先日、「BIS-F24」などの、チケット代がメッチャ高いイベントについてちょっと書いたのですが、その後もう少し調べたところ、明らかに補助金の対象イベントだということが分かってきました。

 

まあ、私はジャーナリストでも何でもないので詳しく書く気はないのですが、例の「国土交通省」「観光再始動事業」「インバウンド」などで調べていくと、すぐにいくつかの応募要領が出てきました。

 

サイトによって書いていることが微妙に違ったので募集にもいくつかのパターンがあるんだと思いますが、要するに

 

◆「〇〇体験」とか「プレミアム〇〇」などの、通常では体験できない経験を提供。

◆チケットの価格は通常の2~3倍以上であること。(インバウンド向け)

◆補助金は3000万円。地方公共団体が主催の場合は8000万円まで。

 

とまあ、ざっとこんな感じでした。

 

 

つまり、目ん玉飛び出る金額のチケット代があって、そこに通常にはない付加価値がついていたら、最初から補助金狙いで企画しているということです。

 

 

 

まあ、今回は「インバウンド」でざっくり絡めてググってみただけなので、本当にほんの一部しか見ることが出来ていません。

サイトによって微妙に表現が違ったりしていたので、募集要項も複数あるのかもしれません。

 

で、アイスショーの詳細を見てみると、こういった「企画」があって高いチケットの席があるということさえクリアすれば、その席が売れていようが売れていまいが関係ないんじゃないかと思う部分はあります。

一部に高い席を設けたら、他を安くすることにも制限はないようだからです。

 

言いかえると、その高い席に「招待客」が座っていたとしても「売れた」と言ってしまえばわからないので、ぶっちゃけ制度的にはザルなんじゃないかと思わないでもないということです。

 

高い席だけ不自然に「売り切れ」になっていたら、ちょっと怪しいかもしれませんね。

 

 

もちろん、インバウンドだけが補助金の対象じゃないと思います。

実際、調べてみたらこんなにも補助金ってあるのかと驚いてしまったんですよ。

 

いや、太陽光パネルを屋根に取り付けても生ごみ処理機を買っても、地域によっては補助金が出ています。

埼玉は外壁塗装にも補助金が出ていたはずです。

EV車などにもガッツリ補助金が出ますし、国の電力消費を軽減したり焼却施設の負担を減らすという目的があるんだと思いますが、こういった補助金はビックリするほど多いんですね。

 

補助金を紹介したり仲介しているサイトも多く「創業手帳」「補助金ポータル」「観光庁補助金まとめ」「助成金なう」などなど、開けてビックリといった感じで補助金が並んでいました。

 

埼玉だけでも「起業支援補助金」「デジタル技術活用ビジネス開発補助金」「エネルギー価格高騰対策」「CO2排出削減設備導入補助金」「オフィス誘致促進補助金」……こういうのが数百件ありました。

埼玉だけで、ですよ?

 

 

 

ビジネス関係の補助金も大変多いんですが、芸術関係にも幅広く補助金が使われています。

 

私たちがいつも行っている「劇団桟敷童子」さんも、以前は「文化庁」の「トップレベルの舞台芸術創造事業」とか「舞台芸術創造活動活性化事業」などといった補助金を受けていたようです。

 

本当に、日本というのは補助金で成り立っていると言っても過言ではないくらいです。

民間向けの補助金ですらこうなんですから、地方自治体向けの補助金もとんでもない金額なんでしょうね。

 

興味のある方は自分に当てはまる補助金を探して見るのもいいと思いますが、とにかく日本という国は至る所に補助金が出ているんだということが分かると思います。

 

 

ぶっちゃけ、税金が高いのはこんなところにお金を使うためだったんかーい!とジタバタしたくなりますよ。

 

 

 

 

いや、うちは弟が警察官だし、災害が起こったら自衛隊や消防のお世話になるかもしれないしで、税金はキッチリ耳を揃えて(笑)払っていますが、「こんなものにまで!」と思うような補助金があるとちょっとモヤッとしますよね?

 

もちろん、普通に考えたらビル丸ごとLED化とか、補助金でも出ないとなかなか踏み切れない事業もあるし、それによって社会全体の電気使用量が減って環境にも優しくなるというのなら理解できなくもないんですよ。

 

でも、補助金を受け取る人はいいけれど、何の恩恵も受けていない私のような人間は不満を持つわけですよ。

誰かが高いEV車を買おうが何しようが、私には何の恩恵もないわけですからね。

 

 

 

それでいくと、最初から観客の入りが悪いと分かっているアイスショーに出す補助金なんて、(まあ本当に補助金が出ているんだとしたら、ですが)それもまたちょっと納得いかないですよね。

 

毎回、観客が半分も入っていないのに続いているショーもありますが、観客を増やす努力をする前に補助金?って、そう思わないですか?

 

ましてや補助金狙いで新しいアイスショーを企画するなんて、ビジネスプランとして企画するというより「どうすれば補助金を手に入れられて分け前を手にすることが出来るか」という感じで、やり手コンサルに丸め込まれているような気がしますね。

 

自治体を丸め込むのに、結弦くんのアイスショーの実績を示しながら「今、アイスショーは人気のコンテンツですよー」なんて言ってるんじゃないかと思うと、ちょっとモヤモヤする部分もあります。

かつて東京都は「辰巳のアイスアリーナ」の企画書に

羽生選手は早稲田の選手→早稲田は東京の大学→なので羽生選手は東京に出来るリンクに関りがある

ってな感じで堂々名前を出していましたからね。

 

シロート騙すためならどんな嘘でもそれっぽく企画書に盛り込むのがコンサルというものなので、そこは一度ちゃんと中身を精査することくらいはして欲しいと思います。

 

新しいアリーナも、氷を張ってみることで「試合を誘致できる」とか「羽生選手のアイスショーの経済効果は5億円あった」など、色々美味しそうな言葉が飛び交っているのかもしれないなあと想像すると、ちょっとうんざりしちゃいますよね。

 

 

 

 

上に書いた「桟敷童子」さんの補助金は確か1回数十万円だったと記憶していますが、滅茶苦茶クォリティの高い芸術性あふれる舞台なので、そこは全く不満はありません。

 

昔、ボラバスに乗って東北の被災地に行っていた時、赤い羽根募金などから一人数千円のお金が出たこともあります。

1回当たりの参加費が1万円を下回ると学生さんが参加しやすくなるので、本当に有難いお金だったと思います。

 

そういった有難い補助金や助成金もあるので全てを否定する気はありませんが、アイスショーの場合はまず「その価格に見合う観客を満足させるショー」を作るのが先なんじゃないのかな?と思うわけです。

 

最初から補助金を当てにしてショーを作るって、ハナから観客を満足させようという意識に欠けてるんじゃないの?ということです。

 

 

税金として吸い上げられたお金が、目に見えないところで補助金や助成金として広く使われているというのは、国の血液としてお金がめぐっているということでアリなのかもしれませんが、少なくともそれは私たちが「使ってもらってよかった」と思えるところに使って欲しいなぁと思う今日この頃です。

 

 

 

以上