先日、映画「ゴジラ-1.0」を観てきました。
チョー面白かったです。
まさかゴジラでこんなに泣くとは思いませんでした。
数日前に「ゴジラ-1.0」がアメリカで興収1位を獲得したという話題を目にし、そんなに面白いなら観に行こうかなと映画館のスケジュールを確認したところ、さいたま新都心の映画館はもう1日の上映回数が2回まで減らされていたんですよ。
これは早くいかなきゃ終わってしまうと慌てて観に行ったのですが、思った以上にいい映画でした。
アメリカ人の興奮はちょっと大げさですが、今回のゴジラはゴジラ映画でありながらゴジラ映画ではなかったように思います。
普通のゴジラ映画って、なんて言うんでしょうか、あの絶対に倒せない恐怖と絶望、それに立ち向かう有象無象の人間たちがメインの映画じゃないですか。
とにかく、全ての物を壊し尽くす神のような存在がゴジラで、そこに人間のドラマなんて入る余地はないんですよ。
ただただ強いゴジラに畏怖する。
それがゴジラ映画の正しい在り様だったように思います。
なのに、今回のゴジラは主人公の人生に焦点が当てられていました。
戦争で全てを失った主人公が、やっとつかんだささやかな暮らしをゴジラは無慈悲に破壊していく。
そこに観客は「もうやめてくれ~!彼からもう何も奪わないでくれ~!」と涙するわけです。
日本であまり話題になっていないのは、どうも日本のゴジラファンにとってゴジラが暴れて何もかもを壊していくところにカタルシスを感じるものらしく、人間のドラマは不要と考えている人が多いみたいなんですね。
でも海外の人達には、ゴジラと闘う理由や命を懸ける意味が明確に描かれていた今作のほうが感情移入しやすかったんじゃないかと思います。
踏みつけられる人間たちにも家族がいる。
戦う理由がある。
そんな単純なことにスポットを当てたおかげで、この作品はただの「怪獣映画」ではなく「ホラー映画」であり「パニック映画」でもある、奥深いストーリーにになったんじゃないかと思います。
同じゴジラ映画ということもあって「シンゴジラ」と比べられることも多いようですが、比べるようなものではないように思います。
「シンゴジラ」は難解な単語をズラズラと並べたオタク向けの映画で、「ゴジラ-1.0」は大人から子供まで普通の人々に見てもらえるヒューマンドラマです。
どちらが好きかというような対象ではありません。
「シンゴジラ」はゴジラに立ち向かう重機の健気さに涙し、「ゴジラ-1.0」は人間の情念と執念に涙する映画です。
もちろん、シンゴジではゴジラの体にまとわりつく電車たちに興奮し、今回はゴジラに押し潰されながらも主砲をぶっ放す駆逐艦に興奮します。
私は大きな機械がとっても好きな人間なのです。
「ゴジラ-1.0」は日本市場であまりプロモーションに力を入れていないのか、今のところ40億程度の興行収入のようですが、アメリカの興行収入は3日でそのくらいに達しているようなので、これから先は海外の興収の方が上になるように思います。
色々好き嫌いはあるかもしれませんが、私は大変面白かったです。
もしかしたらお正月まで持たないかもしれないので、興味のある方には早めに映画館に行くことをオススメします。
とにかく、怖くて悲しくて、でも希望にあふれたゴジラ映画です。
最後の希望が実は希望じゃないかも…といった伏線は残っていますが…。
なんか「ゲゲゲの鬼太郎」も凄く好評ですよね。
そのうちそっちも見に行かなくっちゃ
以上