結弦くんが怪我をしてファイナルや全日本が怪しくなってきたことで、またぞろ一部の方々がおかしな理論を振りかざしているようです。

平昌のときもそうでした。
「全日本に出ない選手にオリンピックの出場資格を与えるな!誰がオリンピックの枠を取ってきたと思ってるんだ!」
と、騒いでいましたよね?(笑)

平昌五輪の枠を取ってきたのは結弦くんです(笑)
ヘルシンキワールドで1位になって3枠獲得に一番貢献しています。

そういった方々の理論で行くと、自分で取ってきた枠なのですから誰はばかることなく1枠使うことが出来るはずなんですが「誰がとってきたと思ってるんだ」などと言ってしまうのは、単純に枠取りの仕組みを全く知らないということになります。

「自分で取った枠じゃなければ使うな!」と言うのなら、ジュニアから上がってきた選手は一生世界選手権には出られないことになりますよね?

つまり、そういった方々の発言は全て、ルールや決まりより「自分の感情が正義」だと思っているから意味の分からないものになるのです。


結弦くんを毛嫌いする人達の顕著な特徴として「ものを調べない」「勉強をしない」というものがあります。

自分で調べたりせず、誰かが言った、自分に都合のいい部分を切り取ってそこだけを信じて嫌いな選手を叩くのです。

それはどの選手のファンの中にもいる人達ですが、結弦くんのファンは比較的「どうしてそうなのか」を調べたりルールを勉強する人が多いように思います。
それはきっと、結弦くんがそういう性格だからでしょう。
無知蒙昧なまま悪態を吐き続けているのは、結弦くんのファンとして恥ずかしいと思うからです。



それにしても、一体誰のファンが言い出したことなのかは分かりませんが、なぜこうも「前年に枠を取った人が優先」みたいな感情論がまかり通っているんでしょうね。

そんなことはないんですよ。

というわけで、事実はどうなっているのか、過去の枠取りについての事実を列挙していきたいと思います。

つまり、悪質なファンのいうような「前年の世界選手権で枠取りに参加しなかったのに、翌年の世界選手権に出ているズルイ選手」がどのくらいいるかということです(笑)


※2人以上選手が出ている国は、上位2人の合計順位を足して13以下になれば翌年の世界選手権(五輪)の枠が3枠確保できます。
それを踏まえて、2008年頃からの10年をざっと見ていきたいと思います。(敬称略)




2008年 スウェーデン/ヨーテボリ/2枠
高橋大輔(4位)小塚崇彦(8位)→4+8=12で3枠獲得


2009年 アメリカ/ロスアンゼルス/3枠(バンクーバー五輪の枠取り試合)
小塚崇彦(6位)織田信成(7位)無良崇人(15位)→6+7で3枠獲得
※無良崇人と織田信成に出場資格なし(笑)


2010年 イタリア/トリノ/3枠
高橋大輔(1位)小塚崇彦(10位)織田信成(28位)→1+10で3枠獲得
※高橋大輔に出場資格なし(笑)



2011年 ロシア/モスクワ/3枠
小塚崇彦(2位)高橋大輔(5位)織田信成(6位)→2+5で3枠獲得


2012年 フランス/ニース/3枠
高橋大輔(2位)羽生結弦(3位)小塚崇彦(11位)→2+3で3枠獲得
※羽生結弦に出場資格なし(笑)
*11年の大震災でリンクを失った結弦くんが、その後約60公演のアイスショーに出ることで練習を重ねていたシーズン。何でもないところで結弦くんがこけたのは、当時も足を捻挫していたからということが後になって公表される。

2013年 カナダ/ロンドン/3枠(ソチ五輪の枠取り試合)
羽生結弦(4位)高橋大輔(6位)無良崇人(8位)→4+6で3枠獲得
※無良崇人に出場資格なし(笑)
*年末の全日本で1位になったことから、初めて結弦くんがトップの立場で枠取りに向かった世界選手権。ただし、この年は直前に酷いインフルエンザにかかり、その遅れを取り戻そうと無理な練習をしてまた古傷の足を捻挫してしまう。しかし「全日本で1位を取った以上は枠取りの責任がある」と強行出場。SPは痛み止めのせいで感覚がなくなり9位に沈んだことから、FSは痛み止めを飲まずに4位まで浮上。結果日本人最高位となり五輪枠を獲得。


2014年 日本/埼玉/3枠
羽生結弦(1位)町田樹(2位)小塚崇彦(6位)→1+2で3枠獲得
※町田樹と小塚崇彦に出場資格なし(笑)


*ソチ金メダルのイベント多数で疲労がたまり腰痛を発症し、結弦くんは14年の初戦のフィンランディア杯を欠場。その後出た中国杯の6練でハンヤンと激突。その時に腹部に与えられた衝撃が影響したものとみられる尿膜管遺残症をファイナル頃から発症。腹痛に耐えながら全日本に出たが、フリーの翌日に入院手術。


2015年 中国/上海/3枠
羽生結弦(2位)小塚崇彦(12位)無良崇人(16位)→2+12で2枠に減
※無良崇人に出場資格なし(笑)
*手術明けの練習で、構成を戻そうとして捻挫。練習時間が足りない状況で2位になる。しかし、何故か一部のアンチには枠を減らした戦犯扱いをされる。


2016年 アメリカ/ボストン/2枠
羽生結弦(2位)宇野昌磨(7位)→2+7で3枠獲得
※宇野昌磨に出場資格なし(笑)
*14年のファイナル頃から、右足甲に痛みを感じるようになる。診断の結果リスフラン靭帯損傷と判明するが、年明け以降に痛みは酷くなりボストンワールド後は2位。その後のアイスショーも全休となる。


2017年 フィンランド/ヘルシンキ/3枠(平昌五輪の枠取り試合)
羽生結弦(1位)宇野昌磨(2位)田中刑事(19位)→1+2で3枠獲得
※田中刑事に出場資格なし(笑)

※2017年のNHK杯で、転倒し右足靭帯を痛める。
それ以降は周知の通り。


まあ、ざっと書いてみましたが、2012年に世界選手権に初めて出て以降、結弦くんは常に日本人最上位の成績を残し、枠取りに貢献しています。
そして、赤文字で示した通り、枠を取った人間がその枠を使うのだとしたら、どの選手も世界選手権やオリンピックには出られないということになります。

つまり、それはただ感情に任せた「言いがかり」であり、「意見」でも何でもないのです。

全日本を欠場した際の選考基準については、去年オリンピックの選考で書いた通りです。

◆今年のオリンピック優勝(しかも2連覇)
◆シーズンベストスコア保持
◆先シーズン半分ほどの試合を棄権したにもかかわらず、世界ランキングは日本人で2位
◆GPS2連勝してファイナル進出決定

以上の成績から、選考基準は完全に満たしています。

放映権料がどうの、集客力がこうのといった話もそれなりにあるでしょうが、世界選手権の選考に関しては問題はありません。

もちろん、結弦くんを出さないで他の選手に経験を積ませるという考えもあって不思議ではありませんが、それで果たして3枠取れるかどうかは不透明です。

これはもう、選考基準がどうのこうのの話ではないんですよ。
羽生結弦に出る気があるかどうか、出られる状況かどうかという問題なんです。


本当にね、こんな、調べればすぐに分かることを調べもせずにSNSに上げるなんて恥ずかしくないのかなあと私なんかは思うわけですよ。

ツイッターはブログなんかよりはるかに拡散スピードが速いわけで、そんな場所に、まるで2ch(現5ch)に書くような気分で軽い気持ちで適当なことをさも正しいことのように書くんですからね。

そういう人はまともじゃないんだなというのは、良識ある人間にはすぐわかると思いますが、世の中にはそういうのを信じてしまう初心者の方もいるわけです。
なので私は、今までもコツコツとこういったことを否定してきたのです。


結弦くんが松葉杖をついて会見に現れたことについても
「歩けなかったら演技なんてできるわけがない。あれは芝居だ」
なんて言っている人がいたようですが、歩ける状態でも松葉杖をつくことはありますよ。

松葉杖は歩けないから使うだけじゃないんです。

それ以上足に負担をかけないためにも使うんです。

痛くたって歩こうと思えば歩けますよ。
ただ、痛みを我慢しながら足を使っている間はなかなか炎症が引かず、痛みが引くのが遅くなります。
すこしでも早く治そうと思ったら、足に体重をかけちゃいけないわけですから、試合が終わった以上、足を労わるのは当然のことなのです。

歩いているかどうかで怪我の程度は計れません。
痛みに強い人もいるし、弱い人もいます。
結弦くんは、試合が終わってから重症だと分かることが多いので、痛みには強い方だと思います。

痛みの感じ方も人それぞれですから、それを「仮病」だなんて言ったら、全ての選手の怪我が「仮病」の範疇に入ってしまいますよ。



実際、結弦くんは体が弱いです。

あの細い身体を見ればわかると思いますが、子供の頃から喘息を持っているという時点で、若干の肉体的ハンデは負っています。
それを、自己管理と摂生によりコントロールをしている状態です。

一番の問題は、結弦くんが痛みに強いということだと私は思っています。

痛みに強いから、転倒を恐れず次々と新しいジャンプをものにし、そして怪我をするのです。
決して頑強な肉体を持っているわけではないのに、無茶をして子供の頃からいつも怪我をしているのです。

右足首はもう、シニアに上がってきた時からいつも爆弾を抱えていたようなものでしたよね?

でも、それでも結弦くんは跳びたいのです。

だとしたら、ファンはもうそれを見守るだけです。



嘘や悪態を吐くだけのツイは触らないに限ります。
でも、正しいことは伝えなくちゃいけませんし、結弦くんを悪者にしようとするのであれば見て見ぬ振りをするつもりもありません。


ツイッターというのは、自分の馬鹿を簡単にさらすツールであるということで、一時「バカッター」と言われていたこともありますが、ツイッターは匿名ではないことを知らずに好き勝手なことをつぶやいている人も後を絶ちません。

私はツイッターアカウントを持っていませんが、パソコンからでもスマホからでも読むことはできます。
アカウントを持っていない人間はブロックもできません(笑)

そして、一人ヤバイ人を見付けると、その下に同じようなヤバイ人たちが連なっているので、おかしな人たちは芋づる式に見つけることが出来ます。


多くの人は勘違いをしていますが、ツイッターは「公開された場」であり、そこでの自分の発言には責任も生じます。
全く赤の他人から攻撃されることも当然あるのですが、間違いを指摘してもらったにもかかわらず、逆切れして怒りを振りまいている人もいます。
公開している以上、間違いを指摘されたのならそこは「有難うございます」と言うべきですし、ただのイチャモンならスルーすべきです。

主義主張が違ったとしても、自分が間違っている場合は修正すべきですが、悪質化する人の多くは「自分は、自分の感情によって正しい」と、決して人の意見を聞こうとはしません。

人間は感情の生き物です。

自分が悪いと分かっていても、感情が押さえられず怒りをぶつけるだけの人もいます。

そんな人たちが何故結弦くんに悪態をつくか理解できますか?
それは、結弦くんは優しいから、自分を攻撃することはないとタカをくくっているからです。

つまり、結弦くんに甘えているのです。


感情的になった人たちに正論を問うても焼け石に水ですが、少なくても結弦くんのファンになった方々には声を大にして言いたいです。

悪質の言うことを真に受けず、事実はどうだったのかを自分で探し、自分で解釈してくださいと。


感情論の行く先は、人としての坂道を転がり落ちていくだけです。
私は、たとえ大変でも、少しづつ坂道を登っていく人間になりたいと、そう思います。



以上