2年くらい前、電車の中で見た光景です。
目の前で、チンピラのような若者に、注意をしている人がいました。
「他の人の迷惑になるのが判らないの?」
「うるせっつーんだよ!余計なお世話だバカヤロー!」
「何なのよ!その態度は!」
「うっせー!ぶっ殺すぞ」
チンピラを恐れず注意をするとは、今時珍しい勇気の持ち主です。
そのうち、周囲の視線が気になったのでしょうか。悪態をつきながらチンピラは電車を出て行きました。
しかし、残された方はまだ忿懣やる方ない感じで
「んもぅ!何なのかしら最近の若者は!」
と、ぷりぷりしています。
でも、あんな恐そうなチンピラに注意するとは…。
勇気あるなぁ
このオジサン
そうです。
白いシャツに茶色のベストを着た、60代くらいの、まごうかたなく普通のオジサンです。
でも、内股で座っています(笑)
いわゆるリアルに「オネエ」でした。
いや~オモロイもん見さしてもろたわ~。
また、こちらはかなり前の話です。
電車の向かいに座ったお兄ちゃん。買ってきたばかりの本を鞄の上に出すと、本屋さんでかけてくれる紙のカバーを外しました。
そして、本の表紙カバーを外し、裏返してまた本にかけています。
ん?
カバーがない時は私もよくやるけど、紙のカバーかかってたじゃん。
するとお兄ちゃん、嬉しくてたまらないというような満面の笑顔を浮かべると、それを二つに折りました。
?
さらにまた二つに折り、もう一度二つに折ります。
お兄ちゃんの顔は、ずっと笑顔のままです。
隅を合わせる時は、目の高さに上げ、狂いのないようにピッチリと合わせています。
何度か折って、紙が手の平より小さくなった時、お兄ちゃんはその紙をくわえ、自分のビジネス鞄のポケットを開けると、満足そうな顔で丁寧にそれを仕舞いました。
…その紙はあなたのナニ?
心のお友達?
そんな小さく畳んだ紙に、いったいナニがあるというの?
何があったの~?幼少期!
(byジュモクさん)
そして、次は去年の話です。
姉と二人で鎌倉に向かっていた時のことです。
目の前に座っていたお姉さん。きっと、一重の眼を大きく見せたいのでしょう。外人のように、アイメイクで眼の周りを真っ黒にしていました。
別に、そこまでならどうということもなかったのですが…。
「ちょっと見て」
姉の言葉に前を見ると、目の前のお姉さんが、少し上を向き、口を開けて居眠りしています。
「ぷっ」
悪いとは思いましたが、私は吹き出しました。
眼を閉じると、眼の部分が真っ黒な円になり、思いっ切りパンダのようです。
しかし、それだけならまだ、日常のちょっと面白いひとコマですんだのですが…。
話をしながらふっと前を見た私は恐ろしいものを見てしまいました。
「ぎゃあああぁぁ~っ!」
眠っているお姉さんが、うっすらと白目をむいてこちらを見ているのです!
お姉さんは完全に寝ています。
寝ながら時々、薄目を開けるように白目をむくのです。
眼の周りが黒くなければ気がつかなかったかもしれませんが、真っ黒な眼窪に現れては消える白目は、まるでホラー映画です!
「こわいよ~、こわいよ~!何だか分かんないけど、『呪いの館』だよ~!
楳図かずおの漫画だよ~!
」
「家族は何をやってたの?人前で寝ちゃいけませんって、子供の時からちゃんと教えてあげなくっちゃ!」
まさか起こすわけにもいかず、私達は、そのお姉さんがおりるまで、恐怖に震えていたのでした。
薄目を開けて寝る人間がいるというのは聞いたことがありますが、そういう人は、アイメイクはナチュラルにしましょう!
マジ、怖かったんですから!
おわり