3/9(土)「notte stellata2024」に行って参りました。
いやあ、寒かったですね。
会場の外も中も寒かった!
常設リンクだとそれなりに覚悟して行くんですが、特設リンクでここまで寒さを感じたのは初めてというくらい、とにかく寒かったです(笑)
まあ、そういったことはまた別に書くことにして、「notte stellata2024」の方は大成功でしたね。
今回は結弦くんの部分だけざっと感想を書きたいと思います。
実をいうと最初、出演者に大地真央さんの名前を見た時、「え?なんで大地さん?」と疑問に思ったんですよ。
去年の内村航平くんの参加は分かるんです。アスリートとしてお互いにリスペクトし合っていましたし、何か面白いものになるだろうなというイメージがすぐに湧いてきましたから。
でも、大地さんとは何の接点もないように思えましたし、大地さんがFaOIのように歌をうたうというのでもなさそうだし…。
本当に、ショーの中でどんな演目になるのか全くイメージできませんでした。
エブリイの特集でミュージカル畑の方々の参加を知って、かなり大掛かりな演目になるんだろうなというのは分かりましたが、どんなものになるのかといったイメージはまだ湧きません。
それが、3/8のショーを見た方々から流れてくる「カルミナ・ブラーナ!」という曲名を知って、一気にスパンと映像が浮かび上がりました。
「カルミナ・ブラーナ!『おお、運命の女神よ!』か!」
大地さんは、美しくも冷酷で、優しく恐ろしい「運命の女神」を演じるのか!
納得!
というか最高!
なんというキャスティングでしょう!
あの荘厳な曲調を知っていれば、その役が誰にでもできるものではないことは理解できると思います。
それなりの重厚なオーラを持っていないと、曲に負けて文化祭の出し物レベルになってしまいます。
ある意味、とても恐ろしい曲です。
そのくらい「カルミナ」は力のある曲なんです。
私は、「カルミナ・ブラーナ」という曲は大好きなんですが、その曲を使ったフィギュアのプログラムはあまり好きではありませんでした。
なぜかというと、単純に曲負けしている作品が多かったからです。
「ボレロ」もそうですが、重厚な曲を使ったプログラムは、それだけで「凄いプログラム」のような雰囲気を漂わせます。
実際「凄い」曲なのですから、曲に助けられたいと思っているスケーターにとっては是非とも使いたい曲なのだと思います。
でもこの曲は、当然ですがスケーターの動きにもそれなりの重厚さを求めます。
音に合わせることのできないスケーターが音を無視して漕いでばかりいたら、曲の重さに押し潰されてしまうのです。
曲負けする典型的な形です。
でも、運命の女神が大地真央さんならピッタリじゃない?
ってゆーか、その荘厳さ、威圧感、美しさ、慈悲と包容力を併せ持った無慈悲な女神となったら、もうピッタリ!
ってゆーか、キャスティング考えたの誰?結弦くん?
マジで天才的だよ!
もうそのイメージだけでもこのショーの成功は間違いなしだと確信できました。
まだ見ていなくても、この演目だけでも見に行く価値があると想像できます。
そしてそれはその通りだったのです。
自分の運命を知らない無垢な少年が、運命に翻弄され、苦しみもがき、そして運命を受け入れ成長していく…。
そんなストーリーなのだと思いますが、それが結弦くんの演技からひしひしと伝わってきて鳥肌ものでした。
ただ惜しむらくは、私の席では2人を同時に見ることが出来ないということ
結弦くんの感情の入った演技を見ていると大地さんの姿を追うことが出来ません。
たぶん、ショートサイドだと同時に見られると思うのですが、そこからだと舞台の距離が遠くて臨場感が失われる…。
どうしても会場の形に制限があるのでそこはどうにもならないところですが、そこはTV放送などの映像で補填するしかなさそうです。
それにしても、こんな演出を考える結弦くんのセンスは恐ろしいですよね。
他のアイスショーでも歌舞伎や宝塚の役者さんと一緒にお芝居の形をとっているショーはありましたけど、ああいう全体的に物語になっているショーとは違い、ほんの数分間だけの無言劇のようなプログラムですからね。
身体表現だけで曲の持つ世界観を表すという意味ではバレエやコンテンポラリーダンスの世界に似ているのかもしれません。
とにかく、こういった取り組みはまだまだ始めたばかり。
結弦くんの才能は多彩で多才です。
これを少し前までアスリートとして世界に出ていた人が考えているのですから、恐ろしいですよね。
頭の中はどうなっているんだろう、毎日どんなことを考えているんだろうと、これからのアイデアに期待が膨らむばかりです。
もうひとつの新しいプログラムの「ダニーボーイ(DannyBoy)」
これも泣けるほど良かったです。
ただ、私の中の「ダニーボーイ」と結弦くんの「ダニーボーイ」はちょっと解釈が違う感じでした(笑)
私の中の「ダニーボーイ」は、戦地に行って帰らない息子の帰りを待つ、年老いた親の心象というか、そんな少し哀しくも愛情あふれるイメージなんですけど、結弦くんの「ダニーボーイ」はなんつーか……ちょっと元気でピチピチしていました
スケーティングのスピードがあるからでしょうかね。
私のイメージの中の「ダニーボーイ」よりいくぶん早く、動きも若々しくキレがあったように思いました。
まあ実際に結弦くんは若いし、動きにキレがあるので当然っちゃ当然なんですが(笑)
結弦くんの演技はダニー目線なのかな?
だから若くて力強い印象を受けたのかな?
私はなんとなく年老いた両親目線でイメージしていた曲なので、ちょっと「早いな…」と思ってしまいました。
でも、ラストがこの曲って、なんというか反則ですよね。
どうしようもなく切なくなってしまいますよ。
なんつーか、結弦くんが40歳くらいになったらまたこの曲で滑って欲しいな…
そしてフィナーレの「希望のうた」
紅白で聞いた時、何だかわからないけど鳥肌が立ちましたよね。
そういう、人間の心を鼓舞させる力がこの曲にあるような気がします。
これ、フィナーレというより群舞として仕上げてもいいんじゃないのかな?
そのくらい力強く感動的なプログラムだと思います。
まあ、ひとつ改善点があるとすると、リンクの上に結弦くんの映像が映るあの演出。
あれがあの会場ではうまく見えないってことでしょうか。
今回私達はスタンドの後ろから4列目?くらいの席だったんですが、その位置でもよく見えなかったんですね。
それより下だった友人の席からだとほとんど何が描かれているのか分からなかったそうです。きっとアリーナはもっと見えなかったでしょうね。
これは、それこそさいたまスーパーアリーナの天井席くらいの高さがないと全容が見えない感じかもしれません。
形のきっちりしていない背景映像は問題ないと思うんですが、結弦くんが何をしているか見えないというのはちょっと残念な気がしてしまいました。
今回の「notte stellata2024」は、全体として去年より雰囲気が明るかったですよね?
去年十三回忌を終え、今回は悼む心から前を向く心へと視線が上がったというか、全体的にポジティブで前向きになれる曲が多かったように思います。
去年の体操とのコラボもそうですが、何か新しいものを生み出そうとする結弦くんの創造力も本当に素晴らしいです。
MIKIKO先生という師を得て、まだまだ新しいものを生み出していってくれるんだろうなと、結弦くんの可能性は私なんかが思っていたよりずっと大きかったんだと、驚くことばかりです。
因みに、今回も使用した制御ライト。
あれを考案したのは嵐の松本潤くんなんですよね。
以前テレビで、移動ステージのアイデアも潤くんだというのをやっていて驚いたものですが、才能というのは1人の人間に1種類しか与えられないわけじゃないんですよ。
アイドルとしてステージに立ち演技もするけど、観客を喜ばせるために演出も考える。
「こういうのあったらいいな」と考えて、それをすぐ形にしてしまう人がいるから、エンタメというのは進化していくんです。
だから私は、アイドルを「ジャニタレ」などと言って馬鹿にする人間たちの言うことは聞く耳を持ちたくありません。
人を喜ばせるために考えて工夫し行動する。
そういう人はどんな立場の人であっても凄いと思うし尊敬に値するんです。
人を笑顔にするために頑張っている人たちを小馬鹿にして見下している人間たちは、この世界に何を残しているのかと、そう考えればネットの雑音に気を向けてるのも時間の無駄だと分かると思います。
今、結弦くんも毎日色々なものを吸収して行っているんでしょうね。
ステージの上のエンタメと氷の上のエンタメは全く違うと思いますが、それを形にする喜びと生みの苦しみを、今結弦くんは体験しているんだろうなあと思うと、拳を振り上げて「頑張れーーー!」と言いたくなりますよね。
誰かに与えられたものを唯々諾々と従ってこなしていくのではなく、考えて考えて作り出すものは必ず成功すると私は信じています。
結弦くんの進むその先の未来まで、まだまだ楽しみは続きますね。
以上