世界的に、電気自動車(EV)の販売台数が急激に落ち込んでいるそうです。

 

私は目が悪くなったせいで普通免許が更新出来なくなり、車を購入することは絶対にない身ですが、それでももし車を買うとなった場合、絶対にEVは買わないと思います。

 

それだけ今のEVにはデメリットしか感じていないのです。 

 

 

 

EVのメリットは

①走行中にCO2を排出しない。

②家で充電することが可能。

③災害時にバッテリーとして使うことができる。

といった点が挙げられますが、デメリットはその何倍もあります。

 

 

ヨーロッパが環境のことを重視してEVを積極的に推進していますが、これは大変ビミョーな判断です。

 

まず①ですが、これはあくまで「走行中」だけのことで、その車に充電している電気がクリーンだとは限りません。

火力で発電していた場合、自分の車で発電するか発電所で発電するかの違いだけとなってしまいます。

 

また、EVに使用しているバッテリーは危険物なので、処分する際に大変な手間とコストがかかります。

小さなモバイルバッテリーですら普通に捨てられないのに、車のバッテリーを処分するにあたりどれだけの手間がかかるかは誰も明確にしていません。

 

というか、その手間を考えずに販売したことで、今になって中国は車の処分が出来ずそのまま野積みにしている状況なのです。

 

長い期間放置することによりバッテリーの中身が漏れ出しでもしたら環境汚染に直結しますし、大きなバッテリーを効率よく処理する方法もその費用も考えずに大量に作ってしまったことで、いまはそれが負の遺産となって処分すらできなくなっているのです。

 

CO2がどうのこうの言ってる場合じゃありません。

 

ぶっちゃけEV車のバッテリーを処分するには大金がかかります。

場合によっては、EV車を処分する際に30〜50万円くらいの処分費を請求される可能性すらあるようです。

 

EV車の本体にはほとんど価値がありません。

あの価格の半分はバッテリーの価格なので、中古のEV車は中古で売ろうとしても二束三文にしかならないのです。

 

 

 

 

EVバッテリーのリサイクルについてはまともに考えられていないのが現状なので、作れば作るほど、負の遺産が積み上がっています。

 

そして、大変便利だと思われていた②ですが、これも数年前とは状況が一変しています。

 

どうやらヨーロッパの電力価格が爆上がりしたことで、ひと月の電気使用料がとんでもない金額になっているようなのです。

流石に通勤用の車で毎月5万以上電気代が上がるなんて、ちょっと頭を抱えてしまいますよね。

日本はそこまで電気料金が上がっていないのでまだまだガソリン代より電気代の方が安いと思いますが、国によっては決して安くない電気料になっているようです。

 

海外の電気代は国それぞれですが、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの問題などでエネルギーを取り巻く状況は悪化の一途を辿っています。

自然エネルギーに舵を切った国も全体のコスト高は避けられず、電気自動車の優位性もあまり無くなってきているわけです。

 

 

 

また、充電に時間がかかるのもネックです。

充電に30分かけても走行出来るのは100キロにもならないとあっては、長距離移動には全く不向きと言っていいと思います。

 

サービスエリアの片隅に充電設備があることはありますが、設置は大体1台のみです。

もしバッテリーが足りなくなってSAで充電しようとした時に、先に充電している車がいたらもう絶望ですよね。

 

EV車の機能として充電スポットを教えてくれる機能もありますが、ガソリンを入れるよりはるかに時間がかかることを覚悟し、万が一先客がいた場合はそこで1時間はかかることを想定しておく必要があります。

スピードが上がるとバッテリーの減りも早いようなので、高速だと80kmおきくらいで1回充電する必要がありそうです。

 

つまり、通勤や買い物用などのセカンドカーとしてはいいけれど、長距離を移動するには不向きだということですね。

 

 

 

私は、スマホのバッテリーが数年でもたなくなるのを知っているので、EVのバッテリーが10年以上変化せずに使えるとは思っていません。

 

多分、年々充電量が減り、5年ほどで目に見えて下がることになるんでしょう。

 

家で充電できるとはいっても、通勤で使うなら夜に数時間かけて充電するのを毎日の日課にしなくちゃいけないということですし、マンション暮らしでは絶対に無理な状況です。

 

 

 

唯一の利点として考えられるのが③の「災害時に車をバッテリーとして使うことが出来る」ということですが、これもせいぜい2~3日程度の停電の場合です。

そして、車を蓄電池として使って電力を消費してしまったら、その車はもう動かすことも出来ないということです。

他にガソリン車があって、セカンドカーとして持っているのなら大変心強いですが、電気自動車しかないのでは災害時にそれに乗って避難するのも大変危険なのではないでしょうか。

 

 

 

こうやって見ていくだけで、電気自動車にはほぼメリットはないと思うのですが、ヨーロッパなどでなぜこんなに取り上げられているのか私には理解できません。

 

バッテリーはエンジンより劣化が早く、リチウムイオン電池は徐々に充電効率が下がっていくことは誰もが知っていることです。

暑さ寒さの影響も大きく、寒冷地ではスマホが急にバッテリーを消耗してしまう現象を皆さんも体験していると思います。

つまり、年数がたてばたつほど、家まで十分に辿り着ける量のバッテリー量を表示していたにもかかわらず急に動かなくなるということも想定されてくるというわけです。

 

雪で立ち往生した場合、ガソリン車であれば完全にガス欠になっても自衛隊に数リットルのガソリンを分けてもらって脱出することが出来ますが、電気自動車が電欠を起こした場合はレッカーが来るまで動くことすらできません。

 

つまり、雪が降るような地域でのEV車はかなりリスクがあるということです。

 

 

 

バッテリーの処分にかかる環境リスクはCO2の比じゃないし、そもそもあれだけ大きなバッテリーを大量に処分する技術もまだ確立されていません。

現在あるのは「劣化したバッテリーを太陽光発電の蓄電池として使う」とか「中身の液体を入れ替えて再利用する」くらいしか方法がないんです。

当然、100%新品と同じというわけにはいきませんが、捨てるにはコストがかかり過ぎるのです。

 

処分する方法がないのに作り続けることは、原発の環境リスクに目をつぶっていたのと同じ行為だと私は思うのですが、そこは社会的にはどう納得しているのか私は疑問に思ってしまいます。

 

 

 

以前少し書いたことがありますが、風力発電のプロペラに使っているFRP(繊維強化樹脂)も、実は処分方法がなく細かく割って埋め立て処分されています。

船の本体にも使われていますが、軽くて丈夫なので廃棄のことより利便性を重視しているわけです。

 

つまり風力発電の場合も「CO2を出さず環境を守っているんだ」という信念に凝り固まるあまり、廃棄されるごみの処理方法まで考えていないのです。

 

 

少し前に北海道で塩分を含む蒸気が噴出して地域に被害を与えていましたが、あれは地熱発電用の試削だったそうです。

試削であれだけの被害を出しては、今後地熱発電の開発のハードルが跳ね上がったのは言うまでもありません。

 

それでも今後の電力事情のためにはやらなきゃいけないことなんですが、ああいった目に見える被害を見てしまうと突然「環境がー!」と反対運動が始まってしまうのも良くあることなんですよ。

 

どこまでの犠牲に目をつぶればどれだけのメリットがあるのか。

そういった議論を置き去りにしての急激なCO2廃止論には危ういものを私は感じてしまうのです。

 

 

 

 

太陽光発電もだんだんと勢いがなくなってきました。

東日本大震災以後、電力会社が電気の買取価格を下げているのが原因ですが、もうひとつ、近年の金属高騰をうけ夜中にケーブルを盗まれる事件が多発しているのも問題のようです。

 

何といっても外に無造作に置かれていますからね。盗みたい放題ですよ。

柵で囲ったくらいでは盗人どもを止めることはできません。

 

また、設置する場所を確保するため木を伐採し、新たな環境問題を引き起こしてもいます。

バッテリーの処分もそうですが、CO2を減らすために木を伐採することの矛盾を感じないのだとしたら、その人達はもうおかしくなっているのだと思います。

 

CO2を減らすには、太陽光パネルを敷きつめるより木を植えるのが先だと思うんですが、木を植えてもお金にはなりません。

だから木を切り山を崩して太陽光パネルを敷こうというという考えに疑問を持たないわけです。

 

人間が動くのは必ず、それが「金を生むかどうか」なので、EVを推進している人達の狙いも環境保護というだけではなく、絶対に別の思惑があると私は思っています。

 

 

その思惑とは、日本やアメリカの自動車メーカーに勝つことが出来ない国々の、一発逆転です。

 

 

EV自動車はエンジンを積んでいません。

バッテリーとモーターで動いているので、ぶっちゃけるとミニカーなどと理論は同じです。

 

つまり今までエンジンという簡単には作れなかった心臓部があったため、自動車産業はわずかな企業の独占状態だったわけですが、モーターで動くとなったら家電メーカーでもすぐに車を作ることができます。

だから中国にはこの数年で300社もEVメーカーが誕生しているわけです。

 

この「自動車エンジンは簡単に造れない」というのが国の力を左右してきたわけですが、かつては自動車先進国だったヨーロッパは完全にその分野で停滞しています。

中国はまともなエンジンを作ることすらできていません。

 

日本とアメリカの力を削ぐためには自動車産業の主導権を奪うのが一番です。

特に日本は、自動車産業でもっているようなものなので、ここが沈んだらアウトです。

そのために、まだ発展途上だった電気自動車に飛びついたんでしょうが、いかんせんまだまだEVには問題があったのです。

 

 

私は、EV自動車に舵を切るくらいなら、各国は軽自動車を認めるべきだったと思っています。

軽自動車は本体が普通自動車より薄く軽量であるため、安全性能が確保できないという理由で日本以外では走っていません。

ただ、軽をみとめてしまうと世界の自動車産業は日本にほぼ独占されてしまうので、さすがにそこまでは認められなかったのかと思いますが、少なくとも経済性が未知数のEVよりは確実に環境に優しかったはずです。

 

軽量であるということは燃費はいいわけですし、本体が薄いということは製造時にも処分時にも、使うエネルギーが少ないということです。

 

そのうえでハイブリッドの軽を開発していけばCO2はそれまでの半分くらいに減らしていくことが可能だったんじゃないのかな?と思うわけです。

いきなりゼロにしようと不完全なものに飛びつくより、しばらくは燃料消費の少ない自動車を進めて、完全に環境が整ってからEVに移行すべきだったんじゃないでしょうか。

 

日本メーカーは今のところ大々的にEV自動車を推進していません。

多分、今EV自動車を大量生産するより、ペロブスカイト太陽光発電と全個体電池の開発を優先させているんだと思います。

 

ペロブスカイト太陽光発電というのは、今の太陽光パネルより2割ほど発電効率がアップした新しい太陽光発電方式です。

 

2割程度なんて大差ないじゃんと思うかもしれませんが、ペロブスカイトの特徴はそこではありません。

フィルムのように薄くて曲げられるということと、軽くて安いというメリットがあるのです。

 

今までの太陽光パネルのように平らな板状ではなく、どんな曲面にも貼り付けることが出来ます。

つまり、このシートを車のボディに張り付ければ、駐車中でも外を走りながらでも充電ができるということです。

現状ではまだ劣化しやすいというというデメリットがあるようですが、そこがクリアされていけばほぼ充電のいらない自動車ができあがるかもしれません。

 

また同時に全個体電池の開発も進められています。

全個体電池とは、リチウムイオンバッテリーとは違い液体を使わないバッテリーで、今までのバッテリーの劣化しやすいという弱点をかなり克服したバッテリーになっているようです。

また低温でもパワーが落ちず、急速充電でもバッテリーが劣化しないそうです。

このバッテリーとペロブスカイトを搭載できれば、雪道でも電欠する可能性はほぼなくなるため、今世界中でその開発が進められているわけです。

 

処分に困るようなものを大量に作って環境に負荷をかけるくらいなら、あと数年待って欠点の少ないEV自動車の登場を待つのが最も賢いやり方だと、私は思うのですがどうでしょうか。

 

でも、新しいEV車がなかなか登場しなかった場合はどうすればいいでしょうか。

 

私は、プラグインハイブリット車がベストだと思っています。

まあ、プラグインハイブリットはお値段がかなりしますので、ちょっと手が出ないなぁという場合は軽自動車で十分です。

 

あとは、荷物や家族の多さによって選べばいいわけですが、少なくとも今EVをファミリーカーにするのは賢いやり方ではありません。

 

 

 

とにかく、世の中には極端から極端に考えを進める人達がいて、リスクを考えないその思考回路にいつも驚いてしまいます。

 

少し考えればわかるリスクにさえ目をつぶって拙速に物事を進める人達には、私のような「先にリスクを洗い出してからできるだけ被害が少ない方法をとる」タイプの人間はどんくさくてイライラするのかもしれませんが、無駄を出さないのも環境には大切なことです。

 

私は、美術品に絵の具をぶちまけたりするような環境活動家のやることが理解できません。

それを洗浄して原状回復することによる無駄を考えたら、その費用で少しでも多くの植林をすべきです。

 

森が出来れば落ち葉は水を含み、地下に水が染み込んで大地が潤います。

 

そんな簡単なことに目を向けもせず自分達の目先の利益を追求する人達がいる限り、エネルギー政策は好転しないし環境も良くなりません。

 

フロンを全廃しても結局環境問題には何の効果もなかったし、私が思うに、きっとCO2を削減しても温暖化は止まらないんでしょう。

そもそも温暖化の原因が本当にCO2なのかどうかすら、誰にも真相は分からないんです。

 

そして、人間がCO2を減らそうと躍起になればなるほど、それをあざ笑うかのように山火事や火山の噴火が世界中で起きるんです。

 

ただ、だからと言って愚かな人間でいたいとは思いません。

 

EVは本当に世界を良い方に導くと思うか?と聞かれたら、そこははっきりと「今はまだ違う」と言いたいのです。

 

車も趣味だと思える人なら電気自動車もフェラーリも好みの問題です。

でも、家族を乗せる車として考えているのなら、うまい言葉に流されることなく熟考をすべきと私は思います。

 

 

今週末、日本海側では大雪が予想されています。

電気自動車をお持ちの方は、決してそれで遠出をしないでください。

 

何よりも、命を守る行動を選択そするようお祈りしています。

 

 

 

 

以上