震災の後、何度かボラ以外でも、福島などに観光に行っていた私達ですが、一番気になっていた地域にはその後一度も行けていませんでした。
それは、南三陸の歌津地区です。
歌津は、車で行くには遠かったのです。
なので今回は、観光にはあまり時間をかけず、まず歌津に行くということを目標にしました。
それ以外のメインイベントは、亘理でのイチゴ狩り以外は決めていません。
友人の「アイスリンク仙台でスケートをする」というプランは丁重に、かつしっかりと却下させて頂きました(笑)
転倒して尾底骨骨折の挙げ句、会社を1週間休む、という自分の姿が容易に想像できたからです。
O型はいつもナメたプランを立てるので、それをコントロールするのはA型の仕事です。
O型の「大丈夫だよ」を許して大丈夫じゃなかったことは1度や2度や3度や4度じゃないのです!
というわけで、遠出をする今回は、私の家まで迎えに来ないで、南浦和の駅前で友人の車を待ちました。
「事故車のフィットちゃん」に乗ろうとすると、車のドアがかなり凹んでいます。
「あれ?このドア、こんなに凹んでいたっけ?前より酷くなった?」
「変わってないよ~(笑)つか、shinさん前も同じこと言った~」
そう。毎回少し驚いてしまうくらい、ドアは凹んでいるのです(笑)
「さて、高速の入口はどこかな~?」
「え?高速の入口に近いから南浦和にしたんじゃないの?」
「う~ん、多分あっちかな~」
「…って、住宅地に入ってきたよ!高速はどこ?つーか、ここ行き止まりじゃね~?言っとくけど、私、南浦和は知らないからね~!」
相変わらずのテキトーぶりで、のっけから躓きます。
なんとか高速に乗って走っていたら、どうやら私のブログを読んだらしい妹からメールがきました。
「あなた今、福島?」
やかましい!
ボラは再来週じゃ!
それはそれ、これはこれなんじゃあ!
途中のSAで朝食を取り、そのまま亘理に向かいます。
実を言うと、私が初めてボランティアに参加した場所が亘理でして、その時の仕事が苺農家のお手伝いだったのです。
あの時は、ほとんどのハウスが流されてしまって、残った僅かなハウスの苺から、来年のための苗を作ったのです。
亘理の苺は、基本的には出荷がメインでイチゴ狩りをやっているところはほとんどありません。
そんな中、2軒ほど、小さなハウスでイチゴ狩りをやっていたので行ってみることにしたわけです。
だがしか~し!
問題が発生致しました!
車のナビちゃんが古すぎて、新しい道がわからないのです!(笑)
「ナビちゃんが、そこで高速終わりって言ってるけど…」
「じゃあ、あっちに伸びる道はなんだ?」
「いいや、行っちゃえ~!」
「お、なんか私達、今、空飛んでるみたいだよ(笑)」
とにかく、新しく繋がった道や新しくできた道、今造っている道や工事中で通行止めになっている道などが結構あって、ナビが信用できません(笑)
最新版のガイドブックの地図は、何故か施設の住所が書いてありません。
しかも地図の字が小さくて、ババァには読めません(笑)
「え~と、この吉田中(よしたなか)ってとこの近くに…」
「それ…よしだちゅうじゃね?」
文字は見えても読めてません(笑)
なんとかハウスに到着しましたが、とにかく大変小さなハウスです。
しかも、最近珍しい露地植えです。
「うわ~、しゃがむと腰にくる~(笑)」
明らかにババァ向けのイチゴ狩りではありません(笑)
だがしかし!
「え?ナニ、ちょっと!ここ練乳使いたい放題?やったぁ!ラッキー!」
なんと!ハウスの入口に、ドレッシングのボトルのような練乳のボトルが置いてあるんですよ!
練乳好きにはたまりません!(笑)
「ダメだよ~shinさん~。最初から練乳つけちゃ!最初はまずそのまま食べなくちゃ!」
「いいや、私は最初から練乳だね!…あ、もう無くなった。練乳おかわりっ!」
もちろん、完熟イチゴの甘くて美味しいこと!
しかも1つ1つがデカイ!
「なんか、このイチゴ、普通のより大きくない?」
「大きいよね?でも、柔らかいし甘いし、すごく美味しい!」
そうなんです。
すごく美味しいんです。
でも、小さめのミカンくらいに大きいため、3つくらい食べただけでお腹がいっぱいになってきました。
ヤバイです。
こんなんじゃ1500円の入園料の元が取れません!
「ほら、だから言ったでしょ?イチゴ狩りの前にお昼を食べたら後悔するって!」
「でも、イチゴはご飯じゃないんだよぅ…」
以前、福島で朝食を食べてすぐイチゴ狩りに行って後悔したので、今回はセーブしたのです。私は学習する人間です。
「この胃袋のどこにご飯を食べる余裕があって?このイチゴがお昼だと思って食べるのよ!」
「ええ~?イチゴがお昼なんてヤダ~!」
しかし美味い!
このイチゴは何て種類だろう。
大粒イチゴといえば、昔は『とよのか』が好きでしたが、『とよのか』の味じゃありません。
最近の品種では『あまおう』もありますが、『あまおう』よりは味がしっかりしています。
ただ大粒なので、5個から先はオノレとの戦いになります(笑)
いや~満腹満腹。
帰りしな、お家の方に品種を伺ってみると
「ああ、うちのは『もういっこ』です」
え?これが『もういっこ』?
『もういっこ』といったら復興イチゴじゃん!
亘理町と山本町は、震災前はイチゴの一大産地だったのですが、震災の後、ほとんどのハウスが流されてしまったんですね。
塩害で、今までのような露地栽培もできなくなったため、農家を支える資金集めに売り出された新品種が「もういっこ」です。
そっか、あれが「もういっこ」だったのか…。
市場には出回らないから知らなかったな。
でも、「もういっこ」は1個で十分、5個で満腹だな(笑)
あ、食べるのに必死で写真撮ってません(笑)
というわけで、今回の旅のメインイベントは20分で終わってしまいました(笑)
次に向かうのは、友人が見たいと言っていた仙台空港です。
私も、仙台空港の惨状はビデオで何度も見ました。
米軍が随分と力を貸してくれた場所です。
そこに、大友克洋氏の壁画だかなんだかがある!と言うのです。
「壁画だかなんだかって何?空港のどこにあるの?」
「うーん…壁画ってゆーか何てゆーかがどっかにあるのよ。3階だったかな~?」
驚いちゃいけません。
これがO型のいつもの情報収集パターンです。
いつもこういった情報で動くのです!
「あ、ベガッ太くんだ!」
ベガッ太のセクハラ映像のおかげ(?)で、私はすっかりベガッ太くんのファンになっています(笑)
3階に来てウロウロしてみましたが、それらしいものは全くありません。
仕方ないので案内のお姉さんに聞くと
「それでしたら1階にございます」
おいっ!
どっから3階が出てきたんじゃあ!
というわけで、1階に行くと…。
ありました!
ありましたが、中国人らしき人達が、なんか旗を広げてその前でガッツリ記念撮影をしています(笑)
これがその「壁画だかなんだか」です(笑)
大友克洋氏が描いた原画を元に、陶器で創った半立体の作品です。
復興支援事業として、宝くじの売り上げで作られているようです。
とりあえず見た!
さあ、次行くぞ!
と思ったら…。
「3階のお店にパンケーキがあったのよ!お茶しない?」
っておい!まだ食べる気か?
「shinさんは食べないの?」
「食べないよ!つか、今夜の宿はグルメコースで予約したんだよ!絶対美味しい食事が、食べきれないほど出るんだよ?なのに、こんなところでパンケーキなんか食べたら本末転倒じゃん!」
「まあまあ、パンケーキは食べなくちゃ(笑)」
というわけで、ちょっとだけまったりしてから行こうとすると、空港の中に結弦くん発見!
どうやら、去年やった展示の痕跡のようです。
きっと去年はもっといろいろ展示していたんでしょうねぇ。
駐車場に向かうと、こんなものがありました。
真ん中あたりの青いシールのところまで津波が来たという目印です。
あんなところまで来たんじゃ、車も飛行機も流されるってもんですよね。
さて、とっとと最終目的地の歌津に向かいます。
歌津はまだまだ遠いのです。
そんな時、ふっとある考えが頭をよぎりました。
「あれ?もしかしたら、今ゆづ仙台にいるんじゃない?」
いたかもしれませんね(笑)
でもきっと、結弦くんの活動時間は夜でしょうし、ババァは夜は早寝です(笑)
ニアミスはあり得ません
仙台を出ると、今度は有料道路になります。
ナビちゃんがどこまで信用できるかわかりませんが、方向さえ間違わなければ行けるはずです。
「なんか、テキトーにやってきたけど順調じゃん?」
すると友人が言いました。
「あっ!高速乗る前にガソリン入れようと思って忘れてたっ!?」
「なぁにぃ~っ!?」
「有料道路にもガソリンスタンドあるかな?」
「ちょっと待てえぇ!あと何リットルあるんだ?つかこの車の燃費はリッター何キロだ?歌津まであと何キロあるんだ?」
いくら燃費のいいフィットちゃんとはいえ、いつもの福島ではないのです。
ちょっとガソリンの予測が立ちません。
「あと10リットルは切った。燃費は……16キロくらい?歌津までは200キロくらいあるのかな?」
「…適当な出口で下りて」
「ちょっと待ってちょっと待って、もう少し燃費いいかも。20キロくらいあったかも!案外歌津まで行けるかも~!」
「そんなバクチは打てねーよ!いいからちょっと街が見えたら下りて~!」
いやあ有料道路って、サービスエリアもないんですね。
ひとつ勉強しましたよ。
石巻で下りてガソリンを給油して、そのまま国道で歌津に向かいます。
しばらく行くと
「あ、この道、ボラの時通った!」
「え?ホント?」
「うん、津波はこのへんの川を遡ってきたんだろうかって話をしてたじゃない」
今や、近くも遠くも見えなくなって、助手席の重しとなってる私ですが、かつてはスーパーナビだったのです。(あくまで自称)
通ったことのある道は結構覚えています。
「ほら、防災庁舎があった!」
11年の10月、私達は確かにここを通りました。
まだ全然片付いてなくて、雨の中、ポツンと佇む建物に涙したのです。
2011年10月の防災庁舎の姿です。
「よし、道は合ってる。1本道だから、このまままっすぐ行けば宿に着くんじゃない?」
と思った私達は大甘でした。
「…通行止め……って、どゆこと?」
「え?ここ通れなかったらどうやって行くの?」
あちこちで工事が行われているため、被災地はトラップだらけです(笑)
それでなくても信用できないナビが、さらにアテになりません(笑)
結局、岬の先端にある宿まで、反対側からぐるっと回って行くことになりました。
クネクネと曲がった細い道を走っていくのですが、車が一台も通りません。
「その宿、私達以外に泊まり客いないんじゃない?」
「有り得るね。GWじゃないし、歌津は観光するところじゃないもんね」
そんなことを言いながら宿に着くと、なんと!
宿には沢山のお客さんが泊まっておりました!
しかも!
「あっ!ここ、私達がボラで来た時、お風呂に来たところだ!」
「うそっ!あ、ホントだ!この中、見覚えある!」
なんとそこは、雨の日のボランティアで冷えた体を温めるため、お風呂を借りたところだったのでした!
ボラバスっていつも、乗ってれば連れてきてもらえるので、そこがなんていう場所か覚えていないんです。
いやあ、偶然と言えばいいのか、そもそも歌津にはここしかないのか(笑)
宿の名前はニュー泊岬荘。お風呂と食事が売りの宿です。
着いて少しまったりしてから、今回の旅のメインイベント2!(笑)
グルメコースのお食事です!
その日のグルメコースは私達だけしかいなかったのか、二人だけの個室で夕食です。
ちょっと、なんか恥ずかしい感じ(笑)
でも、すご~い!美味しそー!
これに更に、汁物と茶碗蒸しと煮魚が出てきました!
ナマモノが苦手だった友人も、歳をとって五感が衰えてきたのか(笑)刺身も食べられるようになりました~!
お釜で炊いたおこわだけで3杯くらいあるっつーのに、さらにおかずもテンコ盛りです。
いつもの夕食の3倍くらい食べました(笑)
さて、岩風呂入ってまったりして、翌朝また3杯もご飯を食べて激しく後悔しつつ、8時半くらいには宿を出ました。
つづく
それは、南三陸の歌津地区です。
歌津は、車で行くには遠かったのです。
なので今回は、観光にはあまり時間をかけず、まず歌津に行くということを目標にしました。
それ以外のメインイベントは、亘理でのイチゴ狩り以外は決めていません。
友人の「アイスリンク仙台でスケートをする」というプランは丁重に、かつしっかりと却下させて頂きました(笑)
転倒して尾底骨骨折の挙げ句、会社を1週間休む、という自分の姿が容易に想像できたからです。
O型はいつもナメたプランを立てるので、それをコントロールするのはA型の仕事です。
O型の「大丈夫だよ」を許して大丈夫じゃなかったことは1度や2度や3度や4度じゃないのです!
というわけで、遠出をする今回は、私の家まで迎えに来ないで、南浦和の駅前で友人の車を待ちました。
「事故車のフィットちゃん」に乗ろうとすると、車のドアがかなり凹んでいます。
「あれ?このドア、こんなに凹んでいたっけ?前より酷くなった?」
「変わってないよ~(笑)つか、shinさん前も同じこと言った~」
そう。毎回少し驚いてしまうくらい、ドアは凹んでいるのです(笑)
「さて、高速の入口はどこかな~?」
「え?高速の入口に近いから南浦和にしたんじゃないの?」
「う~ん、多分あっちかな~」
「…って、住宅地に入ってきたよ!高速はどこ?つーか、ここ行き止まりじゃね~?言っとくけど、私、南浦和は知らないからね~!」
相変わらずのテキトーぶりで、のっけから躓きます。
なんとか高速に乗って走っていたら、どうやら私のブログを読んだらしい妹からメールがきました。
「あなた今、福島?」
やかましい!
ボラは再来週じゃ!
それはそれ、これはこれなんじゃあ!
途中のSAで朝食を取り、そのまま亘理に向かいます。
実を言うと、私が初めてボランティアに参加した場所が亘理でして、その時の仕事が苺農家のお手伝いだったのです。
あの時は、ほとんどのハウスが流されてしまって、残った僅かなハウスの苺から、来年のための苗を作ったのです。
亘理の苺は、基本的には出荷がメインでイチゴ狩りをやっているところはほとんどありません。
そんな中、2軒ほど、小さなハウスでイチゴ狩りをやっていたので行ってみることにしたわけです。
だがしか~し!
問題が発生致しました!
車のナビちゃんが古すぎて、新しい道がわからないのです!(笑)
「ナビちゃんが、そこで高速終わりって言ってるけど…」
「じゃあ、あっちに伸びる道はなんだ?」
「いいや、行っちゃえ~!」
「お、なんか私達、今、空飛んでるみたいだよ(笑)」
とにかく、新しく繋がった道や新しくできた道、今造っている道や工事中で通行止めになっている道などが結構あって、ナビが信用できません(笑)
最新版のガイドブックの地図は、何故か施設の住所が書いてありません。
しかも地図の字が小さくて、ババァには読めません(笑)
「え~と、この吉田中(よしたなか)ってとこの近くに…」
「それ…よしだちゅうじゃね?」
文字は見えても読めてません(笑)
なんとかハウスに到着しましたが、とにかく大変小さなハウスです。
しかも、最近珍しい露地植えです。
「うわ~、しゃがむと腰にくる~(笑)」
明らかにババァ向けのイチゴ狩りではありません(笑)
だがしかし!
「え?ナニ、ちょっと!ここ練乳使いたい放題?やったぁ!ラッキー!」
なんと!ハウスの入口に、ドレッシングのボトルのような練乳のボトルが置いてあるんですよ!
練乳好きにはたまりません!(笑)
「ダメだよ~shinさん~。最初から練乳つけちゃ!最初はまずそのまま食べなくちゃ!」
「いいや、私は最初から練乳だね!…あ、もう無くなった。練乳おかわりっ!」
もちろん、完熟イチゴの甘くて美味しいこと!
しかも1つ1つがデカイ!
「なんか、このイチゴ、普通のより大きくない?」
「大きいよね?でも、柔らかいし甘いし、すごく美味しい!」
そうなんです。
すごく美味しいんです。
でも、小さめのミカンくらいに大きいため、3つくらい食べただけでお腹がいっぱいになってきました。
ヤバイです。
こんなんじゃ1500円の入園料の元が取れません!
「ほら、だから言ったでしょ?イチゴ狩りの前にお昼を食べたら後悔するって!」
「でも、イチゴはご飯じゃないんだよぅ…」
以前、福島で朝食を食べてすぐイチゴ狩りに行って後悔したので、今回はセーブしたのです。私は学習する人間です。
「この胃袋のどこにご飯を食べる余裕があって?このイチゴがお昼だと思って食べるのよ!」
「ええ~?イチゴがお昼なんてヤダ~!」
しかし美味い!
このイチゴは何て種類だろう。
大粒イチゴといえば、昔は『とよのか』が好きでしたが、『とよのか』の味じゃありません。
最近の品種では『あまおう』もありますが、『あまおう』よりは味がしっかりしています。
ただ大粒なので、5個から先はオノレとの戦いになります(笑)
いや~満腹満腹。
帰りしな、お家の方に品種を伺ってみると
「ああ、うちのは『もういっこ』です」
え?これが『もういっこ』?
『もういっこ』といったら復興イチゴじゃん!
亘理町と山本町は、震災前はイチゴの一大産地だったのですが、震災の後、ほとんどのハウスが流されてしまったんですね。
塩害で、今までのような露地栽培もできなくなったため、農家を支える資金集めに売り出された新品種が「もういっこ」です。
そっか、あれが「もういっこ」だったのか…。
市場には出回らないから知らなかったな。
でも、「もういっこ」は1個で十分、5個で満腹だな(笑)
あ、食べるのに必死で写真撮ってません(笑)
というわけで、今回の旅のメインイベントは20分で終わってしまいました(笑)
次に向かうのは、友人が見たいと言っていた仙台空港です。
私も、仙台空港の惨状はビデオで何度も見ました。
米軍が随分と力を貸してくれた場所です。
そこに、大友克洋氏の壁画だかなんだかがある!と言うのです。
「壁画だかなんだかって何?空港のどこにあるの?」
「うーん…壁画ってゆーか何てゆーかがどっかにあるのよ。3階だったかな~?」
驚いちゃいけません。
これがO型のいつもの情報収集パターンです。
いつもこういった情報で動くのです!
「あ、ベガッ太くんだ!」
ベガッ太のセクハラ映像のおかげ(?)で、私はすっかりベガッ太くんのファンになっています(笑)
3階に来てウロウロしてみましたが、それらしいものは全くありません。
仕方ないので案内のお姉さんに聞くと
「それでしたら1階にございます」
おいっ!
どっから3階が出てきたんじゃあ!
というわけで、1階に行くと…。
ありました!
ありましたが、中国人らしき人達が、なんか旗を広げてその前でガッツリ記念撮影をしています(笑)
これがその「壁画だかなんだか」です(笑)
大友克洋氏が描いた原画を元に、陶器で創った半立体の作品です。
復興支援事業として、宝くじの売り上げで作られているようです。
とりあえず見た!
さあ、次行くぞ!
と思ったら…。
「3階のお店にパンケーキがあったのよ!お茶しない?」
っておい!まだ食べる気か?
「shinさんは食べないの?」
「食べないよ!つか、今夜の宿はグルメコースで予約したんだよ!絶対美味しい食事が、食べきれないほど出るんだよ?なのに、こんなところでパンケーキなんか食べたら本末転倒じゃん!」
「まあまあ、パンケーキは食べなくちゃ(笑)」
というわけで、ちょっとだけまったりしてから行こうとすると、空港の中に結弦くん発見!
どうやら、去年やった展示の痕跡のようです。
きっと去年はもっといろいろ展示していたんでしょうねぇ。
駐車場に向かうと、こんなものがありました。
真ん中あたりの青いシールのところまで津波が来たという目印です。
あんなところまで来たんじゃ、車も飛行機も流されるってもんですよね。
さて、とっとと最終目的地の歌津に向かいます。
歌津はまだまだ遠いのです。
そんな時、ふっとある考えが頭をよぎりました。
「あれ?もしかしたら、今ゆづ仙台にいるんじゃない?」
いたかもしれませんね(笑)
でもきっと、結弦くんの活動時間は夜でしょうし、ババァは夜は早寝です(笑)
ニアミスはあり得ません
仙台を出ると、今度は有料道路になります。
ナビちゃんがどこまで信用できるかわかりませんが、方向さえ間違わなければ行けるはずです。
「なんか、テキトーにやってきたけど順調じゃん?」
すると友人が言いました。
「あっ!高速乗る前にガソリン入れようと思って忘れてたっ!?」
「なぁにぃ~っ!?」
「有料道路にもガソリンスタンドあるかな?」
「ちょっと待てえぇ!あと何リットルあるんだ?つかこの車の燃費はリッター何キロだ?歌津まであと何キロあるんだ?」
いくら燃費のいいフィットちゃんとはいえ、いつもの福島ではないのです。
ちょっとガソリンの予測が立ちません。
「あと10リットルは切った。燃費は……16キロくらい?歌津までは200キロくらいあるのかな?」
「…適当な出口で下りて」
「ちょっと待ってちょっと待って、もう少し燃費いいかも。20キロくらいあったかも!案外歌津まで行けるかも~!」
「そんなバクチは打てねーよ!いいからちょっと街が見えたら下りて~!」
いやあ有料道路って、サービスエリアもないんですね。
ひとつ勉強しましたよ。
石巻で下りてガソリンを給油して、そのまま国道で歌津に向かいます。
しばらく行くと
「あ、この道、ボラの時通った!」
「え?ホント?」
「うん、津波はこのへんの川を遡ってきたんだろうかって話をしてたじゃない」
今や、近くも遠くも見えなくなって、助手席の重しとなってる私ですが、かつてはスーパーナビだったのです。(あくまで自称)
通ったことのある道は結構覚えています。
「ほら、防災庁舎があった!」
11年の10月、私達は確かにここを通りました。
まだ全然片付いてなくて、雨の中、ポツンと佇む建物に涙したのです。
2011年10月の防災庁舎の姿です。
「よし、道は合ってる。1本道だから、このまままっすぐ行けば宿に着くんじゃない?」
と思った私達は大甘でした。
「…通行止め……って、どゆこと?」
「え?ここ通れなかったらどうやって行くの?」
あちこちで工事が行われているため、被災地はトラップだらけです(笑)
それでなくても信用できないナビが、さらにアテになりません(笑)
結局、岬の先端にある宿まで、反対側からぐるっと回って行くことになりました。
クネクネと曲がった細い道を走っていくのですが、車が一台も通りません。
「その宿、私達以外に泊まり客いないんじゃない?」
「有り得るね。GWじゃないし、歌津は観光するところじゃないもんね」
そんなことを言いながら宿に着くと、なんと!
宿には沢山のお客さんが泊まっておりました!
しかも!
「あっ!ここ、私達がボラで来た時、お風呂に来たところだ!」
「うそっ!あ、ホントだ!この中、見覚えある!」
なんとそこは、雨の日のボランティアで冷えた体を温めるため、お風呂を借りたところだったのでした!
ボラバスっていつも、乗ってれば連れてきてもらえるので、そこがなんていう場所か覚えていないんです。
いやあ、偶然と言えばいいのか、そもそも歌津にはここしかないのか(笑)
宿の名前はニュー泊岬荘。お風呂と食事が売りの宿です。
着いて少しまったりしてから、今回の旅のメインイベント2!(笑)
グルメコースのお食事です!
その日のグルメコースは私達だけしかいなかったのか、二人だけの個室で夕食です。
ちょっと、なんか恥ずかしい感じ(笑)
でも、すご~い!美味しそー!
これに更に、汁物と茶碗蒸しと煮魚が出てきました!
ナマモノが苦手だった友人も、歳をとって五感が衰えてきたのか(笑)刺身も食べられるようになりました~!
お釜で炊いたおこわだけで3杯くらいあるっつーのに、さらにおかずもテンコ盛りです。
いつもの夕食の3倍くらい食べました(笑)
さて、岩風呂入ってまったりして、翌朝また3杯もご飯を食べて激しく後悔しつつ、8時半くらいには宿を出ました。
つづく