昨日のメイキングを見て、結弦くんの足さばきのキレに何度見ても唸ってしまう私です。

リンクに右足で入り、踏み出した左足で真っ直ぐ立ったままスイーっと滑って行く。
あんな動きだけなのに、スタッフが「カッコいいな〜」と言っていましたが、その気持ちが本当に良くわかりました。


去年撮影したロッテのスタッフはフィギュアをあまり見ていない人達だったんでしょうか。

どんな動きも「新鮮な驚き」だったようですね。



その後、録画したCMを何度も繰り返し見ていますが、本当に1分が短く感じます。

時々1分CMって目にすることがありますが、結構長く感じることが多いんですよ。
でも今回のCMは、言葉を噛みしめているうちに終わり、エッジワークに見惚れているうちに終わりで、本当にあっと言う間に終わってしまいます。


結弦くんの練習風景を見ているだけで、フィギュアを知らない人ですら「おお〜!」となり「すげぇ」となるのですから、ただ滑っているところだけを10分くらい流していただけないものかと思いますね。




たまにフィギュア関係者でありながら、コーチが結弦くんに憧れている子に対し「あんなの大したことないんだよ」と教えていると漏れ聞こえることがありますが、その何という残酷さか。


結弦くんのスケートを大したことないと言って目を逸らさせるのと、あれを目標にしろと何度も見せるのでは、最終的にその子が到達できるレベルが全く違うと私は思うのです。


余りに高い目標にビビってネガティブになってしまう選手であれば、それはその選手の目標は地方大会レベルだということなので、滑るのが嫌いにならない範囲で楽しくやらせていればいいんですが、もし世界で戦いたいというならやっぱり最高レベルの演技を見せてそこを目指さなければいけないと思うんです。

本気で上を目指している子供がいたらコーチ達も本気で教えないとね。
そういう意味では、日本はお稽古ごとの延長にトップ選手が存在してるのが勿体ないですよね。



今回、メイキングを見ていると試合の時とは全く違う荒々しいエッジ音に驚かされます。

試合に挑む時は、あの優雅な衣装や外見で中性的な美しさを纏う結弦くんですが、一心不乱に滑っている時は中性的なイメージなんて全く無くて荒々しいアスリートの姿がそこにあるわけです。


そこを見誤っちゃダメなんです。


結弦くんの優雅で繊細な動きに、男らしくないと批判していた人を見かけたことがありますが、男らしくないなんてその人が結弦くんの本質を見ていないだけです。


羽生結弦というアスリートは、格闘技の選手と同じような猛々しさを持ちながらその魂を優しい姿に閉じ込め、普通の人間であればビビリ倒して腰砕けになる修羅場すら笑顔を浮かべて斬り込んでいくアスリートです。

同じ様な、トップオブトップのアスリートたちにしかわからない世界です。
その世界が一般人などに分かるはずがないのです。


先日、「あれこれ」さんのブログで、イワン・リギーニ選手が結弦くんを「サムライ」と語っていたのを読ませていただきました。

私はあのブログて初めて、リギーニ選手がロマだということを知りました。
ロマとは昔の言葉でジプシーですが、私はずっと、彼はロシアからイタリアに移籍した選手だと思っていたのです。

本当に、世界には色々な出自の選手がいて、様々に困難な環境でスケートをしているんですよね。


なんだかんだ言いながらスポンサーがつく日本は他の国から見れば非常に恵まれているんだなと、ちょっと悲しくなりますよね。


その中で、彼は結弦くんのことを
「サムライの魂を持っている、粘土細工の異星人」
と称賛しています。

結弦くんの最も特筆すべき部分はあの柔軟性で、それ故に自分だったら2度と自分の足で立てなくなりそうな怪我からも驚異的速さで回復する、あの柔らかさは粘土のようだ、というわけです。

確かに、結弦くんは何度も大きな怪我をして、そしてそのたびに更に強くなって戻ってきました。

結弦くんには怪我に対する恐怖心がないのかと、時々不思議になるほどです。



私は、結弦くんが他の選手達と根本的に違うのは、この恐怖心の希薄さなんじゃないかと思う時があります。

普通の選手であれば、怪我をしたら恐怖心が多少は残るはずで、それ故に特定のジャンプに苦手意識を持ってしまうということが起こります。

でも、結弦くんはその恐怖心を意思の力でねじ伏せ乗り越えるのです。




ハンヤンとぶつかった時も、すぐ次の試合で恐怖心を乗り越えました。

あの4Lzの転倒すら怖がっていたのはむしろファンの方で、結弦くんは怪我が治るとすぐにLzの練習をし、そしてすっかり手に入れてしまいました。


恐怖心を捨てれば、どんな選手ももっとジャンプを跳べるようになると思いますが、それは簡単なことではないんです。


結弦くんは、怪我の恐怖よりそれが出来た時の「ヒャッホーイ!」という感情の方が強いのでしょうね。

そのメンタルに柔軟性のある身体。
さらに目的のためなら努力を厭わない性格。

これはもう、天から与えられた才能ですよね。



本当に、結弦くんの持っている才能とフィギュアという競技は最高の相性なんだと、そう感じています。



しかし、結弦くんの冗談はちょっと人に通じにくそうというか、相手が理解する前に自分が笑っちゃうというか(笑)
今回は特にあまり慣れていないスタッフだったようで、余りふざけることもできなかったのかもしれませんニヤリ


カメラをもってイタズラをしている結弦くんの表情が本当に楽しそうで、私はああいったイタズラっ子の顔をした結弦くんが大好きなんです。

「KENJIの部屋」でマエケンのサイン入りユニフォームをもらった時の、あのキラキラした目の結弦くんです。


まあちょっと、色々な肩書が増えてくるとそうそうイタズラもできないでしょうが、いつまでも子供の心を持ち続けて欲しいなあと、おばちゃんはそう思います。



しかし、今季のプログラムは何になるのかなあ。

クリメモとマスカレードでも私は驚かないぞ~!爆  笑




以上