CSテレ朝2の「GIFT」を見ました。
やっぱり至高ですね、「GIFT」は。
「RE_PRAY」とは箱の大きさが違い過ぎるので比べることはできませんが、単純にお金の掛け方だけをみると桁が全然違うように思います。
「プロローグ」を見た時は、あのプロジェクションマッピングなどに大感動して、これを超えるショーは他にはないだろうとすら思ったんです。
それが「GIFT」では宇宙のかなたまで超えてしまいました。
新しいショーを開催するたび、常に以前のショーで得た経験をバージョンアップしてくるのが結弦くんの凄いところですよね。
「プロローグ」では、一人でやることの可能性と実現性を模索し、「GIFT」では広い空間のレイアウトとショーの融合を試み、「RE_PRAY」では自分の体と継続することの擦り合わせを行っている…。
なんとなく、それぞれのショーで得られる知見はそれぞれに違うような気がして、それがまた確実に次に繋がってきているように思います。
イレブンプレイの皆さんとの「あの夏へ」は、他のショーで演じたどの「あの夏へ」よりも幻想的で心掴まれるような気がします。
やはりあの空間だからこその、魂ごと持っていかれるような、この世のものではない世界を創り上げることが出来たという感じでしょうか。
この「GIFT」が他のショーと違うのは、たった一日のためにこれだけの予算をつぎ込んだ、他に類を見ないショーだというところです。
たった一日なんですよ。
そのために音楽も演出も映像も、日本の最高峰の人達が揃ったわけです。
もし結弦くんが体調を崩したら、数億というお金が吹っ飛んだんじゃないかと思うんですよね。
でもそれをやろうとして実際にやってしまった、結弦くんの胆力と責任感は凄まじいものがあると感じました。
逃げる道なんてハナから作っていないんですよ。
だから北京五輪のリベンジみたいな怖いこともしてしまうんです。
あそこでもしコケたら、それこそ五輪でのことを持ち出されて叩きの的になってしまったかもしれませんが、それを完璧にやることで五輪のイメージが払拭できたわけです。
あのシーンを乗り越えるのは結弦くんにとっても大切だったんでしょうけど、見てるこちらは心臓バクバクでしたよ(笑)
で、現地で見て私が気に入ったのは「レットミ」から「阿修羅ちゃん」までのあの極彩色の世界。
カジノだとか夜の世界とかに行ったことのない私には、あんな世界は今まで見たことがなかったんです。
とにかく派手で賑やかでエネルギッシュ。
あれもまた、ドームで見た異空間のひとつでしたね。
まあ、感想は1年前にガッツリ書いているので長々とは書きませんが、「RE_PRAY」を見た後にちょっと感じていたことがあって…。
それは、ナレーションは「GIFT」の時の方が上手く感じるってことなんですよ。
「GIFT」の方が発声に抑揚があるというかなんというか。
「RE_PRAY」はあくまでゲームの中の話だからあえて抑揚を押さえたんでしょうかね。
なんというか、そんなことを思ってしまいました。
あと去年、ドームで見た後、映画館でディレイビューイングにも行ったんですが、かなり前の席だったので没入感が凄かったんですよ。
で、その時に感じたのは結弦くんの演技の、自然との親和性の高さです。
「ホプレガ」の背景との調和は本当に美しかったですからね。
いつか、自然を表現するようなプログラムも見てみたいなあと、あの「ホプレガ」を見た後にそんな風に思ってしまいました。
それにしても、あの空間に一人でいて、そこを広く感じさせない結弦くんの演技は本当に凄かったですね。
オケやバンドがあってダンサーさん達が踊って、光と音の洪水と炎の演出と、そんな中で一人で演じてなお「美しい!」と感じてしまう凄さ。
これはやっぱり結弦くんの演技が、圧倒的な基礎に裏打ちされた美しさだからなんですよね。どんなポーズをとっていてもそのポジションの一つ一つが芸術のように美しいんです。
ポジションの美しさに注力しない選手は、アスリートにはなれてもアーティストにはなれないと私は思うんですよ。
そこはどのフィギュアスケーターにも言えることですが、写真などの止まった瞬間のポーズが美しいかどうかは重要だということです。
美しいからまた見たいと思えるわけで、そこは何といってもフィギュアスケーターにとっては大きなことだと思います。
そしてその美しさを生み出すのは、結弦くんが持って生まれた柔軟性でしょう。
もちろんただ柔らかいだけではポジションを維持するのが大変でジャンプにはマイナスになってしまうわけですが、結弦くんはそこを体幹を鍛えることで剛と柔を両立させているんですよね。
身体が硬い選手は、プロになって練習しなくなるとすぐに柔軟性が失われてジャンプとスピンがグダグダになります。
柔軟性を維持することは氷に乗るのと同じくらい大変なんだと思います。
その点、結弦くんは生まれた時から体が柔らかく、バレエのポジションのような美しい姿勢を自然にとることが出来ています。
だからアイスショーでも映えるし、写真に撮った時もどんなシーンでも美しいんですよ。
さらにタットダンスやアニメダンスも振付に取り入れて表現の幅を広げています。
スケーターの中には、音楽を消したら何のプログラムだかわからなくなるくらい、いつも同じ動きと言われている人達も多々います。
そんな中で、結弦くんの演技の幅広さはやはり異質なものがあるように思いますよね。
少なくとも、「あの夏へ」と「阿修羅ちゃん」を見て「どのプログラムも同じ動き」と言う人はいないでしょう。
「ホプレガ」と「レットミ」を見て、区別がつかないなんて言う人はいないはずです。
それもこれも、柔軟でどんな動きも自然に出来ているところが大きいんですよね。
身体が硬い選手はシットスピンで座れなかったり、ポジションのバリエーションが少なかったりしますからね。
柔軟でどんな動きも出来て、体幹がしっかりしてるからポジションのキープも美しい。
そんな結弦くんだからこそ、アイスショーで様々な演技を一人で演じ分けることが出来るんだと思います。
スパイラルの美しさやスピンの多様性なんて女子選手並みですし、それでいて4回転も安定して跳べるわけですから、そりゃあ他の追随を許さないわけだよなぁなんて、今回の演技を見ながらちょっとしみじみしちゃいました。
さて、次は「notte stellata2024」ですね。
新幹線のチケットもシャトルバスのチケットも用意しました。
また、楽しくも癒しに溢れたショーになるんでしょうね。
大地真央さんとどんなコラボが待っているんでしょう。
そちらもワクワクですね。
以上