先日、Jスポで録画していたユーロで、解説の方がとても丁寧で優しい解説をしていました。


スピンのところもきちんと説明してくれていたので、ジャッジ資格を持っている人だと思うけど、誰だろう。

カンさまかしら?
冒頭すっ飛ばしたから分からないわ(笑)

そう思っていたら、なんと、「KENJIの部屋」でキャッキャと釣りをしていた中庭のケンちゃんじゃないですか。

さらに、男子は岡崎真さんです。



いやあ、やっぱりジャッジ資格を持っている方の解説は一味違いますよね?
男子フリーの時は、岡崎さんが指摘した箇所を何度も繰り返し見たりするのでなかなか進まないったら(笑)

大変勉強になりました。


こういった解説は、多少でもルールを勉強するととても面白いし、全選手滑走はスポーツ中継として見応えもあるんですが、これを地上波でやれるかといったらやっぱり難しいと思うんですよ。

特にフィギュアファンでもない「やってれば見る」程度の視聴者は、3時間もテレビの前に座っていてくれないですよね?

知らない選手ならなおのことです。


以前、オータムの時だったか、公式ライストの視聴者数に驚いたことがあるんですよ。

意外と少なくて(笑)


世界中の人が見てるはずなのに、1万人いかないの?って感じだったんですよね。


勿論、別の国のライストを見ている人もいるのでしょうけど、公式のライストでこの数字ってことは、思っているよりコアなスケートファンは少ないんだなという印象だったんです。


ビデオリサーチによると、地上波テレビ1%の視聴者数は、個人で40万6千人、世帯で18万4千世帯くらいだそうです。(関東地域の場合)

ってことは、真央ちゃんの時だけ5%くらい上がるってことは、200万人くらいの人が真央ちゃんのところしか見ていないってことなんです。

これが現実です。
私達の意見が多数派と言えないのは、こういう部分で見えるんですよ。

なのでまあ、BSやCSでしか全滑走の放送がないのは仕方ないんですけど、せめてBSの放送の時も、このレベルの解説をして欲しいなと思いますね。




とは言え、地上波の解説が余計なことを言わなくなったのにもそれなりの理由はあるみたいなんですよね。

古いスケオタさんの過去ログによると、荒川さんなんかも、かつてはもう少し詳しく話そうとしていたらしいんですが、詳しく話すとクレームが来るんだそうです。

うるさいとか、わかりにくいとか。


私も、2年くらい前、Jスポの解説に文句を言ってるツイートを見たことがあるんですが、その内容というのが
「どこが足りなかったとか何がダメだったとか、そんなことを言う解説者は意地悪だ」
という趣旨のものだったんですね。

つまり、自分の好きな選手に対しての、ミスの指摘や厳しい意見は許しません!ってことなんですよ。



それを目にした時は
「だから、何故負けたのか分からないんじゃん」
と呆れたものです。

そういった「◯◯選手は唯一無二!」というような価値観で、選手を守っているつもりのファンが、どこがダメだったか指摘する解説に突撃していく姿は容易に想像できて、何となく暗い気持ちになったものでした。


中庭氏も岡崎氏も、全てのスケーターに対し「大丈夫だといいですね」というような、暖かい視点で見ていて、私は大変好感を持ったんですよ。

なのでファンにも、例えミスを指摘されても、そこは伸び代だと思って受け止めるくらいの度量があって欲しいですよね?


他にも、八木沼さんに「ツーフット」だの「GOE」だの、難しい言葉を使うな!と言っていた人もいて、世の中はこのレベルなんだよな、と思ったこともありましたよ。


そういう人に
「フリーレッグが曲がっている」
とか
「フリーフットが氷をこすった」
はどうやって説明すればいいんでしょうね?(笑)

フリーレッグは「足首より上の足」?(笑)

テレビではこんなことも言っちゃいけないんでしょうかね?

とにかく、詳しく説明すると「長すぎる」「何を言ってるか分からない」と言われ、回転不足などを指摘すれば「意地が悪い」「私には足りているようにしか見えない」と言われ…。

そのうち解説がジャンプの名前しか言わなくなるのも分かるなという感じでした。



それに、解説が現行のルールについていけてない、というのも問題です。

ノブですら、最初の頃のルール解説は怪しいてころがありましたよね?
2年ですっかり立派になりましたけど、佐野さんあたりはルールについていけてない気がします。


ルールより感覚重視だった選手も解説には向かないですよね?

大ちゃん真央ちゃんは解説者にはなれないと思います(笑)

ルールはそれほどまでに複雑で、すぐ変わりますから苦笑

(まっちーは別の意味で解説者には向かないですね キャー 何を言ってるか分からないもの 号泣

天才的才能でトップにいた選手より、その選手達に何とか勝とうとしていた選手の方が解説向きだと私は思うのですが、テレビ的には知名度のあるメダリストを解説者に据えたいんでしょうね。


でも、もう6点採点の時代じゃないんですから、スピンのレベルやステップのレベルなども説明すべきなんじゃないかと思うんですよ。

この選手はナゼ高い点数が出るのか。
コケた方が勝ったのはなぜか。

ルールなんて知らないお茶の間視聴者にも「フィギュアはスポーツなんだぜ!」と、理解できる解説をして欲しいと思います。


是非!これからは地上波でも中庭氏や岡崎氏のようなジャッジ資格を持った方を採用して欲しいですね。

トウループとサルコウの跳び分けが出来ていないとか、ステップでループがつぶれているとか、「ホントだ!」と感心したところがいっぱいありましたよ。

それをうるさいと捉える方は、会場音で見てもらえればいいんですから。
※因みに、うちのテレビは副音声の機能が何故かありませんきゃはっあせ




最初から、ダメなものはダメ、マズイものはマズイと言えれば「陰謀論」がこれ程はびこることもなかったと思いますが、人気選手にネガティヴな事を言ってはいけない風潮もあったとは思うんですよ。

スポンサーが冠ショーを主催している状況ではなおのこと、ですよね?

でも、これからはそういう時代じゃないと思うので、それはこれから詳しい説明をしていく流れを作っていけばいいのだと思います。
今、男子女子共にトップにいる2人は、そんなことで揺らぐような選手ではないと思いますので。



フジテレビに関して言えば、下手をすると誰よりも西岡アナや鈴木アナなどの実況アナの方が、解説よりフィギュアに詳しいかもしれないですよね?

そんな彼らですから、本当は私達と同じ、フィギュアをもっとスポーツらしい放送にしたいと思っているんじゃないかな?と感じる時もあります。

でも、視聴率を握っているのは1万2万のスケートファンではなく、20%の視聴率の向こう側にいる、812万の一般人なんですよ。

これをどうにかしなければ何も変わらないというジレンマは、きっと彼らにもあるんじゃないのかな?と思いますね。


ただ、「西岡君ちょっと甘いよ」と思う時もあるんですよ。
フィギュアスケートLifeに載っていた西岡アナのインタビューは、本当にフィギュアを愛してくれているんだなと、ちょっとホッコリするインタビューだったんですけどね、ちょっと同意できない部分もあったんです。

選手は1人1人、みんな努力をしていて、でも試合で上手くいかない時もあって。

「だから、本人が傷付くような実況はない、と考えています」
「あれだけの空間で精いっぱいやって失敗したことに対して、きついことは僕には言えない。ただ、起きていることは確実に伝えなきゃいけないので、『こんな選手じゃない』というのを暗に匂わせたり」

って言っていたんですね。

西岡アナは本当にいい人なんですよ。

でも私は思うんです。

ダメだったところはどこがダメだったのか、第三者の目としてキチンと伝えるのも、その場にいる人間の務めなんじゃないかな?と。

努力してきた子供たちが、転倒や回転不足やステップアウトなどで1年の努力を棒に振ってしまうことはありますよね。
見ていて痛々しくなる時はありますよ。

ミスをしたというだけで選手は傷付いているんですから、それ以上「この選手のミスはこれだけ引かれます」とか言うのも可哀想なのも分かる。
でも、それでもその選手のためにも、言わなきゃいけないこともあるんですよ。

甲子園で、9回裏に満塁ホームランを打たれたピッチャーは、一生それを背負って生きていかなくちゃいけないんですよ。
決勝で、最後のフライを落球して逆転負けなんかしたら、その選手は一生それを言われるんですよ。

どのスポーツも、ミスをして負けたらそれは言われるわけです。団体競技ならなおさらです。

フィギュアって、そういう部分が甘ちゃんなんですよ。


努力なんてみんなしてます。

そんな中、どこがダメだったかはキチンと伝えるべきなんです。次は直さなきゃダメなんです。

非難しろと言っているんじゃないんですよ。

彼らもアスリートなんですから、必要以上に守ってやることはないということなんです。
ファンや関係者が「守ってあげよう」と思った時に、その関係はおかしくなるんですよ。




フィギュアのファンになって感じる違和感のひとつに、周りの過剰な優しさがあります。

選手は、コーチにガツガツ怒られ、負ける悔しさや現実の厳しさなどを十分経験して育ってきているはずです。
だから、どこが悪くて負けたのかを言われても、それでメソメソすることはないはずです。

でも、実況や解説は失敗を口にせず、少しでも否定的なコメントをした人にはファンが総攻撃をします。

攻撃が怖くて口をつぐむのか、優しさから口をつぐむのかはわかりませんが、この状況は歪ですよね?


実は、岡崎さんは以前、結弦くんの演技に対し
「手抜きがジャッジに見透かされていた」と発言して、羽生ファンの攻撃を受けていました。

もう記事が残っていないのでリンクは貼れませんが、15年のワールドで負けた時のコメントでした。

確かに、言葉のチョイスは悪かったかもしれませんが、あの年は中国杯の事故以降、カナダに帰れずプログラムのブラッシュアップも出来なかったので、プログラム自体がの密度という意味では確かに十分ではなかったと思います。

手術と捻挫もあって、つなぎも増やせなかったでしょうし、骨組みだけのプログラムとシェイリーンにも言われていました。

そういったことがPCSが伸びなかった理由だろう、的な内容だったと思うのですが、それにファンが嚙みついていました。

結弦くんはいろいろ大変だったのだから、なぜ「よく頑張ったね」と言えないのか、という論調なのですが、「頑張ったこと」は評価しちゃいけないんですよ。

スポーツは結果が全てですし、努力して得られるのは自分の満足だけで、結果ではないんですから。

岡崎さんのコメントは、ジャッジの目から見た冷静なもので、私はそういう意見もあっていいと思うんです。

結弦くんだって、きっと言われたことに対しては納得できている部分もあると思います。


それをファンが結弦くんの代弁者であるかのように「酷い」「記事を取り下げろ」「謝れ」とやるのは、逆に結弦くんの名誉を傷つけることですよね?

結弦くんを守るために昌磨くんを非難したりする人もいますが、昌磨くんが自分のファンにネットで叩かれているのを知って、結弦くんが「よし!もっと言ってくれ!」なんて言うと思いますか?

もし結弦くんがエゴサしてそのコメントを読んだらどれだけ傷付くだろうと、私はその方が辛いですよ。


彼らはアスリートですし、直すところは直さなきゃダメなんですから、あんまり腫れ物に触るようにしなくていいんですよ。
悪意で名誉を傷つけようとする人が現れたら、その時はツッコミを入れればいいんです。



最近、ノブが結構「回転が足りていませんね。これだと2回転の点数しかもらえません」とか「今のはノーバリューですね」とか、言っていますよね?

これでいいんだと思うんです。

回転不足や跳び過ぎなど、どのくらい点数が下がるものなのか、ルールを知らない視聴者にも知ってもらわないといけないんですから。


少しずつでもいいですから、地上波でもジャッジ資格を持った方に解説して欲しいですよね?
それでどれだけの人が、フィギュアの面白さに気付いてくれるだろうかと、ブログの片隅で私は叫びたいと思います。

以上