結弦くんの東京ドームアイスショーが公表されて以来、なんというか、外野が色々とうるさいです。

「ファンのことを考えたらもっと小さくてよく見える会場にすべき」
「アイスショーはエッジの音を楽しんだりスケーターの表情も見て欲しい」

などなど、いかにももっともらしい言葉でやんわりと「東京ドームでのアイスショーなんて、あり得ない!」と否定しています。


でも、私たちからすれば
「はいはい、分かったから私達のことは放っておいてね~!もうメッチャ楽しみにしてるから~ニヤリ
としか言えませんよね?


まあ、結弦くんのファンではない人たちには私たちが何を望んでいるのか知るはずもないですし、それゆえに的外れな意見を言っているのは理解できます。

確かに、エッジの音がよく聞こえて表情もはっきり見えるような会場で結弦くんがアイスショーをやってくれたらそりゃあ最高ですよね?

でも、そんな小さな会場じゃあ、観客は何人入るの?
「プロローグ」は5日で約25000人くらいの観客でしたけど、それでも希望する人数の半分も入らなかったんですよ。

表情が良く見える会場って、一回あたり何人入るの?
まさか、結弦くんに1ヶ月くらい毎日ショーをやれっていうの?
ファンは誰もそんなハードな事、結弦くんに望んでないよね。
ボロボロになってもいいから私達に近くで演技を見せろと言うの?

そんなのファンのエゴでしかないし、羽生ファンはそんなことを求めていませんよ。




そりゃあ結弦くんを近くで見られたら幸せですけど、そんな小さな会場では希望するファンの数に対してキャパがあまりに少なすぎますよ。

エッジの音が聞きたいとかすぐ近くで結弦くんの演技を見たいとか、私たち羽生ファンはもうそれを望むところにはいないんですよ。

「結弦くんのアイスショーの会場の中に入る」
というのがすでに難しいんですから。


今の結弦くんに「顔が良く見える会場でショーをやれ」というのは、BTSに「サンシャイン劇場でコンサートをやれ」というようなものです。

サンシャイン劇場は約800席なので、劇場としては決して小さくありませんが、スタジアムクラスでライブをやっているアーティストでは完全にキャパが足りません。

結弦くんの場合も同じ。

キャパが全く足りていない会場でショーをやるのはファンのためでも何でもなく、その場に入れないファンを悲しませるだけでしかないのです。



それと、フィギュアの醍醐味として良くエッジの音とか表現だとかを上げる人がいますが、そういう人はどこでフィギュアを見ているんでしょうかね。

私も関東を中心に結構試合やショーには足を運んできたつもりですが、ハッキリ言って、よっぽどリンクに近い席じゃないとそんなにエッジ音なんか聞こえませんよ。

上手い選手だと特に。



一番良く聞こえるのはスタートポジションにつく時かなと思いますが、あの時に良く聞こえるのはまだ音楽がかかっていないからです。
演技中には曲がかかっていますからそんなに聞こえるもんじゃありません。
ジャンプの時にガッと大きな音がしたら、それは大体少しミスっている時です。

テレビだとガンマイクでわざわざ音を拾っている時がありますが、会場だとリンクから離れた席までそうそう聞こえるもんじゃありません。

聞こえた時は「わぁ~!ラブ」と感動しますが、基本的にはリンクから遠い席にまでは聞こえないもんです。
特にアップテンポの曲の時なんかは音楽にかき消されてしまいます。


エッジの音を聞くのが醍醐味だという人は、いつもリンクサイドのごく近い席で試合やショーを見ているんでしょうか。
それとも、毎日練習リンクで音楽のかかっていない中で選手のエッジ音を日常的に聞いている関係者の方なんでしょうか。

私は関東近辺を中心に見に行っていますので、全てのリンクを知っているわけじゃありませんが、普通にエッジ音が聞こえるのは新横やダイドードリンコなどの小さな常設リンクが多く、スーパーアリーナ、代々木、横アリ、幕張、ラクタブ、ビッグサイトなどではエッジ音を楽しむほどには聞こえなかったと記憶しています。

もちろん席が遠くになれば細かな表情も見えません。



それでも、選手から遠ければそのぶんリンク全体が見れますし、スピード感やジャンプの軌道などが見れて、遠い席にもそれなりに良さはあったりするわけです。


なので、表情がー!エッジ音がー!と言ってドームを貶す人たちは、いつもどこで試合を見ているのかな~?音楽がかかっている中でエッジ音を楽しめるってことはきっと毎回近くの席で見てるんだろうな~。まさか試合とかショーを生で見たことないなんて言わないよなぁと、ちょっと不思議に思っているわけです(笑)

まあ、表情が見えないような大きな会場で試合をするのはファンを思いやっていないと皆さんが思っているなら、これからは全日本も新横でやるといいんじゃないでしょうかね。

言っときますが、スーパーアリーナの400、500レベルも選手はかなり小さくしか見えませんよ。

そんな席で見せるなんてファンのことを考えていないってことなんでしょうから、世界選手権も300レベルより上は売らない方がいいですよね。
表情も見えないんだからエキシビションなんてもってのほかですよ!照れ




なーんてね。

きっと「ドームじゃスケーターが見えないんだからフィギュアの会場にふさわしくない」なんてことを言っている人は、実際には試合会場には足を運んだことのない人なんでしょうね。
わかっていますよ、ただのやっかみだって。

そして私達がドームを喜んでいることを「あいつらマジでフィギュアを分かってないんだ」と見下したいんでしょうね。


でも、そうじゃないんですよ。
私たち羽生ファンは、そういった「フィギュアの醍醐味」も十分に理解したうえで
「それを望んでいては結弦くんのショーは成り立たないことを承知してるからこそ、そのうえでみんなが楽しめる空間で結弦くんを見たい」
って思ってるってことなんです。

選手の表情だのエッジの音だのを見に行きたければ他のアイスショーに行けばいいんです。

幸いなことに日本は他の国と違い、アイスショーはいっぱいあります。
そういった、スケーターを身近に感じられるショーもたくさんあるのを私たちだって知っているんですよ。

だから「それはそれ、これはこれ」で区別をして考えているってことなんです。



私だって一通り行ってますよ。
そのうえで、それらのショーと結弦くんのショーは別物であると思っているんです。



「アイスショーとはこういうもの」という固定概念を「プロローグ」はぶっ壊してくれたじゃないですか。

1人じゃ無理。
みんなでグループナンバーやコラボをやることはあっても、基本的には発表会のようにそれぞれが次々に自分のプログラムを演じるもの。

そういうイメージが私の中にもありましたが、「プロローグ」は全く違いましたよね?

1人でも出来る。
むしろ、他のスケーターと合わせる必要がない分、短時間で準備できる。
ジャンプの本数をおさえれば複数プログラム行ける。
プロジェクションマッピングを使うことで遠い客席にも満足感がある。

「こんなショーもアリなんだ」
と、あれを見て驚いたじゃないですか。
ほんの数ヶ月であれだけのショーを作り上げた結弦くんの才能とそのスタッフの方々の仕事の速さに驚きながら畏怖したじゃないですか。

時間がない中でこれだけのものを作り上げてしまうなら、これから先どんな凄いものを見せてくれるんだろうと鳥肌が立ったじゃないですか。

そして「綺麗だった~」「面白かった~」「泣いちゃったよ~」とウキウキしながら帰路についたじゃないですか。

その上で、次は「東京ドームで~す!」と言われちゃったら

「はあぁぁ?マジ~?」

と、お目目白黒しちゃうじゃないですか。




もう、普通のアイスショーに対する期待と結弦くんのショーに対する期待ではベクトルが違うんですよ。

他のショーでも見られるものは他のショーで見ればいいんです。
結弦くんのショーは結弦くんのショーでしか見られないものなんですから。


結局、結弦くんのショーを貶す人たちっていうのはステレオタイプのアイスショーに捕らわれてしまっているだけなんです。
その形は今までの人達が構築してきたスタイルであって、これから先もそのスタイルが正しいとは限らないんです。



結弦くんはチャレンジの人です。

新記録を出し続けてきただけではなく、少しでも点数を上げるためにはどうしたらいいかと常に基礎点を上げる努力をし、新しいことにチャレンジしてきた人です。

今では普通になっているショートプログラムに2本の4回転だって、結弦くんが成功させる前は「まさか」と思うレベルの話だったと思います。

結弦くんが切り拓き、それが出来ることを確認した後輩たちは今、それが出来ることを理解して続いているのです。
想像し得なかったことをやるのが一番大変なのです。

だから、結弦くんのショーが他のショーと全く違うものになるのは当然です。
今まさに、今まで見たこともないフィギュアスケートの新しい形を模索しているのですから。


私はそれが楽しみで仕方がありません。

どんなものを見せてくれるのか、ワクワクしてドキドキしています。
エッジ音が聞こえる聞こえないより、自分がその場に入ることが出来るかどうかが一番の心配事です。


値段が高い?
そんなこと言う人はアイスショーに来たことがないんでしょう。

アイスショーは、氷を張る必要のない常設リンクでも最前列近くは3万円近くしますよ。
それに対し、今回は何日もかけて氷を張り(当然その間もドームは貸し切り)、ライゾマの映像にMIKIKO氏の演出という、それだけで十分期待値の高いショーになるのが分かっているんですからあのくらいの値段は仕方ないです。

1日しかないということを考えれば十分安いくらいです。



私たち羽生ファンは結弦くんのショーという認識ですが、perfumeのファンの方々などから見れば「MIKIKO先生の演出で羽生くんが滑る」という見方もあるようです。

私がMIKIKO氏を知ったのは、多分2016年くらいに結弦くんが「恋ダンス」を踊った時です。

その後、あのリオ五輪の引継ぎ式の演出も手掛けた人だと知り、さらに東京五輪の開会式もやると知って期待を膨らましていたわけです。



それが、五輪に群がってきた金の亡者たちによって散々なものになってしまったのは記憶にも新しいことかと思いますが、そんなMIKIKO氏が東京ドームでどのような演出をしてくれるのか、そこはperfumeのファンならずとも期待してしまう部分です。


MIKIKO氏の案はその後週刊誌によって公開され、それをイメージ動画にしたものがいくつも上がっています。

ひとつ動画をお借りしてきましたが、これを見て初めてニンテンドーのキャラクターが使えなかった理由が分かるような気がしました。
つまり、ニンテンドー側もMIKIKO氏側と一緒に降りたということなんでしょうね。



MIKIKO氏は、この東京五輪の開閉会式の仕事が終わったら演出家として引退する予定だったともいわれていました。
それだけ全身全霊をかけていたんでしょう。

それがあんな形で降りる形になり、きっと不完全燃焼だっただろうなぁと思いました。

そんなMIKIKO氏が結弦くんのショーの演出をしてくれる。
どちらから声をかけたのかなんてわかりませんけど、あんな形でつぶれてしまった夢の舞台を、もしかしたら形を変えて目にすることが出来るかもしれないんです。

これはひとつのリベンジですよ。

MIKIKO氏にとっても。
開会式を楽しみにしていた私たち日本国民にとっても、です。



もしMIKIKO氏が「羽生結弦」という素材を得て、エンタメの演出にまた意欲を燃やしてくれたなら、こんな楽しみなことはないと思います。






もう、「フィギュアスケート」という枠だけで結弦くんを評価しないでください。

スケーターにして表現者であることはみんな分かっていましたが、今、演出家やクリエイターとしての才能も発揮しつつあるところです。


東京ドームの座席表を見ると、アリーナ部分にまだまだ空間があるじゃないですか。
きっとあそこで様々な演出があるんじゃないですか?



まあ、ひとつだけ心配なことがあるとしたら、クールでサイバーな映像が得意なライゾマと、どちらかというと自然なものと親和性が高い結弦くんがどこまでシンクロできるのかということですかね。

自然を描くという点ではチームラボとの方が相性はいいように思いますが、そのへんはまあ今後どういう風になるのか期待していきたいところです。




しかし、東京ドームでやるというのに、それでもチケットが取れるかどうか心配しちゃう当たり本当に結弦くんは凄いですよね。

海外からの観客が来れなくてあれだったわけですから、もし海外にチケット解禁となったらエライコッチャです。


私はとりあえず友人たちとの分で4枚申し込んだのですが、いくらドームとはいえ4枚一気に申し込んだら落ちる可能性があるんじゃないか?2枚2枚にしたほうがいいんじゃないか?と、随分みんなで悩みましたよ(笑)

でも、結弦くんのショーで4枚まで取れるなんて今まで無かったことだから1回だけチャレンジしてみようとなったのです。

これで落ちたら友人の出番です爆  笑

そしてもし取れたら、友人曰く
「今度も取れたら宝くじ買った方がいいんじゃない?」


ですね~!ウインク