は、子供の頃から、筋金入りの不眠症でした。


まだ小さい頃、眠れないといって親を起こしに行ったことは、一度や二度ではありません。
小学校の林間学校の時、ズラリと並んで寝ている子供の中で、私一人が寝付けずにいて、それに気が付いた担任の先生が、私が寝るまで足をさすってくれたものでした。

(今なら子供の身体に触っただけで訴えられるかもしれませんが…笑)


そんな筋金入りの不眠症が大人になったからといって治るはずはありません。


大体、布団に入って眠りにつくまで30分から1時間はかかるので、本を読むか何かを書きながら眠気が来るのを待つのが日常でした。(面白い本だと逆効果になりますが…)


しかも、たとえ眠りについたとしても、夜中に起きることもたびたび(というかほぼ毎日)で、起きてしまえばまた30分くらいは寝られないのです。


朝は時計を止めて何度でも寝られるし、寝ようと思えば昼寝だって出来るのに、夜は何故こんなに寝付くまで時間がかかるのか!


人間というのは不思議な生き物です。


まあ、普通の人は、眠れないというだけで不安になるのだそうですが、子供の頃から寝付きの悪かった私は、それで不安になるということはありませんでした。


横になっていればいつかは眠れますし、たとえ眠れなくても、目を閉じて横になっているだけで、十分に体は休まるのです。


なので、睡眠導入剤なるものを必要と感じたことはありません。

むしろ、薬がないと眠れないというのは依存症の第一歩だと考えられますし、それがないと眠れないという状況は、私にとってはかえってストレスに繋がるように感じました。


自然に眠るのが1番。

眠れなくても死ぬわけじゃないし、眠れないと焦れば焦るほど、眠れなくなるのは経験でわかっています。

要はリラックスできればいいんです。



しかし、1年ほど前、ふと
「寝付きが悪いのは、脳が活発に活動しているからだよな。考えるのを止めることができれば、少しは眠りにつきやすくなるんじゃないのかな…」
なんてことを考えました。


多分、考えるのを止めるために「羊を数える」という方法を考えた人がいるんだろうなと思うんですけど、羊を数えても眠れないのは長い人生経験済みです。


数を数えるというのは、脳の動きを止めるという点においては有効だと思うけど、「羊」に効果はありませんでした。
3000くらい数えても眠れず、数えるのをやめたことが何度もあるし、そもそも羊を数えて寝られたことは一度もないんです!


脳の活動を止めるためには単調なことを考えるのがいいのは確かだけど、でもあまり単調だと他のことを考え始めるから単調過ぎず…。


そんなことを考えて自分なりの方法を作り上げたのですが、ぶっちゃけ、この方法を編み出してからは、「眠いのに寝られない」ということはなくなりました。

眠くなったら確実に眠れます。

眠くなくても寝られました。
夜中に起きてしまっても、とりあえず、同じ手順ですぐ寝られるようになりました。

やり方は簡単です。
自分の、呼吸と一緒に数を数えるだけです。


まず、自分にとって最もリラックスする姿勢で寝ます。
(私の場合、基本は横向きです)


あまり深く呼吸をすると過呼吸になるので、通常の呼吸をほんの少しだけゆっくりとするのですが、その際に
い~(息を吸いながら)ち~(息を吐きながら)
に~(息を吸いながら)い~(息を吐きながら)

さ~(息を吸いながら)ん~(息を吐きながら)

という感じに、数字と呼吸を合わせるのです。
同じように


じゅ~(吸う)いち~(吐く)

にじゅ~(吸う)に~(吐く)


という感じで、ゆっくり数を数えます。

この際、「い~」で吐いて「ち~」で吸ってもオッケーです。
自分のやりやすい方で大丈夫。

私自身、途中から入れ違ったことが何度もありましたが、問題はありませんでした。


で、100に到達したらまた1に戻ります。
3桁になると呼吸と合わなくなりますし、そもそも大きな数字を数えると脳が働いてしまいます。


途中で数がわからなくなったり、ついつい他のことを考えてしまった場合でも、焦らず1に戻ります。
意識が散りやすい人は、目をつぶりながら、鼻の辺りにでも意識をおけばやりやすいと思います。


勿論、腹が立って寝られないとか、原因がハッキリしている場合は怒りを鎮めてからじゃないと意味がありません。

そもそも、腹が立っている時には、冷静に数を数えることは無理でしょうからね。


また、冬場などで足が冷たくて寝られないとか、物理的に眠れない理由がハッキリしている場合は、温めてからじゃないと難しいと思います。
自分の経験では、足が冷たくても、何もしないよりは早く眠れましたが、それでもやはり、足が冷たいのはそれだけで、不眠症じゃない人でも寝付きが悪い原因になるので…。

以前、不眠症を改善というキーワードで検索をかけたことがありますが、精神科のお医者さんのサイトや、寝付きを改善するノウハウを有料で教える(あるいは本を売っている)サイトがとっても多くて、結構驚いたものでした。


また、ある人が「主婦ばかり数人で旅に出た時、半数以上が睡眠導入剤を持ってきていた」と話していたのを聞いて、世の中、ここまできていたのかと愕然としました。


「不眠症じゃ死なない」

と、寝られなくても楽天的に構えていた私ですが、世の中には、たかだか寝付きが悪いというだけで、お医者さんにかかり、薬をもらう人がいるというわけです。

寝付きが悪いなら、早くから布団に入ればいいんです。それだけで十分休みは取れます。
寝られないからといって、起きて何かをするのが1番いけません。

先日も、「2週間寝られなければ鬱のサイン」的なことがネットのニュースに載っていましたが、逆に考えれば、「寝られていれば心の病気になりにくい」ということも言えます。

とりあえず、私は結構寝られるようになりました。

「最近寝付きが悪いの」
という人は、ダメもとで試してみて下さい。


慣れるのにちょっと時間がかかるかもしれませんが、慣れてしまえばこんな簡単な方法はありません。
病院に行く手間も、時間も不要です。
何より1円もかかりません!

ひとつだけ弊害があるとすれば…。

寝過ぎで頭が痛くなるくらいです。

あと、臨床試験は私一人のデータによるものしかないので、他の人にも通用するか、確認できていません!(って、そこ大事なんじゃない?笑)



まだまだ、寝苦しい程の暑さではないこの時期。
ぜひ、気持ち良くぐっすりとお休みください!