2/9の23時に東京駅をワゴン車で出発し、石川県七尾市に行って参りました。
いやあ、色々と問題山積でしたね。
行政が動かないのも問題ですが、あの状況でボランティアを大勢呼ぶことに二の足を踏むのも分かるような気もするし…とにかく、もう少し時間が必要だなぁと感じました。
別にボランティアをもてなせと言うつもりはないですし、現地の状況が分かっていたらそれに対応する装備は準備して行くのがボランティアです。
ただ、水道が出ないという状況は何をやるにも足かせになります。
まず、トイレがない。
どのお家もトイレが使えないんです。
これはストレスですよね。
自宅に戻って片付けをしていても、トイレは避難所の仮設トイレまで行くしかないんですよ。
まあ、仮設トイレがあるだけでも東日本の時よりはいいと思う部分もありますが、自分がこんな生活になるなんて誰も思っていなかったでしょうからやっぱりキツイと思います。
私たちがお世話になった宿泊施設では、汲んできた水をバケツで流すことでトイレは使えましたがお風呂は使えません。
和倉温泉は有名な温泉町なのに温泉はおろかトイレの水すら出ないんです。
泥だらけになっても体を洗うことも出来ません。
まあ、私達は慣れっこなので手洗いの代わりにウエットシートなどで何とかしていましたが、あそこに不慣れなボランティアを大量に送り込むのは行政としても躊躇する部分はあるかもなあと、ちょっと考えてしまいました。
ボラセンがあるのかどうか分からないと思っていましたが、有りましたよボラセン。
でもほとんど機能していないようでした。
ただ、なんというかとにかく外部から人が入るのをかなり警戒している様子はうかがえました。
まず、石川県に入ると何ヶ所かで検問がありました。
私達はオジチャンオバチャンの団体だったのですんなり通ることが出来ましたが、2~3人の若者が乗った車などはきっと止められてチェックされたんでしょうね。
つまり、最近はそれだけ窃盗が増えているということなんでしょう。
東日本大震災の時も確かに窃盗などの話は聞きましたが、それでもここまで頻出することはなかったと思います。
それがここまで増えているというのは、それはやはり見知らぬ若者同士がSNSで集合していきなりバールを持って宝石店を襲うような、そんな時代になってしまったことが影響しているのかもしれません。
現地の方も詐欺の話をずいぶん聞いているようで、私達のグループを信用してもらえたのは、既に入って活動していたカーシェアリングの団体と懇意だったからだそうです。
まあ、いつもそうなんですが、ボランティアの土壌のない地域で信用してもらうのは本当に大変なんですよね。
しかも、詐欺だの窃盗団だのが以前より増えて、より信用を得るのが難しくなっています。
でも、一度作業をしているところを見てもらえれば
「え?ボランティアの人たち来てるの?もしかして、うちもやってもらえるのかしら?」
という感じでどんどん声をかけてもらえるようになったので、結局は信頼なんですよね。
ボランティアの仕事というのは経験のない方がやるよりかなりスピードは速いです。
壊して廃棄することに遠慮がないので、そこはやったことのない方々より手早く進められます。
なので、最初は1軒の依頼で2日かかる予定だったのが1日足らずで終わってしまい、そこからは「いいですよ、頼みたいことがあるならやりますよ」という感じでいくつかのお家の依頼をこなしました。
持参した土のう袋にガンガン壊れた家財を詰め集積場に持って行くのですが、一番ネックだったのは3連休ということで集積場が最長3時間待ちくらいかかっていたこと。
いくら手早く片付けてもそれを運ぶのに時間が取られていては効率が悪かったです。
なんでそんなに時間がかかるかというと、集積場はゴミの種類によって捨てる場所が違うため、分別しないで持ち込んだものをその場で分別したりする時間がかかっていたみたいなんですね。
まあ、東日本の時はとにかく道を確保するため分別をしないで山のように積み上げていたことで後から分別が大変だったわけですが、そこはもうどっちがいいとかは言えませんね。
とにかく、全く戦力にならない私でもかなり疲れました。
他の人達は鬼のような体力ですよ、ほんと
作業の内容やその他の事はまた後日書きたいと思いますが、本格的にボラを大量投入するのは水道が通ってからだと思った方が良さそうですね。
困ってる人は大勢いるわけですし、その気になれば寝袋と携帯トイレ持参で行くようなボラの猛者もたくさんいるわけですが、まず道路と水道の復旧にリソースを割くというのも分からないでもないです。
なので、行ける人達は行っても問題ないし、行きたいと思っているんだけどどうしようと思っている人ならもうしばらく待つ方がいいよと、そんな感じです。
因みに、七尾市はトイレはあちこちに置いてある仮設トイレを利用する以外はコンビニもスーパーもやっていましたが、別チームが入っていた珠洲市は状況はもっと悪かったようです。
あちらにはボラの中でも精鋭チームが行くべきでしょう。
少なくとも、液状化で埋まった車を掘り出すなんて作業に私が役立つとは思えません。
帰り道、休憩に立ち寄ったトイレで自衛隊を見かけました。
仮設トイレの前で、自衛官の女の子と「どうぞお先に」「いえいえ、そちらこそお疲れでしょう」とトイレを譲り合ってしまいましたが、私より小さな可愛い自衛官でしたよ。
あんな若くてかわいい子が頑張っているんだなあと思うと、おばちゃんも頑張らなくっちゃね。
今回のボラでなぜか膝を痛くして結構大変でしたけど、もう少し頑張りますね
とりあえず、以上