シーズンも終わったことなので、今回はちょっと、腹に据えかねていたことを書きます。
ええ、今回もまたコメント無しの、平成最後の独り言です。


でもこれは書かなきゃいけないことです。これをスルーするほど私もお人好しではないのです。
っつーか、長々書いていたらまた新たなネタがニュースになり、最近のスケート連盟の暴走ぶりにいささか呆れてきているところです。





私が何に腹を立てていたかというと、それは高橋大輔とその周りの人達がやっていることに、です。

私は以前、全日本の結果に対し「あれはおかしい」と書きました。

高橋大輔があの演技で2位になったことに対して文句を言っているわけではありません。
ジャッジたちの忖度があったのは明らかだとしても、それを跳ね除けるだけの気概が後輩たちになかったのですから、そこは仕方ありません。

もしかすると、勝ってはいけないような空気感を微妙に察知して後輩たちの腰が引けてしまったのかもしれませんが、そんなものは跳ね除けなければ自分の人生を掴むことはできないのですから、後輩たちを擁護するのもまた違うと思っています。


ただ、最終的に「辞退」という形になったとしても、高橋大輔をワールド代表に選んだこと自体は間違いであると私は思っていました。

ワールドで戦う資格を何一つ持っていない選手を、全日本2位という結果だけでワールド代表に選んでいいのかと、私はそこにやり切れないものを感じていたわけです。

そのため、どういう理由で私が「高橋大輔にはそもそも代表になる資格がない」と思っていたのか、その理由も並べて反論しました。

結果的に辞退したからいいじゃん、では済まされないのです。

これはつまり「評価基準はクリアしていなくても、スケート連盟の胸先三寸でいかようにもルールは曲げられる。代表選出にそのシーズンの国際大会の成績なんか関係ない」ということを事実として残してしまったことになるのですから。

それは今後、スケート連盟の推す選手とそうじゃない選手が同列に並んだ場合、推されていない選手は絶対に勝てないということになるのです。

過去にもそういうことがあったのかもしれませんが、少なくとも今回また明確な事実を残してしまったのは、スケート連盟にとって大変な汚点になったのではないでしょうか。





代表選考の件については、政治家をバックにしていればここまでやりたい放題できるのかと、私も暗澹たる気持ちになっていました。

しかし、2月のある日「氷艶2019」の製作発表を見て、私はなんとなくおおよその流れが理解できたような気がしました。



高橋大輔とその後ろの人達は、アイスショーのために全日本を踏み台にしたんだな、と。



これは、陰謀論ではなく、見えていることから推察できる範囲の話です。

もちろん、高橋大輔自信が自分でそんなことを考えられるわけがありません。
当然、企画者がいて実行者がいます。

あくまで高橋大輔は出演者の一人にすぎず、彼自身、その人達に言われたから復帰劇の話に乗っただけでしょう。

自分の自由意志で、全日本を見て感動してスケートを再びやりたいと思ったのなら、なぜ5月までグダグダと先延ばしにしたのかと不思議に思っていましたが、 やはり自分の意思ではなく、誰かに「やってくれ」と言われたからなのではないでしょうか。


最初は決して乗り気だったわけではなかったのです。

でもやらなければいけなかった。

何のために?
「氷艶2019」のためにです。



多分、草太や山田選手の演技に感銘を受けたのは嘘ではないんでしょう。

だから、彼のその感情を口実に周りの人間が高橋大輔を持ち上げ、動かしたのではないでしょうか。

なぜそんなことをしたのかというと、周りの人間たちはまだ、彼に多大なる集客力があると信じ、広告塔としてTVを最大限に利用するつもりだったからです。



ミニマムを取るために2月にB大会に出れば世界選手権に選出するよなんて言ったところで、最初っから無理だったんですよ。
2月からキャンペーンが始まるのですから。


最初「全日本の最終グループが目標」としたのも、そこまでなら何とかなると踏んでいたんでしょう。

2月に告知があってそこから怒涛のキャンペーンが始まるのですから、2月のヴァバリアンオープンやチャレンジカップにミニマムを取りに行くのは絶対無理でしたし、当然3月に埼玉ワールドに出てくるのも無理だったんです。



それを、代表に選ばれたが後進のために道を譲ったという美談に仕立て上げたのは事務所(もしくは広告代理店)のイメージ戦略でしょう。

最初の目標として口にしていた「最終グループに入ることを目指す」というのは、無良くんとダイスが引退したことで、羽生、宇野、田中、友野といったメンバーに負けたとしても、6人の中には確実に入れるという目処が立ったから出てきた言葉だと思います。

なので、無良くんとダイスが引退してい なければ、こんな計画はなかったかもしれません。


じゃあなぜ最終グループが目標なのかというと、彼が現役の頃の男子は最終グループくらいしかテレビで放映されなかったからでしょう。

アイスショーのキャンペーンだと気付かれないようにしつつ、テレビに映ってもう一度高橋大輔の名前をアピールすることが目標なのですから、テレビに映ら なくては話にならないのです。

その後、今さらの「氷艶写真集」発売があったり、立て続けに雑誌の発売があったりしたことで、私は、当初予想していた通り「やっぱりビジネス復帰 だったんだな」と、ちょっとうんざりしていたわけですが、そこでやってきたのが2月の製作発表ですよ。


「やっぱアイスショーの宣伝に全日本を利用したんじゃん」

私の目にはそうとしか映りませんでした。



「これから先ショーなどをやっていくにあたり身体を作る必要があった」
というようなことを言っていた時
「そんなの現役復帰しなくてもプロとしてだって出来ることじゃん」
と、その言葉に違和感を感じていましたが、「氷艶」のためだったと言うなら納得です。


身体を作りつつ注目の集まる全日本でテレビに出て、復帰劇を大々的にアピールすることができれば一石二鳥。

そう考えた人がいたとしたら、本人は自分でかなりの策士だと思っていることでしょう。

でも、結果を見ればみえみえじゃないですか。
むしろ、アイスショーのためにアマチュアの試合を利用したのであれば、結果としてはイメージダウンもはなはだしいですよね?

うちの会社の、フィギュアは見てるだけという同僚も「あれはどうなの?」と呆れていました。
こんなやり方はサイレントアンチを増やすだけですよ。


全日本は、フィギュアを愛し人生を捧げた若者が、自分の未来を夢見て戦う場ですよ。

そんな場所で「アイスショーのキャンペーンとして出演者を売り込まなきゃいけないんで、キミタチわかってるよね?」といった感じで、テレビ局から連盟から一丸となって復帰劇を演じているのが丸わかりだったら、こちらが白けるのも当然と言うものです。

全てのオファーを断わって復帰したなんて嘘だったんです。

「氷艶」ほどのプロジェクトともなると、全日本が終わってからオファーを受けるなんてことは有り得ません。

あれだけ大掛かりな舞台にもなると、計画に1年以上かかるのが普通です。
当然、前回の「氷艶」が終わってからすぐプロジェクトは動いていたでしょうから全てのオファーを断わったわけではないのです。

テレビの解説やナビゲーターの仕事がなくなったのは、当人に資質がなかったから仕方ないでしょう。

トーク番組で「全ての仕事にやる気がもてなかった」なんて言っていましたし、本人も嫌だったみたいですから今後も自分から人に絡んでいく仕事は無理でしょう。



「氷艶」以外のオファーは断わったのではなく、無くなっただけです。



2月からキャンペーンが入っていたのですから、ミニマムを取りに行くのは不可能でした。

トーク番組で「(世界選手権までは)そこまで気合が入らなかった」的に言っていましたが、そもそも行けなかったし行く気もなかったのです。


全日本の後、あまり練習をしていなかったようですから、強行スケジュールで取りにいったとしても取れない可能性のほうが大でした。

SPは取れるでしょうが、FSは厳しかったでしょう。

国内大会で中一日の休養日があったにもかかわらずフリーの4分間の後半までもたず、国内ジャッジにGOEをいっぱいつけてもらっていてもミニマムに届いていなかったのです。

長時間の移動をこなし、休養日のないB大会で、ショートフリーを滑る体力はなかったでしょうから、一発勝負のミニマム取りは無理だったでしょう。

そんなことは十分わかっていたから、まわりも高橋大輔に世界選手権に出ることまでは求めていなかったのです。


デカも、枠を譲られたなんて言われていましたが、譲られたんじゃないんですよ。
アイスショーのキャンペーンのため、迷惑をかけられただけなんですよ。





「氷艶」については、なぜこうも無理がまかり通るのだろうと思っていましたが、やはりこのプロジェクトは「東京オリンピック関連イベント」として認知されているようです。

17年の時にそう言われていましたが、結局東京オリンピックの何に関連していたのかは判らずじまいでした。

でも、今回の出演者が製作発表で
「自分もこれをきっかけにオリンピックに絡めたら」
なんてことを言っていましたよね?

つまり、少なくとも出演者達はこれが「東京五輪に関わる事業」だと信じて参加しているということになるのではないでしょうか。


オリンピックは、決まる前からその膨大な費用にハイエナたちが群がってきていました。

何にいくら使われるのか、全く判らないのです。

「オリンピックを広めよう」と一言言えば、全て協賛イベントとして認可され協賛金がもらえるのだろうかと、素人ながら不安になるほど、スポーツとは関係なさそうなイベントもたくさんあるのです。




前回の「氷艶」が黒字だったとは、私にはとても思えません。
TAO、チームラボ、豪華な衣装、スケーターや歌舞伎役者たちのギャラ、大道具、照明、会場設営費用、大量に流されるCM。

ざっと考えて2億はかかるレベルでしょう。


にもかかわらず、客席はスクリーンで1/3ほどが使用不可で、スタンドはガラガラ。
だとしたら、そのお金は一体どこから出ているのか。


「陰謀を暴く」といきまいている自称ジャーナリストの方々は、こういった部分こそを調査すべきではないでしょうか。




今回、チケットが変な売れ方をしていました。

というか、前回もそうだったように記憶しているのですが、発売の翌日あたりに見てみると、アリーナは○がついているのにスタンドが×になっていたのです。

今度の会場は横浜アリーナですよ。
今回も座席をかなり潰しているようですが、それでも1万を超える座席数があるはずです。
そこがそう簡単にチケットが完売するものなのでしょうか。

「これはもしかしたら、スタンドを売っていないんじゃないかな」
私はそう考えていました。


以前も、×になっていたのにテレビで見たら暗幕が張られていたということがありました。

これは、安いスタンド席ばかり売れてアリーナがスカスカにならないよう、まずアリーナから売っていくというやり方なのではないでしょうか。


そんなことを考えていたら一気に×になりましたが、これはなんてことはない、演出家の宮本亜門氏の癌が発表され、それの状況によっては公演の中止や延期が想定されたため、一時発売を中止したのでしょう。

癌の転移は無く、公演も問題ないとTVで発表された途端、またチケットは〇になりました。
そして、×がついていたスタンドも、何もなかったかのように〇がついています。

何にしても、横浜アリーナという巨大施設でプレミアムシートは35000円という強気な価格です。

決して近くで見えるわけではないのにその価格は法外過ぎますよね?
高橋ファンには社長クラスの人しかいないのでしょうか。

失敗するわけにはいかないのでしょうが、こんなやり方をしていては多くのスケートファンにそっぽを向かれてしまうのではないでしょうか。



これは、スケート連盟がどうのこうのというより、企画している事務所とバックアップしている人達がスケート界で力を持ちすぎているために起きている弊害です。

そして、その人達の考えが古いのです。


高橋大輔にやる気を出させるためであったとしても、ショーの宣伝のためだったとしても、全日本は「わがままを言える場所」ではありません。

そこは猛省すべきです。



しかし、高橋大輔の来季はどうなるのでしょうか。

2位になったということはシードですよ。予選なしで今年の全日本は出られるんです。

もちろん、シードといえど本人が出たいと言えばまた地方ブロックから出場することは出来ます。

というか、彼はずっとブロック大会→西日本予選→全日本と、この3大会だけに出続けたいんですよね?
でも、そんなことを毎年続けられるとは思わないでいただきたいですよね。

確かに、山田耕新くんやかつての村主章枝さんのように、純粋に競技者としてスケートを愛し、年齢を重ねても大会に出続けている人はいます。

でも、そういった人達はアイスショーの宣伝などは背負っていないしスポンサーもついていないのですから立場は全く違います。

同列に語るのはやめていただきたいと思います。


2位になったということで、来季、高橋大輔を強化選手にするのなら、ぜひとも海外の試合に出してください。
出る気がないのなら強化選手からは外すべきです。

長時間の移動や深夜のドーピング検査に耐えながら、日本を背負って戦う選手のみを「強化選手」として扱ってあげて欲しいと私は思うのです。

海外の試合に出る気がないのなら強化選手にしないでください。


これが彼の事務所のやり方だとしたら明らかにやり方が古いです。
今の時代、どんな情報もすぐに一ヶ所にまとめることが出来ます。
そして、全てを並べて上から見れば、その出来事の流れが見えるのです。

復帰と全日本とアイスショーと写真集販売やTV出演が、全てつながっていたことなど、その気になれば(いや、その気にならなくても)誰にでもわかることです。

そして、世界選手権のオープニングで持ち出してきたあの衣装も「氷艶」のものだということは、どんな言葉で誤魔化しても明白です。

五輪に関係するショーだから、ISU主催の競技会で宣伝まがいのことをしても許されるのかどうかはわかりませんが、全日本の利用といい、アマの世界に商売を持ち込みすぎというか、プロがアマチュアの大会を利用しているように見え、私は大変不愉快です。

プロならプロらしく、自分たちの努力と才覚で集客しろよと私は思うわけです。
アマチュアの人気に乗っかるなよと言うことです。

きっと、この計画を立てていた時は結弦くんも全日本に出て高い視聴率が取れると踏んでいたのでしょう。
そこで復帰すればまた注目を浴びれると思っていたと思います。

そこが甘すぎなんですよ。


なんにしても、今年もまた全日本に出るというのなら、是非、地方大会に出るのはやめていただきたいと思います。
そのためのシードなので、予選免除のためにジャパンオープンに出る必要もありません。



世界選手権は、例えライバル選手であっても、いい演技をしたらみんなに拍手とスタオベが起こる素晴らしい大会でした。

私もネイサンの演技にはスタオベしました。

ライバルが勝ったからといって地蔵をするとか、そんな心の狭いファンは「今は」いないのです。



6分間練習の時も、ジャンプの邪魔になるような掛け声は一切なく、世界選手権は本当に暖かい会場でした。

そこに、得体の知れないものを持ち込まないでください。

全日本はあくまでアマチュアの大会なんですから。


何をやりたいのか分かりませんが、高橋大輔とその周辺は、あまりに薄ら暗く気持ちが悪いです。
それを許すどころかバックアップしているように見えるスケート連盟は、もう末期に差し掛かっているように見えます。

これからのフィギュアの発展のためにアイスショーを発展させたいというのでしたら、視点が完全に間違っています。

セレブを気取った方々の自己満足のような豪華なアイスショーではこれからが続きません。

スケートを生かしていたという点では、(細切れの動画を見ただけですが)「艦隊コレクション」のアイスショーのほうがよっぽど上手くスケートの面白さを生かしていたように見えます。

「氷艶」は、どこかお金を出してくれるスポンサーがいるのかもしれませんが、そうでなければ湯水のごとく使われているお金がどこから出ているのか、疑念が募るばかりです。


今回も、ランビエールやリプニツカヤが和の衣装を着て滑ると言うことで興味を持っている人もいますから、私も完全に否定と言うわけではありませ ん。

ただ、アマチュアの大会に足を突っ込むのはやめろと思うだけです。



そして最後に一言。

「日テレ、そことつるむのはやめとけ。なんかやばい匂いがするぞ」




以上