしょうか。
戦争や紛争というのは、どんな場合も年寄りが若者に戦いを強いる行為です。
戦っている若者たちは互いに面識もなく、元々は怒りも憎しみもないわけです。
ただ大義のために駆り出され、そして戦場で故郷を想う。
故郷では年老いた両親が愛する息子の帰還を待っている…。
何を守る為の戦いか。
ほとんどの兵士には家族より大切なものはないはずなのに、狂った為政者の命令で戦いに赴かなければいけない兵士たちの悲哀と家族の愛情。
そういった風景が浮かんできてしまいます。
もちろん、元々のアイルランド民謡の曲は戦争とは関係のない、家を出て行った(都会に行った?)息子を待つ親の愛をうたった歌だと思うんですが、結弦くんがどのような解釈でこの曲を表現しているのかは分かりません。
ただ、見る人に優しい希望を届けたいんだなと、そこは動かないんだと思います。
今、どのような厳しい状況にある人でも、あなたを愛している人がいる。
そんなことが優しい曲と共に届くこのプログラムは、世界中でもっと見てもらいたいプログラムだと私は思います。
なんか凄いですよね。
暗闇の中に浮かび上がるその衣装を見ただけで心から感謝したくなるような、そんなプログラムが毎年生まれているんですよ。
本当に、結弦くんのファンで良かったと思いますね。
で、ガンダム繋がりと言えば忘れてはいけないのがデカのシャア(笑)
しかも曲は「BEYOND THE TIME」
私、この曲を「TMネットワーク」が歌っていた頃、TMのファンだったんですよ。
「KISS JAPANツアー」のライブにも行ったなあ(遠い目)
なのでとっても懐かしくてしみじみしちゃいました。
デカと結弦くんは色々な意味でちょっとオタクというかなんというか(笑)
観客の多くはガンダムの曲を知らないと思うので、客受けを考えるのなら西川さんのヒット曲の方がいいと思うんですが、この二人がこれほどキャッキャしているのなら致し方ない、という感じですかね(笑)
オタクにゃ勝てないっすよ!
他のスケーターのこともちょっと触れたいと思いますが、まずはハビ!
あの「エアロビッククラス」をまた見られるとは思いませんでした!
あの衣装で出てきた時は友人も大喜びです。
あの曲は2014年ごろのSOIかどこかで見た記憶があるんですが、10年たってまた見られるなんて思っていませんでしたよ(笑)
いやあ、あのプログラム、結構きついんですよね?腰とか痛めないでくださいよ
あと、草太くんも良かった。
なんというか、観客煽りはするし爽やかだし、盛り上げようとするのが板についてきて頼もしいなあと思ってしまいました。
もうすっかりFaOIの一員ですね。
オープニングの様子でもそうですが、自分自身楽しみながら全力で頑張っているのが見て取れて、そこはとても好感もてました。
全力と言えばアダムくん。
彼も、フィギュアの現状を少しでも良くしたいと頑張っている選手ですよね。
今のところ身体能力頼みで正確性にちょっと欠けているので成功と失敗にかなり差がありますが、身体能力だけならネイサンとエイモズくんを足して2で割ったような感じだと思います。
ブノワ・リショーの振付けで人目を引いていますが、シェイリーンのような外連味あふれるプログラムをもらえればもう一段安定するかもしれないですね。
あと、パイポーの「青い影」
これは個人的なことなんですけど、最近になってこの曲の意味を知ってちょっと驚いていたところだったので、なんというか鳥肌立っちゃったんですよね。
歌詞を読んだだけだと理解できないというか、意味の分からない曲で有名なんですが、深く考察していくと大変複雑な人間の姿がそこに浮かび上がるんです。
それを、あの男女二人のダンスするシーンで表しているのかと、人間って深い生き物だよなぁと勝手に思っておりました。
そしてそして、私と友人が一番興奮したのはアセベド&カンパのエアリアル!
っつーか、演技に興奮したんじゃないんですよ。
初めて「後ろで綱を引く漢たちが丸見え」だったことが楽しかったんです。
今まで反対側の席が多く、綱を引いているのは知っていたけどあそこまでしっかり見えてはいなかったんですね。
それが、プログラムが始まる前にドアが開いた瞬間から「後ろで綱引いてるのが丸見え!」と、2人でキャッキャしちゃいました。
ダダダダッと走っていってスルスルッと戻ってくる…。
その動きが楽しくて、エアリアルを半分くらいしか見られませんでした。
ゴメンなさい
そして、しみじみ思うのは「照明の進化」ですね。
私はいつも照明が気になる人間なんですが、FaOIはいつも照明が豪華なんですよ。
結弦くんの単独ショーはプロジェクションマッピングなどを使っているのであれは別物ですが、FaOIは年々進化していってますよね?
今年はミラーボールというバブルの頃から存在するクラシカルな装置(笑)も使っていましたが、それに光を当てるため下にもライトが置いてあって、その光が交差するところが「おおっ!」って感じでした。
壁に文字を映すレーザーも、以前は白一色だったのが今年はカラフルになっていましたし、真壁さんがいつも言う「羽生結弦というスケーターに恥ずかしくない豪華なショーにする」という心意気をこういったところでも感じてしまいますね。
とにかく、今年のFaOIも楽しめました。
なんというか「羽生結弦単独アイスショー」という選択肢が増えたことで、遠征組のファンがそっちを選ぶ可能性が増え、ファンタジーといえど苦戦する部分が見えてきましたが、それでもエキシビタイプのショーの中では断トツでコスパがいいのがFaOIです。
オープニングからエンディングまで、スケーターの皆さんも全員「プロの仕事」をしていました。
で、出かけていたためCS放送を見ないで幕張に行って、余りに楽しかったのでCSの録画を見て思い出の追体験をしようと思ったら、なんと!
みんな違う演目滑ってやんのー!
結弦くん以外のスケーターは、毎日違うプログラムを滑ってるの?
日曜日の分は6月に放送?
そっちも録画しなくちゃだわー
以上