ドイツの哲学者ヘーゲルの有名な言葉に
「人間が歴史を学んで理解することは、人間は歴史から何も学ばないということだけだ」
というものがあります。
普通は「過去から学ぶ」とか「悪い歴史は繰り返さない」とかの前向きな言葉を並べたいところですが、長く生きているとヘーゲルのこの言葉はまさに正鵠を射ているなと感じることが多々あります。
人間、長く権力の座についている独裁者の晩年は、大体3つくらいのパターンに分かれるようになります。
①巨大な建築物を作り、それが負の遺産になる。
②巨額の不正蓄財をする。
③戦争をする。
まあ、こんな感じです。
結局、イエスマンに囲まれ自分の言ったことに誰も反対しない環境に長くいると、人間というのは必ず権力欲に支配され、自分の偉業を後世に残したくなるものなんです。
だから金がかかる巨大建築物を造ったり、愛人を作って豪邸に住まわせたりして税金を使ったりします。
その中でも最もたちの悪い権力の誇示が「支配地域を広げる」ことです。
最初は善政を敷き国民の生活を豊かにしていくことに尽力している指導者も、国が豊かになって自分の権力が盤石になると、今度はそれを失うことを恐れて敵対者を排除し、武力を行使して国民を圧迫して他国に戦争をしかけるようになっていきます。
それを防ぐ方法はただ一つ。
一定の期間以上、一人の人間が政治のトップにいられないという法律をあらかじめ作っておくことです。
法律を変えて長期に居座ろうとしないよう、与党のルールではなく国のルールとして決定しておくことです。
最初はヒーローでも、一生ヒーローでいることは不可能なんです。
人間は歳をとり、老化が進むと他者のことは考えられなくなり視野が狭くなります。
なので、そうなる前に指導者の職から退くべきなんですが、その頃には大抵の指導者は権力に憑りつかれ独裁者と化しているわけです。
なので私は、この戦争が終わったらゼレンスキー氏も大統領の職を辞し、復興の現場に行く方がいいと思っています。
ヒーローとして祀り上げられた人間が、そのまま高潔な人間で晩年まで生きていられるのは本当に難しいことなんですから。
プーチンはその一線をもう超えてしまいました。
自分に否定的なことを言う人間は外国まで追いかけて暗殺してきたので、もう後に引くことはないでしょう。
しかし、現在は戦局が悪化し、ワグネルと国軍が対立を始める状況になってしまっています。
どのような結果になるのだとしてもプーチンの未来に「和平」はないんだと思います。
ここにきて中国が「ロシアとウクライナは和平交渉を」と呼びかけていますが、これを真に受ける政治家はいないと思います。
日本は最近になって、大量に武器を購入することを決めましたが、それはつまり
「今アメリカはウクライナ支援で手いっぱい。ここで中国が台湾に侵攻したら、日本は自力で戦わなくちゃいけない」
ということなんだと思います。
習近平は再選を果たし、異例の長期政権を作り上げました。
彼は台湾統一を悲願だと言っています。
権力を盤石にした年寄りが何をするか、年寄りはどれだけ歴史から学ばず同じことをするか、国際社会はプーチンでイヤというほど理解したのです。
しかも、西欧諸国はウクライナに武器を供与していて、これ以上武器がありません。自国を守れるギリギリの状態なのですから、他で紛争が起きても手を出せません。
それに、自国で生産していたとしても武器はただじゃありません。
失ったものを購入するには莫大な資金が必要ですが、急に税金が増えるわけではないので無限に補給はできないのです。
軍事会社は急ピッチで武器を製造していますが、元々長く続いてきた平和で武器の製造会社は減り、年間の生産量をそれほど増やすことはできていません。
作る端からウクライナで消費している状況なので、各国とも自国の装備品を削って支援している状態です。
中国にとっては欧米諸国が疲弊している今なのです。
ロシアの戦争に首を突っ込んでいる場合じゃないのです。
ただ、その「今」動くことが出来ないのは、コロナにより景気が悪化していて外国に紛争を仕掛けても国民の賛同を得られそうにないからだと言われています。
そこで「コロナ禍が落ち着いて経済が上向きになってきたら、2025年頃に台湾に侵攻する」という説がまことしやかに流れてくるようになったということですが、どこまで信憑性がある話なのかは私には分かりません。
それでも、日本が急ピッチで装備を増やそうとしているのは事実です。
アメリカが何かを掴んで、そのために準備をしようとしているなら、ある程度は納得する部分はあるように思います。
この一年間、ウクライナ人たちの不屈の闘争心を見ていると、日本人はああは戦えないだろうなと情けなくなることもあります。
ウクライナの兵士たちの多くは1年前までは普通の市民だった人たちです。
パン屋のおじさんだったり、大学生だったり、サラリーマンだったり…そんな人たちが1年で否応なく優秀な兵士になっていっています。
「今、ガチで戦ったらウクライナの兵士が最強」だとどこかで誰かが書いていましたが、それは本当にそうなんでしょう。
中国は話し合えと言っていますが、話し合って双方の言い分を聞いて、お互い望みの半分で手を打ちましょうなんて言えますか?
ウクライナが希望していることはただ一つ
「この国から出ていけ!」
なのですから、プーチンが兵を引き上げるしかないんです。
そして、弱腰なところを少しでも見せたら、プーチンだってプリゴージンに頭を打たれるかもしれないんです。
ワグネルの創設者プリゴージンはプーチンよりはるかに残忍で狂っています。
あれに核のボタンを引き渡すことは西側諸国もできないはずです。
落としどころはない。
それがこの戦いの難しいところなんです。
あ、今日買った明治屋のハチミツ。
原産国がウクライナとベトナムでした。
今まで買っていたイトーヨーカドーのハチミツは中国産だったのですが、これからはこれにしようと思いました。
こんなことくらいしかできませんが、心の中には常に、故郷の北海道と東北の被災地と、そしてウクライナをとどめておきたいと思います。
ウクライナの人々は、ロシアを追い払うまで酒を飲まないと決めていると不肖宮嶋がレポートで書いていましたが、一日も早く武器を置いてお酒を飲める日が来ることを、大地に小麦を撒いて豊かな国を取り戻すことを、極東の島国から祈っています。
以上
「人間が歴史を学んで理解することは、人間は歴史から何も学ばないということだけだ」
というものがあります。
普通は「過去から学ぶ」とか「悪い歴史は繰り返さない」とかの前向きな言葉を並べたいところですが、長く生きているとヘーゲルのこの言葉はまさに正鵠を射ているなと感じることが多々あります。
人間、長く権力の座についている独裁者の晩年は、大体3つくらいのパターンに分かれるようになります。
①巨大な建築物を作り、それが負の遺産になる。
②巨額の不正蓄財をする。
③戦争をする。
まあ、こんな感じです。
結局、イエスマンに囲まれ自分の言ったことに誰も反対しない環境に長くいると、人間というのは必ず権力欲に支配され、自分の偉業を後世に残したくなるものなんです。
だから金がかかる巨大建築物を造ったり、愛人を作って豪邸に住まわせたりして税金を使ったりします。
その中でも最もたちの悪い権力の誇示が「支配地域を広げる」ことです。
最初は善政を敷き国民の生活を豊かにしていくことに尽力している指導者も、国が豊かになって自分の権力が盤石になると、今度はそれを失うことを恐れて敵対者を排除し、武力を行使して国民を圧迫して他国に戦争をしかけるようになっていきます。
それを防ぐ方法はただ一つ。
一定の期間以上、一人の人間が政治のトップにいられないという法律をあらかじめ作っておくことです。
法律を変えて長期に居座ろうとしないよう、与党のルールではなく国のルールとして決定しておくことです。
最初はヒーローでも、一生ヒーローでいることは不可能なんです。
人間は歳をとり、老化が進むと他者のことは考えられなくなり視野が狭くなります。
なので、そうなる前に指導者の職から退くべきなんですが、その頃には大抵の指導者は権力に憑りつかれ独裁者と化しているわけです。
なので私は、この戦争が終わったらゼレンスキー氏も大統領の職を辞し、復興の現場に行く方がいいと思っています。
ヒーローとして祀り上げられた人間が、そのまま高潔な人間で晩年まで生きていられるのは本当に難しいことなんですから。
プーチンはその一線をもう超えてしまいました。
自分に否定的なことを言う人間は外国まで追いかけて暗殺してきたので、もう後に引くことはないでしょう。
しかし、現在は戦局が悪化し、ワグネルと国軍が対立を始める状況になってしまっています。
どのような結果になるのだとしてもプーチンの未来に「和平」はないんだと思います。
ここにきて中国が「ロシアとウクライナは和平交渉を」と呼びかけていますが、これを真に受ける政治家はいないと思います。
日本は最近になって、大量に武器を購入することを決めましたが、それはつまり
「今アメリカはウクライナ支援で手いっぱい。ここで中国が台湾に侵攻したら、日本は自力で戦わなくちゃいけない」
ということなんだと思います。
習近平は再選を果たし、異例の長期政権を作り上げました。
彼は台湾統一を悲願だと言っています。
権力を盤石にした年寄りが何をするか、年寄りはどれだけ歴史から学ばず同じことをするか、国際社会はプーチンでイヤというほど理解したのです。
しかも、西欧諸国はウクライナに武器を供与していて、これ以上武器がありません。自国を守れるギリギリの状態なのですから、他で紛争が起きても手を出せません。
それに、自国で生産していたとしても武器はただじゃありません。
失ったものを購入するには莫大な資金が必要ですが、急に税金が増えるわけではないので無限に補給はできないのです。
軍事会社は急ピッチで武器を製造していますが、元々長く続いてきた平和で武器の製造会社は減り、年間の生産量をそれほど増やすことはできていません。
作る端からウクライナで消費している状況なので、各国とも自国の装備品を削って支援している状態です。
中国にとっては欧米諸国が疲弊している今なのです。
ロシアの戦争に首を突っ込んでいる場合じゃないのです。
ただ、その「今」動くことが出来ないのは、コロナにより景気が悪化していて外国に紛争を仕掛けても国民の賛同を得られそうにないからだと言われています。
そこで「コロナ禍が落ち着いて経済が上向きになってきたら、2025年頃に台湾に侵攻する」という説がまことしやかに流れてくるようになったということですが、どこまで信憑性がある話なのかは私には分かりません。
それでも、日本が急ピッチで装備を増やそうとしているのは事実です。
アメリカが何かを掴んで、そのために準備をしようとしているなら、ある程度は納得する部分はあるように思います。
この一年間、ウクライナ人たちの不屈の闘争心を見ていると、日本人はああは戦えないだろうなと情けなくなることもあります。
ウクライナの兵士たちの多くは1年前までは普通の市民だった人たちです。
パン屋のおじさんだったり、大学生だったり、サラリーマンだったり…そんな人たちが1年で否応なく優秀な兵士になっていっています。
「今、ガチで戦ったらウクライナの兵士が最強」だとどこかで誰かが書いていましたが、それは本当にそうなんでしょう。
中国は話し合えと言っていますが、話し合って双方の言い分を聞いて、お互い望みの半分で手を打ちましょうなんて言えますか?
ウクライナが希望していることはただ一つ
「この国から出ていけ!」
なのですから、プーチンが兵を引き上げるしかないんです。
そして、弱腰なところを少しでも見せたら、プーチンだってプリゴージンに頭を打たれるかもしれないんです。
ワグネルの創設者プリゴージンはプーチンよりはるかに残忍で狂っています。
あれに核のボタンを引き渡すことは西側諸国もできないはずです。
落としどころはない。
それがこの戦いの難しいところなんです。
あ、今日買った明治屋のハチミツ。
原産国がウクライナとベトナムでした。
今まで買っていたイトーヨーカドーのハチミツは中国産だったのですが、これからはこれにしようと思いました。
こんなことくらいしかできませんが、心の中には常に、故郷の北海道と東北の被災地と、そしてウクライナをとどめておきたいと思います。
ウクライナの人々は、ロシアを追い払うまで酒を飲まないと決めていると不肖宮嶋がレポートで書いていましたが、一日も早く武器を置いてお酒を飲める日が来ることを、大地に小麦を撒いて豊かな国を取り戻すことを、極東の島国から祈っています。
以上