有る程度想像はしていましたが、世界選手権が中止になりました。
それに対しての結弦くんのコメントが、大変素晴らしかったのでついつい何度も読んでしまいました。
この短い文章の中に、周囲への感謝から始まり、自分はこの出来事に何を思い、何を得、そしてどうしていくのかが、見事に簡潔にまとめられています。
技巧を凝らすこともなく、余計な言葉も入れず、必要にして十分な言葉のみで構成されていますよね？
きっと大学のレポートも大変うまいんじゃないでしょうか。
今回のウイルス騒動は、私もいろいろ学んでいます。
本当に、毎日知りたいことが多くて追いつきません。
この結弦くんの言葉の中で、ISUが選手に競技の場を設けようとギリギリまで尽力したことに対する感謝が述べられているんですが、それを読んで私もなんとなく「そうだよね？」って思ったんですよ。
何と言うか、最近はファンの皆さん「ISUは選手を金儲けの道具にしている」という論調に凝り固まっていて、選手の視点が抜けているんじゃないのかな？と思っていたもので…。
選手に何かあったらどうするんだ！と、皆さん選手の健康を気遣っているわけですが、選手の多くは
「少しくらい何かあったって試合に出たい！」
と思っているんじゃないのかな？と、そう感じていたんですよね。
センバツの中止もそうです。
ファンの方々は「選手に何かあったら取り返しがつかないから、中止になって良かった」と言っているわけですが、でも選手は涙を浮かべるほど残念に思ったわけですよね。
そこで活躍してスカウトの目に留まったらプロの道が開けるかもしれないし、プロになるのが自分の夢だし。
そんなことを思いながら頑張っていた選手に
「あなたが新型にかかったら大変だから、良かったわね？」
と言えるのかどうか。
フィギュアだって、ここで頑張ればオリンピックまでにスポンサーがつくかもしれない選手もいたかもしれないし、何より選手は大勢の観客の前で滑るのが大好きなんですから。
ＣＳ大会が中止になるのとはインパクトが違いますよね。
もちろん、現在のこの状況では仕方ないと納得はしてると思うんですよ。
無観客だのなんだのより、中止が最善の方法だったというのも理解はできると思います。
そこをギリギリまで尽力してくれたISUに対し、選手は誰も「自分たちを犠牲にして金儲けしている」とは思っていないんじゃないでしょうか。
こういうのって、14年の中国杯でも感じたんですよね。
結弦くんが試合に出たのを止めなかったコーチが悪い、スケ連が悪いと、そういう論調です。
あの時も、結弦くんの意思は？出たいと思った結弦くんの意思はどうなるの？と私は思ったんですよね。
結弦くんは喘息持ちだから、コロナに罹ったら大変な事になるかもしれないと心配するのも十分に分かります。
でも、結弦くんが感謝している人達を悪者にするのはおかしいんです。
ISUがアワードだのなんだの、変なことをやり始めたのもファンがイラつく原因だとは思うのですが、それも何とかフィギュアをメジャースポーツにしたいと考えているのなら納得がいく部分でもあります。
最近ではあの卓球ですらショー化して集客を増やしているんです。
ショー化して注目度を上げるのは、どのスポーツでも取り入れている集客の手段なんだと思います。
卓球でも、ライトがまぶしくて玉が見えないと水谷君が言っていましたが、選手のやりやすさより観客が盛り上がるかどうかなんでしょう。
フェンシングもショー化することで観客数を伸ばしていますし、この流れは変わらないんじゃないのかな？と私は思うのです。
ラグビーのトップリーグだって、試合の後には選手が観客をハイタッチで見送りしていますしね。
カナダスケ連にとっては、結弦くんが現役でいる間に行われる最後の大きなイベントだったんじゃないのかな？
パァ～ッと盛り上げたいと思いますよね？
決して金儲け主義だとか、そういうのではないと思うんですよ。
もしこれで大きな黒字になったら、カナダのこれからの選手達に資金も残せますし、結弦くんは決して利用されているなんて思っていなかったと思いますよ。
もちろん、ジャッジのつける点数に文句を言いたくなる時はありますよ。
マッシさんが雑誌でイタリアジャッジのつけた点数について謝罪していましたが、ジャッジのつける点数への疑問はもちろんあります。
でも、それはISUに対する感情とは分けて考えるものです。
私はそう思っています。
何にしても、私は結弦くんの最後の言葉に感動しました。
「来シーズンに向け、今の限界の先へ…」
来シーズンがあるんですね！
まだまだ先があるんですね！
もう、その一言だけで十分です。
結弦くんが行こうとしている道は間違っていません。
是非是非、その道の、限界のその先まで突き進んでいってください！
あ、心臓もつかな？
以上