今回は、ジャンプにおけるGOEのプラス項目についてです。
これは今季より基準が変わりましたので、過去の基準と照らし合わせ、どういう風に変わっていったのかを見てみたいと思います。
しかし、人の好みは千差万別ですので、PCSと同じくGOEも評価はバラバラで、100%理解は不可能です。
さらに、ジャッジにもまだまだばらつきがあるというか、GOEの数値が大きくなったことでバラツキはより大きくなったというか、そんな風にも見えるので、まあぶっちゃけるとまだまだ勉強は必要です。
なのであくまで今現在理解してきた部分のみを、ざっと書いていきたいと思います。
13-14シーズンのコミュニケーションより、ジャンプの加点項目。
1) 予想外の / 独創的な / 難しい入り
2) 明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る
3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ
4) 高さおよび距離が十分
5) (四肢を)十分に伸ばした着氷姿勢 / 独創的な出方
6) 入りから出までの流れが十分(ジャンプ・コンビネーション/シークェンスを含む)
7) 開始から終了まで無駄な力が全く無い
8) 音楽構造に要素が合っている
で、これは今季のコミュニケーションより加点項目。
1)高さおよび距離が非常に良い(ジャンプ・コンボおよびシークェンスでは全ジャンプ)
2)踏切および着氷が良い
3)開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプ・コンボではリズムを含む)
4)ジャンプの前にステップ,予想外または創造的な入り方
5)踏切から着氷までの身体の姿勢が非常に良い
6)要素が音楽に合っている
以上です。
※GOE+4以上の評価は1)2)3)を満たしていることがベースになります。
これを見る限り、現在の基準は以前の基準を改偏、集約した内容になっているようです。
完全に無くなったのは「空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ」のみでしょうか。
この部分の評価は、他の「身体の姿勢」に含まれると解釈している人もいましたが、タノを「非常に良い姿勢」と捉えるかどうかは意見が分かれるところだと思うので、私的には「タノを評価する項目はなくなっている」という見解でいます。
でも、タノのように空中で姿勢変形するのは難しいのも事実ですので、文言がなくなったからといって評価されないわけではないと思います。
つまり「美しくなくても空中で姿勢変形をしたら評価せざるを得ない」ため、そこを抜いただけなんじゃないかと思うのです。
難しいものを「美しく」やれば、簡単なものを美しくやるより評価は高くなるのが当然です。
でも難しいからといって、美しくなくても評価対象にするのもまたおかしなものだと、そういう感じでしょうか。
なので、タノといえども「やるなら美しく」ということなんだと思います。
とはいえ、加点を少しでも多くもらおうと今季もタノを入れてくる選手は大勢います。
あくまで個人的な見解ですが、私はタノを入れるより着氷を美しく流してしてその後すぐターンステップにつなげたほうがいいように思います。
そのほうが絶対美しいですからね。
腕を曲げての片手タノより両腕を伸ばしたタケノコタノの方が美しいのは誰もが思うところでしょうが、そういった部分を明記してしまうとどんな変な形でも評価せざるを得なくなるので、そこはジャッジの裁量に任せ、文言として明記しないようにしたという感じでしょうか。
「ディレイド回転のジャンプ」がなくなったのは何となく理解できます。
ディレイド回転とは、最頂部に到達してから回り始めるジャンプですが、これは常々、幅跳び型のジャンプでは難しいのではないかと私は思っているからです。
でも、時代は幅跳び型ですよね?
高飛び型のジャンプは軸を作りやすくディレイドにもしやすいですが、やはり着氷の衝撃は大きく流れも作りにくいんじゃないのかなと思うのです。
高跳び型のジャンプを見ていると、着氷した後全然後方に流れていかない選手が多々います。
どちらがジャンプとして美しいかというと、やはり後ろにスーッと流れていく幅跳び型ジャンプだと思うので、これも幅跳び型には不利になる文言を外しただけなんだろうなと私は解釈しています。
美しいディレイドジャンプの評価が高いのは変わりません。
その上で、幅跳び型のジャンプが不利になってもまたいけないのです。
そして、美しいのはどちらかというと幅跳び型です。
スピードに乗って大きく幅のあるジャンプを跳べば、そこは評価されるはずなのに「タノでもディレイドでもない」という理由で評価項目が減るのはおかしいのです。
幅跳び型は空中姿勢をとるのが難しいそうです。
でも、着氷の衝撃を流れに変えることが出来るため、見た目にダイナミックで美しく、身体にも優しいと私は思います。
なのでディレイドという文言がなくなってもジャンプの評価は全く変わらないと思います。
高跳び型のジャンプで美しいディレイド回転をしたら、そしてジャンプを着氷した時に後方に美しい流れを作っていたら、そこはちゃんと評価されるのではないでしょうか。
以前の
「予想外の / 独創的な / 難しい入り」
「 明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る」
は、今季から
「ジャンプの前にステップ,予想外または創造的な入り 方」
という風にまとめられたようです。
またあっさりとさせたものです。
そもそも「直ちに跳ぶ」って、どのくらいまでが「直ちに」なの?クロスが一つも入っちゃいけないとか?5m以内とか?
というように「基準がわからない」という の は選手からも聞こえていましたよね?
なので「直ちに」というのはなくした感じでしょうか。
難しい入りというのも抽象的過ぎたのか無くなってしまいました。
それでも、ロシアっ子達は「シャーロットスパイラル」や「ファンスパイラル」から2Aとか、難しいジャンプの入りを次々と見せてくれています。
とはいえ、ジャンプの前後に何もなくても、高くて幅のある美しいジャンプを跳んだ場合に+5をつけられたら、こういった項目は意味がなくなってしまうので、そこはどれほど美しいジャンプを跳んでも難しい跳び方をしていなければ+3までにするというような線引きはするべきだと私は思います。
なんとなく、最近は踏切や着氷が良くなくても、+4くらい普通についていますからね。
ジャンプが低くても+5がつくんじゃ、こういった基準を決めていること自体に意味はないんですから。
SPのソロジャンプからはジャンプの前のステップの項目がなくなりましたし、全体に新しいルールは「難しいことは出来るだけ排除する」方向にあるような気がします。
まあ、ルールというのはトップの数人のために作られているのではなく、その裾野にいる数千数万という競技者全てに当てはまるよう作られるものなので、余り厳しい文言で縛るのもいけないんでしょう。
とはいえ、ルールがゆるくなれば人間は駄目な方に流れていくのが常なので、そこは取り締まるほうに整合性がないといけません。
今回のルールだと、
1)高さおよび距離が非常に良い(ジャンプ・コンボおよびシークェンスでは全ジャンプ)
2)踏切および着氷が良い
3)開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプ・コンボではリズムを含む)
この3つの項目を満足させなければ+4+5はつかないことになっています。
でも、「高さ及び(and)距離」とされてしまうと、高さはあるけど距離がない場合はどうなるのかというところに疑問を感じてしまいますよね。
ダイナミックな幅跳びジャンプでも、高さがなければ評価されないの?と、そういうことはないんですよね?
最近は、低空でも素早く回って回転し切る選手は多くいますし、そういう選手にもクリーンに跳んだら+4くらいはついていますし。
踏み切りが褒められたもんじゃなくても着氷がクリーンなら+4もついていますよね?
そうなるともう、そもそもこの3つの項目の評価自体が曖昧のようにも思うので、ここはやはり「この基準はあくまでガイドラインであり、かならずしも従わなければいけないものではない」ということを理解するしかないのだと思います。
なぜこれに+5?という演技もあれば、こんなに素晴らしい演技に+3しかつかないの?という実例は枚挙にいとまがありません。
私は、ルールを勉強し始めた当初から「ジャッジが全ての難易度を理解しているわけじゃない」と書いてきました。
難しいものより簡単なものを美しくやる方が加点されることがあるからです。
結弦くんのカウンター3Aはその最たるものです。
あれは、どれだけ軽やかにクリーンに跳んでも、最初の頃は0とか+1とかが普通についていましたが、ある時全員が+3という満点をもらってからは、カウンター3Aはクリーンに着氷したら+3が普通につくようになりました。
つまり、ジャッジも他のジャッジがどんな点数をつけるか手探りでやっているということなのだと思うわけです。
だとしたら、新しい点数もまだまだ発展途上です。
今季からスピンの項目も変わり、それに合わせて結弦くんもスピンを変えてきました。
最初はそれに慣れずにノーカンを喰らってしまいましたが、どういう動きや形が高いGOEになるか、選手も色々試すしかないところなのだと思います。
とりあえず、今の私に判ることは
「回転不足になって転倒したらマジシャレにならん!コンボで軸が怪しい時はセカンドは無理して3回転にしないで2回転にした方がいいぞ!セカンドでコケたらシャレにならんぞ!」
ですかね(笑)
というわけで、GOE編はまだまだ勉強中です。
ガイドラインをまたコツコツと読んでいきたいと思います。
以上
これは今季より基準が変わりましたので、過去の基準と照らし合わせ、どういう風に変わっていったのかを見てみたいと思います。
しかし、人の好みは千差万別ですので、PCSと同じくGOEも評価はバラバラで、100%理解は不可能です。
さらに、ジャッジにもまだまだばらつきがあるというか、GOEの数値が大きくなったことでバラツキはより大きくなったというか、そんな風にも見えるので、まあぶっちゃけるとまだまだ勉強は必要です。
なのであくまで今現在理解してきた部分のみを、ざっと書いていきたいと思います。
13-14シーズンのコミュニケーションより、ジャンプの加点項目。
1) 予想外の / 独創的な / 難しい入り
2) 明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る
3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ
4) 高さおよび距離が十分
5) (四肢を)十分に伸ばした着氷姿勢 / 独創的な出方
6) 入りから出までの流れが十分(ジャンプ・コンビネーション/シークェンスを含む)
7) 開始から終了まで無駄な力が全く無い
8) 音楽構造に要素が合っている
で、これは今季のコミュニケーションより加点項目。
1)高さおよび距離が非常に良い(ジャンプ・コンボおよびシークェンスでは全ジャンプ)
2)踏切および着氷が良い
3)開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプ・コンボではリズムを含む)
4)ジャンプの前にステップ,予想外または創造的な入り方
5)踏切から着氷までの身体の姿勢が非常に良い
6)要素が音楽に合っている
以上です。
※GOE+4以上の評価は1)2)3)を満たしていることがベースになります。
これを見る限り、現在の基準は以前の基準を改偏、集約した内容になっているようです。
完全に無くなったのは「空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ」のみでしょうか。
この部分の評価は、他の「身体の姿勢」に含まれると解釈している人もいましたが、タノを「非常に良い姿勢」と捉えるかどうかは意見が分かれるところだと思うので、私的には「タノを評価する項目はなくなっている」という見解でいます。
でも、タノのように空中で姿勢変形するのは難しいのも事実ですので、文言がなくなったからといって評価されないわけではないと思います。
つまり「美しくなくても空中で姿勢変形をしたら評価せざるを得ない」ため、そこを抜いただけなんじゃないかと思うのです。
難しいものを「美しく」やれば、簡単なものを美しくやるより評価は高くなるのが当然です。
でも難しいからといって、美しくなくても評価対象にするのもまたおかしなものだと、そういう感じでしょうか。
なので、タノといえども「やるなら美しく」ということなんだと思います。
とはいえ、加点を少しでも多くもらおうと今季もタノを入れてくる選手は大勢います。
あくまで個人的な見解ですが、私はタノを入れるより着氷を美しく流してしてその後すぐターンステップにつなげたほうがいいように思います。
そのほうが絶対美しいですからね。
腕を曲げての片手タノより両腕を伸ばしたタケノコタノの方が美しいのは誰もが思うところでしょうが、そういった部分を明記してしまうとどんな変な形でも評価せざるを得なくなるので、そこはジャッジの裁量に任せ、文言として明記しないようにしたという感じでしょうか。
「ディレイド回転のジャンプ」がなくなったのは何となく理解できます。
ディレイド回転とは、最頂部に到達してから回り始めるジャンプですが、これは常々、幅跳び型のジャンプでは難しいのではないかと私は思っているからです。
でも、時代は幅跳び型ですよね?
高飛び型のジャンプは軸を作りやすくディレイドにもしやすいですが、やはり着氷の衝撃は大きく流れも作りにくいんじゃないのかなと思うのです。
高跳び型のジャンプを見ていると、着氷した後全然後方に流れていかない選手が多々います。
どちらがジャンプとして美しいかというと、やはり後ろにスーッと流れていく幅跳び型ジャンプだと思うので、これも幅跳び型には不利になる文言を外しただけなんだろうなと私は解釈しています。
美しいディレイドジャンプの評価が高いのは変わりません。
その上で、幅跳び型のジャンプが不利になってもまたいけないのです。
そして、美しいのはどちらかというと幅跳び型です。
スピードに乗って大きく幅のあるジャンプを跳べば、そこは評価されるはずなのに「タノでもディレイドでもない」という理由で評価項目が減るのはおかしいのです。
幅跳び型は空中姿勢をとるのが難しいそうです。
でも、着氷の衝撃を流れに変えることが出来るため、見た目にダイナミックで美しく、身体にも優しいと私は思います。
なのでディレイドという文言がなくなってもジャンプの評価は全く変わらないと思います。
高跳び型のジャンプで美しいディレイド回転をしたら、そしてジャンプを着氷した時に後方に美しい流れを作っていたら、そこはちゃんと評価されるのではないでしょうか。
以前の
「予想外の / 独創的な / 難しい入り」
「 明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る」
は、今季から
「ジャンプの前にステップ,予想外または創造的な入り 方」
という風にまとめられたようです。
またあっさりとさせたものです。
そもそも「直ちに跳ぶ」って、どのくらいまでが「直ちに」なの?クロスが一つも入っちゃいけないとか?5m以内とか?
というように「基準がわからない」という の は選手からも聞こえていましたよね?
なので「直ちに」というのはなくした感じでしょうか。
難しい入りというのも抽象的過ぎたのか無くなってしまいました。
それでも、ロシアっ子達は「シャーロットスパイラル」や「ファンスパイラル」から2Aとか、難しいジャンプの入りを次々と見せてくれています。
とはいえ、ジャンプの前後に何もなくても、高くて幅のある美しいジャンプを跳んだ場合に+5をつけられたら、こういった項目は意味がなくなってしまうので、そこはどれほど美しいジャンプを跳んでも難しい跳び方をしていなければ+3までにするというような線引きはするべきだと私は思います。
なんとなく、最近は踏切や着氷が良くなくても、+4くらい普通についていますからね。
ジャンプが低くても+5がつくんじゃ、こういった基準を決めていること自体に意味はないんですから。
SPのソロジャンプからはジャンプの前のステップの項目がなくなりましたし、全体に新しいルールは「難しいことは出来るだけ排除する」方向にあるような気がします。
まあ、ルールというのはトップの数人のために作られているのではなく、その裾野にいる数千数万という競技者全てに当てはまるよう作られるものなので、余り厳しい文言で縛るのもいけないんでしょう。
とはいえ、ルールがゆるくなれば人間は駄目な方に流れていくのが常なので、そこは取り締まるほうに整合性がないといけません。
今回のルールだと、
1)高さおよび距離が非常に良い(ジャンプ・コンボおよびシークェンスでは全ジャンプ)
2)踏切および着氷が良い
3)開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプ・コンボではリズムを含む)
この3つの項目を満足させなければ+4+5はつかないことになっています。
でも、「高さ及び(and)距離」とされてしまうと、高さはあるけど距離がない場合はどうなるのかというところに疑問を感じてしまいますよね。
ダイナミックな幅跳びジャンプでも、高さがなければ評価されないの?と、そういうことはないんですよね?
最近は、低空でも素早く回って回転し切る選手は多くいますし、そういう選手にもクリーンに跳んだら+4くらいはついていますし。
踏み切りが褒められたもんじゃなくても着氷がクリーンなら+4もついていますよね?
そうなるともう、そもそもこの3つの項目の評価自体が曖昧のようにも思うので、ここはやはり「この基準はあくまでガイドラインであり、かならずしも従わなければいけないものではない」ということを理解するしかないのだと思います。
なぜこれに+5?という演技もあれば、こんなに素晴らしい演技に+3しかつかないの?という実例は枚挙にいとまがありません。
私は、ルールを勉強し始めた当初から「ジャッジが全ての難易度を理解しているわけじゃない」と書いてきました。
難しいものより簡単なものを美しくやる方が加点されることがあるからです。
結弦くんのカウンター3Aはその最たるものです。
あれは、どれだけ軽やかにクリーンに跳んでも、最初の頃は0とか+1とかが普通についていましたが、ある時全員が+3という満点をもらってからは、カウンター3Aはクリーンに着氷したら+3が普通につくようになりました。
つまり、ジャッジも他のジャッジがどんな点数をつけるか手探りでやっているということなのだと思うわけです。
だとしたら、新しい点数もまだまだ発展途上です。
今季からスピンの項目も変わり、それに合わせて結弦くんもスピンを変えてきました。
最初はそれに慣れずにノーカンを喰らってしまいましたが、どういう動きや形が高いGOEになるか、選手も色々試すしかないところなのだと思います。
とりあえず、今の私に判ることは
「回転不足になって転倒したらマジシャレにならん!コンボで軸が怪しい時はセカンドは無理して3回転にしないで2回転にした方がいいぞ!セカンドでコケたらシャレにならんぞ!」
ですかね(笑)
というわけで、GOE編はまだまだ勉強中です。
ガイドラインをまたコツコツと読んでいきたいと思います。
以上