ちょっと時間が経ってしまいましたが、オータムクラシックを見て私が感じたことを、いつもに増して勝手な妄想でつらつらと書いていきたいと思います。
あくまで私の推測と思い込みによる見解なので、その旨ご了承ください。
【ジレンマとの戦い】
オータムクラシックを終えて私が感じたことは、結弦くんにとってあの試合は、ジレンマとの戦いだったんじゃないのかな?ということでした。
いえ、結弦くんだけではなく、ジャッジにとってもジレンマとの戦いだったように見えました(笑)
右膝の違和感は、無理をして悪化させたらオリンピックにまで影響しますので、ここはループを外し難度を下げ、体調を優先させたのは正しい判断です。
ここで無茶をしてオリンピックにまで響いたら、それこそハリセンものです。
ここは棄権しても何の問題もない、調整試合なんですから。
でも、自分の為にメディアもカメラもファンも、大勢やってきているのを知っていれば、棄権はしたくないのが羽生結弦という人間です。
大勢のファンや馴染みのメディア関係者の前で、「いいとこ見せたい」と張り切ってしまうのが羽生結弦というお坊っちゃまなのです(笑)
普通に考えたら、調整試合なんですから難度を落として無難な演技をしても全く問題はないシチュエーションです。
なので結弦くんも、今は無理をする時ではないと、頭ではそれを理解していたと思います。
忸怩たるものはあるでしょうが、ここはぐっと我慢が必要でした。
で、SPは右膝に負担の大きいループを外しました。
ここまでは良かったんだと思います。
心の底では納得できなくても理性は納得していました。
「そんなの羽生結弦じゃない!いつだって全力を出したいんだ!」と言う中2の結弦くんを「ここで無茶して怪我を悪化させて、肝心なオリンピックに響いたらどうすんだよ!」と大人の結弦くんが諭したわけです。
今一番大事なのは、オリンピックまで怪我をしないことなんですから。
そして、SPはノーミスです。
最初、姉の目を盗みながらライストで見た時は、若干いつもより慎重に見えたのですが、SPは完璧でした。
4Sの着氷がほんの少し深く沈んだくらいで、以前のバラ1とは身体の使い方も大きく変わり、アイスショーで滑り込んだ成果を見る事ができる、素晴らしい出来でした。
プロトコルにはヤケクソのように+3が並んでいます(笑)
私が恐れていたプロトコルです。
これだけ+3が並ぶと、ジャッジは満点を恐れるようになるはずだからです。
だって、満点とは「それ以上の演技はない」ということと同義語なんですから。
今満点を出すということは、この後に結弦くんが同じようにノーミスの演技をしたら、確実に満点であるということに他ならないのですから。
それはマズイです。
ただのシーズンベストやパーソナルベストじゃないんです。
フィギュアにおける、ひとつの時代の転換点になる歴史的なスコアになるのです。
そんなスコアは、オリンピックなどでこそ許されるものであり、こんなB大会で出していいものではないんです。
私は、ヘルシンキワールドの「Hope&Legacy」を「やっと50%の出来だと思う」と書いて、皆さんから反論を頂きました(笑)
でも、今回の「バラ1」を見れば、それが間違いではないと理解して頂けると思います。
だって、身体の使い方やジャンプの工夫をみても、最初にノーミスした時とは既に別物になっているんですから。
もうこれ以上ないと誰もが思ったバルセロナファイナルの「バラ1」を、ここまで軽々と超えてしまうのですから。
結弦くんの演技が、どんどん曲に同化していくのが分かりますよね?
曲をBGMにして演技をしているのではなく、その曲の1音1音をスケートで描いて見せているんです。
それは、3シーズン目だからこそ出せる深みだと思います。
ヘルシンキワールドの「Hope&Legacy」だって、あれが最終形態だと思いますか?
あの「Hope&Legacy」は、何とかノーミスをしたレベルであり、まだまだ上体を動かし感情を乗せることが出来るプログラムだと私は思っているのです。
ノーミスのその先にこそ、目指す理想があるのですから。
しかし今、「バラ1」はその至高のレベルに到達しようとしています。
満点という、スケーターがその存在を想像すらしたことがない、幻のような点数がこのプログラムなら出せると思えるレベルに到達しているのです。
エレメンツが多いフリーより、はるかに「満点」に近いのがショートなのです。
これは、ジャッジは悩ましいでしょう。
「もうこれ以上はない」と観念して+3をつけるべきか、いやいや、それはまだ早い、ここが限界ではないはずだ、と考えるか。
そのジレンマが、あの4T+3Tに+2をつけた2人のジャッジに現れているような気がするのです。
あのジャンプは、3つのジャンプのうち、難易度といい美しさといい、最も+3に相応しいジャンプだったと私は思います。
後半に4-3を入れたのは初めてということですが、フリーではすでに後半に入れていますからそこは問題じゃありません。
凄いのは、2nd3Tにタノを付けたことです。
今まで2Tには入れていましたが、2nd3Tにタノを付けたのは結弦くんの意地です。
「ぅおりゃあぁぁぁ~~~!+3つけろ~~~!」と、心の中で叫びながら跳んでいるのです(笑)
スケーターなら、コントロールの難しい4回転をコンボにし、しかも、少しの着氷の乱れで流れを失う2ndジャンプにタノをつけることの難しさが分かると思います。
しかも、評判の悪い片手タノではなく、美しい王道の両手タノです。
美しさも難易度も、3つのジャンプの中では最高です。
さらに後半です。
+3いつつけるの!今でしょ!(古い)
でも、先の2つのジャンプに既に+3をつけてしまっているので、あれにまで+3をつけてしまうことの怖さに、2人のジャッジは躊躇ってしまったのじゃないでしょうか。
全部のジャンプに+3なんて、「あれ?そんなの今まであった?」って感じですよね?
そりゃちょっと躊躇うでしょ(笑)
これはジャッジのジレンマです。
どんなジャッジだって素晴らしい演技を見たら+3をつけたいし10点もつけたいんですよ。
でも、まだシーズンは始まったばかりなんです。
こんな早い時期に10点つけたって、これからもっと良い演技をするに決まっているじゃないですか。
そんなジャッジのこんな悲鳴が聞こえてくるような気がしました。
(でも、あれに+2を付けたジャッジ!もう一生コンボに+3はつけるなよ!←ドS)
事実、結弦くんにとっては「最高」かつ「快心」の演技ではなかったようです。
だって、本人比で難易度を下げてるんですから(笑)
自分のマックスじゃないんですから。
完全にドヤりながらも、「うん、うん、ま、こんなもんか」という、チョー生意気そうな顔をして(笑)腕を広げながら「ほら、ここまで出来ましたよ」と考えていたと言っていましたから、まだまだ結弦くん基準では更に上があるってことなんですよね。
これは怖いです。
しかし!
困ったことに、この完璧な演技で結弦くんは色々考えてしまうことになりました。
「4Sでもいいんじゃないかと思ってしまった自分が悔しい」
とか言っていましたよね?
それはつまり、足が痛いんだから難易度を下げるのは仕方ないと頭では分かっていても、心は納得していなかったということなんですよ。
ショートで自己ベストを出したことで、きっとまた「フリーもいい演技をしたい」と思ってしまったでしょうし、「いやいや、難易度を落とすんだからスコアは求めるな」という理性との葛藤もあったんじゃないかと思います。
フリー冒頭の4Loを、単に3Loではなく3Lzにしていたのは、4Loを抜きつつ、いずれ4Lzを入れる為の練習をしようとしていたんでしょうね(笑)
結弦くんらしい「転んでもタダでは起きない」合理的な考え方です(笑)
リスフランの時だって、4Tが跳べなきゃ4Loを跳べばいいじゃん的に、全く怪我にひるむことなく、むしろループを習得するチャンスに変えていった人ですからね。
今回だって「4Loが跳べなきゃ4Lzを跳べばいいじゃん」と考えたっておかしくはありません。
まあ、初っ端から4Lzは無理だとしても、3Lzを跳びつつ軌道やタイミングを計るつもりでいたのは事実でしょう。
ただ、誤算があったとすれば、フリー冒頭のジャンプに3回転を跳ぶなんてジュニアの頃以来で、頭で分かっていてもスピードとタイミングが合わなかったんだろうなぁということですかね。
ところが、冒頭ジャンプを失敗したことで、また結弦くんの悪い癖が出たわけです。
つまり、どこかに予想外の4回転を入れて、失った点を取り戻そうとしたんでしょうね。
で、中2の結弦くんは「よし!2つめのジャンプを4Loにしよう!そうすりゃスコアを取り戻せる!」と一瞬考えるのですが、大人の結弦くんが「バカ!そんなことをして膝を悪化させたら、何のためにショートでループを外したんだよ!」と引き止めるわけです(笑)
結弦くんは、根っから少年ジャンプ君ですから、見てる人に「凄い~~~!」「さすが羽生結弦!」と言ってもらいたいんですね。
でも、無理はできないし無理をするような大会でもない。
そのうち、集中できなくなってグチャグチャになったんでしょうね。
そもそも、痛めているのは右膝なんですよ。
踏切りだけじゃなく、着氷でも衝撃はかかる足なんですよ。
なので、膝を労わろうと思ったら4回転を抜くしかないんですよね。
そのために構成を下げたのに、ショートの新記録更新で「フリーでいい点数を出せば総合も更新できるかも」なんて、一瞬でも考えてしまったのかもしれませんし、労わらなきゃいけない膝との間で、色々と考えすぎてしまったのかもしれないですね。
よ~し!いっぺんナイアガラの滝に打たれて精神統一してこよう!
ま、やっちまったもんは「もう、しょうがねぇ」です(笑)
途中、頭がグチャグチャになったことで、ステップや繋ぎも若干抜けてしまっているところがあるような気がしますが、問題はジャンプだけです。
しかし、本来ならオリンピック前のもうこの辺りでは、スケーターとして仕上げに入っていなきゃいけない頃なんですよ。
オーサーの成功の哲学としては、あとはもう完成度を上げるだけの頃のはずなんですよ。
今の構成でも、完璧に決めたら絶対誰にも負けないんですから。
それを、今この時期になっても新しいジャンプを模索し、構成を上げようとする(笑)
「チャレンジしない自分は自分じゃない」
というようなことを言っていましたが、そうじゃないのよ結弦くん。
今回はね、逃げたんじゃないの。
怪我を回避するために無理をしないようにしただけなの。
分かっているようでまだちょっとお口がとんがっているような(笑)そんなやんちゃな暴れ馬をコントロールしなくちゃいけないクリケットの皆さんには、本当に頭が下がります。
【衣装、その他】
で、衣装ですが、カツ丼食べながらスマホの画面で見た時は、衣装は全く同じに見えました(笑)
まあ、ショートは間に合わなかったとのことですが、フリーは遠目にはほぼ一緒ですよね?
腕のあたりの模様は、まだ途中のようにも見えましたが、どこかにもう少し刺し色が欲しいですね。
あ、ハビのショートの衣装は、全くチャップリンっぽくなくて、ちょっとどうかな~?という感じでした。
でも、フリーは、いかにも中世っぽくて似合うと思います。
フリーの「ラマンチャの男」は、ハビっぽくてとってもいいですよね?
これを完璧に決められたら、また強敵になりそうですよ。
そして、驚いたのがキーガン・メッシング。
オータム前に、何気に好きな選手と書いたら、何と表彰台に乗ってしまいました。
いやあ、技術的にはまだまだの選手ですが、あの思いっきりのいいジャンプが見ていて気持ちいいんですよ。
とはいえ、カナダのオリンピック枠は2枠。
パトリックが1枠は確実でしょうし、ケヴィンを抜けるかと言ったら難しいでしょうから、オリンピックに出るのは無理かなぁというところですが、頑張って欲しいですね。
まだ書きたいこともいっぱいあるような気もしますが、まとまらないので、今日は取り敢えず以上で。
後日また色々なことをグダグダ書いていくと思います。
あくまで私の推測と思い込みによる見解なので、その旨ご了承ください。
【ジレンマとの戦い】
オータムクラシックを終えて私が感じたことは、結弦くんにとってあの試合は、ジレンマとの戦いだったんじゃないのかな?ということでした。
いえ、結弦くんだけではなく、ジャッジにとってもジレンマとの戦いだったように見えました(笑)
右膝の違和感は、無理をして悪化させたらオリンピックにまで影響しますので、ここはループを外し難度を下げ、体調を優先させたのは正しい判断です。
ここで無茶をしてオリンピックにまで響いたら、それこそハリセンものです。
ここは棄権しても何の問題もない、調整試合なんですから。
でも、自分の為にメディアもカメラもファンも、大勢やってきているのを知っていれば、棄権はしたくないのが羽生結弦という人間です。
大勢のファンや馴染みのメディア関係者の前で、「いいとこ見せたい」と張り切ってしまうのが羽生結弦というお坊っちゃまなのです(笑)
普通に考えたら、調整試合なんですから難度を落として無難な演技をしても全く問題はないシチュエーションです。
なので結弦くんも、今は無理をする時ではないと、頭ではそれを理解していたと思います。
忸怩たるものはあるでしょうが、ここはぐっと我慢が必要でした。
で、SPは右膝に負担の大きいループを外しました。
ここまでは良かったんだと思います。
心の底では納得できなくても理性は納得していました。
「そんなの羽生結弦じゃない!いつだって全力を出したいんだ!」と言う中2の結弦くんを「ここで無茶して怪我を悪化させて、肝心なオリンピックに響いたらどうすんだよ!」と大人の結弦くんが諭したわけです。
今一番大事なのは、オリンピックまで怪我をしないことなんですから。
そして、SPはノーミスです。
最初、姉の目を盗みながらライストで見た時は、若干いつもより慎重に見えたのですが、SPは完璧でした。
4Sの着氷がほんの少し深く沈んだくらいで、以前のバラ1とは身体の使い方も大きく変わり、アイスショーで滑り込んだ成果を見る事ができる、素晴らしい出来でした。
プロトコルにはヤケクソのように+3が並んでいます(笑)
私が恐れていたプロトコルです。
これだけ+3が並ぶと、ジャッジは満点を恐れるようになるはずだからです。
だって、満点とは「それ以上の演技はない」ということと同義語なんですから。
今満点を出すということは、この後に結弦くんが同じようにノーミスの演技をしたら、確実に満点であるということに他ならないのですから。
それはマズイです。
ただのシーズンベストやパーソナルベストじゃないんです。
フィギュアにおける、ひとつの時代の転換点になる歴史的なスコアになるのです。
そんなスコアは、オリンピックなどでこそ許されるものであり、こんなB大会で出していいものではないんです。
私は、ヘルシンキワールドの「Hope&Legacy」を「やっと50%の出来だと思う」と書いて、皆さんから反論を頂きました(笑)
でも、今回の「バラ1」を見れば、それが間違いではないと理解して頂けると思います。
だって、身体の使い方やジャンプの工夫をみても、最初にノーミスした時とは既に別物になっているんですから。
もうこれ以上ないと誰もが思ったバルセロナファイナルの「バラ1」を、ここまで軽々と超えてしまうのですから。
結弦くんの演技が、どんどん曲に同化していくのが分かりますよね?
曲をBGMにして演技をしているのではなく、その曲の1音1音をスケートで描いて見せているんです。
それは、3シーズン目だからこそ出せる深みだと思います。
ヘルシンキワールドの「Hope&Legacy」だって、あれが最終形態だと思いますか?
あの「Hope&Legacy」は、何とかノーミスをしたレベルであり、まだまだ上体を動かし感情を乗せることが出来るプログラムだと私は思っているのです。
ノーミスのその先にこそ、目指す理想があるのですから。
しかし今、「バラ1」はその至高のレベルに到達しようとしています。
満点という、スケーターがその存在を想像すらしたことがない、幻のような点数がこのプログラムなら出せると思えるレベルに到達しているのです。
エレメンツが多いフリーより、はるかに「満点」に近いのがショートなのです。
これは、ジャッジは悩ましいでしょう。
「もうこれ以上はない」と観念して+3をつけるべきか、いやいや、それはまだ早い、ここが限界ではないはずだ、と考えるか。
そのジレンマが、あの4T+3Tに+2をつけた2人のジャッジに現れているような気がするのです。
あのジャンプは、3つのジャンプのうち、難易度といい美しさといい、最も+3に相応しいジャンプだったと私は思います。
後半に4-3を入れたのは初めてということですが、フリーではすでに後半に入れていますからそこは問題じゃありません。
凄いのは、2nd3Tにタノを付けたことです。
今まで2Tには入れていましたが、2nd3Tにタノを付けたのは結弦くんの意地です。
「ぅおりゃあぁぁぁ~~~!+3つけろ~~~!」と、心の中で叫びながら跳んでいるのです(笑)
スケーターなら、コントロールの難しい4回転をコンボにし、しかも、少しの着氷の乱れで流れを失う2ndジャンプにタノをつけることの難しさが分かると思います。
しかも、評判の悪い片手タノではなく、美しい王道の両手タノです。
美しさも難易度も、3つのジャンプの中では最高です。
さらに後半です。
+3いつつけるの!今でしょ!(古い)
でも、先の2つのジャンプに既に+3をつけてしまっているので、あれにまで+3をつけてしまうことの怖さに、2人のジャッジは躊躇ってしまったのじゃないでしょうか。
全部のジャンプに+3なんて、「あれ?そんなの今まであった?」って感じですよね?
そりゃちょっと躊躇うでしょ(笑)
これはジャッジのジレンマです。
どんなジャッジだって素晴らしい演技を見たら+3をつけたいし10点もつけたいんですよ。
でも、まだシーズンは始まったばかりなんです。
こんな早い時期に10点つけたって、これからもっと良い演技をするに決まっているじゃないですか。
そんなジャッジのこんな悲鳴が聞こえてくるような気がしました。
(でも、あれに+2を付けたジャッジ!もう一生コンボに+3はつけるなよ!←ドS)
事実、結弦くんにとっては「最高」かつ「快心」の演技ではなかったようです。
だって、本人比で難易度を下げてるんですから(笑)
自分のマックスじゃないんですから。
完全にドヤりながらも、「うん、うん、ま、こんなもんか」という、チョー生意気そうな顔をして(笑)腕を広げながら「ほら、ここまで出来ましたよ」と考えていたと言っていましたから、まだまだ結弦くん基準では更に上があるってことなんですよね。
これは怖いです。
しかし!
困ったことに、この完璧な演技で結弦くんは色々考えてしまうことになりました。
「4Sでもいいんじゃないかと思ってしまった自分が悔しい」
とか言っていましたよね?
それはつまり、足が痛いんだから難易度を下げるのは仕方ないと頭では分かっていても、心は納得していなかったということなんですよ。
ショートで自己ベストを出したことで、きっとまた「フリーもいい演技をしたい」と思ってしまったでしょうし、「いやいや、難易度を落とすんだからスコアは求めるな」という理性との葛藤もあったんじゃないかと思います。
フリー冒頭の4Loを、単に3Loではなく3Lzにしていたのは、4Loを抜きつつ、いずれ4Lzを入れる為の練習をしようとしていたんでしょうね(笑)
結弦くんらしい「転んでもタダでは起きない」合理的な考え方です(笑)
リスフランの時だって、4Tが跳べなきゃ4Loを跳べばいいじゃん的に、全く怪我にひるむことなく、むしろループを習得するチャンスに変えていった人ですからね。
今回だって「4Loが跳べなきゃ4Lzを跳べばいいじゃん」と考えたっておかしくはありません。
まあ、初っ端から4Lzは無理だとしても、3Lzを跳びつつ軌道やタイミングを計るつもりでいたのは事実でしょう。
ただ、誤算があったとすれば、フリー冒頭のジャンプに3回転を跳ぶなんてジュニアの頃以来で、頭で分かっていてもスピードとタイミングが合わなかったんだろうなぁということですかね。
ところが、冒頭ジャンプを失敗したことで、また結弦くんの悪い癖が出たわけです。
つまり、どこかに予想外の4回転を入れて、失った点を取り戻そうとしたんでしょうね。
で、中2の結弦くんは「よし!2つめのジャンプを4Loにしよう!そうすりゃスコアを取り戻せる!」と一瞬考えるのですが、大人の結弦くんが「バカ!そんなことをして膝を悪化させたら、何のためにショートでループを外したんだよ!」と引き止めるわけです(笑)
結弦くんは、根っから少年ジャンプ君ですから、見てる人に「凄い~~~!」「さすが羽生結弦!」と言ってもらいたいんですね。
でも、無理はできないし無理をするような大会でもない。
そのうち、集中できなくなってグチャグチャになったんでしょうね。
そもそも、痛めているのは右膝なんですよ。
踏切りだけじゃなく、着氷でも衝撃はかかる足なんですよ。
なので、膝を労わろうと思ったら4回転を抜くしかないんですよね。
そのために構成を下げたのに、ショートの新記録更新で「フリーでいい点数を出せば総合も更新できるかも」なんて、一瞬でも考えてしまったのかもしれませんし、労わらなきゃいけない膝との間で、色々と考えすぎてしまったのかもしれないですね。
よ~し!いっぺんナイアガラの滝に打たれて精神統一してこよう!
ま、やっちまったもんは「もう、しょうがねぇ」です(笑)
途中、頭がグチャグチャになったことで、ステップや繋ぎも若干抜けてしまっているところがあるような気がしますが、問題はジャンプだけです。
しかし、本来ならオリンピック前のもうこの辺りでは、スケーターとして仕上げに入っていなきゃいけない頃なんですよ。
オーサーの成功の哲学としては、あとはもう完成度を上げるだけの頃のはずなんですよ。
今の構成でも、完璧に決めたら絶対誰にも負けないんですから。
それを、今この時期になっても新しいジャンプを模索し、構成を上げようとする(笑)
「チャレンジしない自分は自分じゃない」
というようなことを言っていましたが、そうじゃないのよ結弦くん。
今回はね、逃げたんじゃないの。
怪我を回避するために無理をしないようにしただけなの。
分かっているようでまだちょっとお口がとんがっているような(笑)そんなやんちゃな暴れ馬をコントロールしなくちゃいけないクリケットの皆さんには、本当に頭が下がります。
【衣装、その他】
で、衣装ですが、カツ丼食べながらスマホの画面で見た時は、衣装は全く同じに見えました(笑)
まあ、ショートは間に合わなかったとのことですが、フリーは遠目にはほぼ一緒ですよね?
腕のあたりの模様は、まだ途中のようにも見えましたが、どこかにもう少し刺し色が欲しいですね。
あ、ハビのショートの衣装は、全くチャップリンっぽくなくて、ちょっとどうかな~?という感じでした。
でも、フリーは、いかにも中世っぽくて似合うと思います。
フリーの「ラマンチャの男」は、ハビっぽくてとってもいいですよね?
これを完璧に決められたら、また強敵になりそうですよ。
そして、驚いたのがキーガン・メッシング。
オータム前に、何気に好きな選手と書いたら、何と表彰台に乗ってしまいました。
いやあ、技術的にはまだまだの選手ですが、あの思いっきりのいいジャンプが見ていて気持ちいいんですよ。
とはいえ、カナダのオリンピック枠は2枠。
パトリックが1枠は確実でしょうし、ケヴィンを抜けるかと言ったら難しいでしょうから、オリンピックに出るのは無理かなぁというところですが、頑張って欲しいですね。
まだ書きたいこともいっぱいあるような気もしますが、まとまらないので、今日は取り敢えず以上で。
後日また色々なことをグダグダ書いていくと思います。