残念な事ではありますが、渋谷シネ・ラ・セットが1月に閉館してしまいました。
渋谷は単館激戦区で、新しい映画館もどんどん出来ているようなので、時代の流れなのかもしれませんが、あそこには色々な思い出があったのでとても残念でした。
何と言っても、松田さんのファンになり、初めて劇場に並んだのがシネラセット。(『剣』でした)
初松田さんは東葛映画祭でしたが、その時見る事の出来なかった『剣』が上映されるという事で初めて足を運んだのですが、何ぶん初めての映画館。
気がついたら「ケロロ軍曹」の列に並んだりしていました(笑)
で、シネ・ラ・セットの思い出で一番嬉しかったのは、やはり「ラブサイコ愛してる」の舞台挨拶の時です。
シネラセットって、座席数は、通常40席。補助椅子を入れて60席+立見10人位。つまりMAX70人位という大変小さな映画館なんですよ。
こりゃ朝から熾烈なチケット争奪戦が始まるだろうなあと覚悟して始発に乗って行ったのですが、友人が私より一時間前に着いていたにもかかわらず、取れたのは立ち見席。
ガックシ…
でも、私達より後ろに並んでいた人は、チケットも取れなかったんですよね。
なので、立ち見でも取れただけラッキーだと考え直し、夕方の上映まで、すぐ近くにあったシエスパ(今はもうありませんが…)で温泉三昧して時間が来るのを待ちました。
で、時間通りに集合したら、なんと、立ち見席の人は椅子席の人が全員入ってからになるので、20分くらい後に集合してくださいとの事。「そんな中途半端な時間、どうする~?」とブーたれながらいったん階を降りてフラフラしていると、友人が私を大声で呼んでいます。
「あれ、賢二くん?」
おおおおお~~っ!
「どどどどど、どうしよ~!まさか会えるなんて思ってなかったから、カメラもサインしてもらうようなものも、なんにも持ってない~」
すると友人
「こんな事があるかもと思って」
タラリラッタラ~
「で~じ~た~る~か~め~ら~!」
(ドラえもんの声で!)
あーん!すごいよー!ドラえも~ん!
実を言うと、友人は松田さんのファンではありません。
いつも「賢二クンはいい人だから好きだけど、ファンじゃないし。そこはハッキリさせとかんと」と言っています。
ただ、彼女の場合イベント大好き人間なので、東葛、京都、大阪、横浜と、「どこの松賢マニアだよ!」というくらい松田さんのイベントには付き合ってくれています。
でも、追っかけには冷静な人間がいたほうが絶対いいんですよ。
脳に障害が出てるんじゃないか?という程ファンである私は、多分松田さんを前にすると、緊張のあまり一人では何も出来なくなると思うんです。でも、友人は全く緊張する様子もなく、「ほら、一緒に撮ってもらいなさい。ほら並んで並んで、ハイ、チーズ!」とサクサク写真を撮ってくれます。
それどころか友人は、シャッターを押したあと、あっさりと
「もう一枚お願いしまーす!」
と言ったのです。
ひゃ~!まるで京都の写真屋のように、さりげなく二枚撮っちゃったよ~!
(すごいよ~!有難う~!)
しかし、彼女がすごかったのはそれだけではありません!
「有難うございました!」と、松田さんに頭を下げる私の横で、友人は
「どうせだから握手もお願いしまーす」と言っているのです!(笑)
あんた今、どうせだからって言った!どうせだからって~
でも、「でかしたっ~!」
私一人だったらそんなこと言えなかったよ!
しかし、ビビる私の横で「あ、はい」と素直に手を差し出す松田さん
いい人です。本当にいい人です
そして私より先に松田さんと握手する友人(笑)
…本当は松田さんのファンなんでしょ!
実を言うと、友人が「もう一枚お願いしまーす」と言ったとき、松田さんは初めて自分がサングラスをしていたことに気づいたらしく「やばっ!」という顔をして外してくれたのだそうです。(私は横にいたので気がつかなかったのですが)
このとき、松田さんの周囲には、立ち見の数人と、たぶん席が取れなかったのだろう男性ファンの方が二人ほど、それと井上さんのご両親(たぶん)の、計10人程度だったと思うのですが、松田さんは本当に一人一人の方に丁寧に対応してくださいました。あんまり丁寧に対応していたので、時間は大丈夫なのかな、と思いながら横で見ていたら、映画館のお姉さんが「そろそろ時間ですよ~」と言って、迎えに出てきてくれました(笑)
舞台挨拶の時の様子は、当時色々な方がレポートされていたので省きますが、その挨拶の最中、松田さん、立ち見客の中に、外で会った顔を何人も見つけたのでしょう。脈絡なく、ぼそっと
「立ち見の方もいて…」
と言ったんですね。
すると司会のお姉さん
「立ち見のお客さんにも気をつかって、えらいですねえ!」
とサクッ!(笑)
「えらいですねえ」と言われた松田さんは、いつもの「えへへぇ」という笑顔を浮かべたのですが(私、実を言うと、松田さんのあらゆる表情の中で、この笑顔が一番好きかも知れません)
あのね賢二くん!
今の、褒められたんじゃないからね!