こんにちは、アオです。


近くのスーパーに地元の方のお野菜コーナーがあり、そこを覗くのが大好きです。

生産者の「~みね子」さん、「~秀雄さん」、、、昭和な名前を見つけると、実直なお姿をついつい想像してしまいます。





『100まんびきのねこ』
文·絵 ワンダ·ガアグ
訳 石井桃子
出版 福音館書店

年をとったおじいさんとおばあさん。2人は小さなきれいな家に住んでいましたが、幸せではありませんでした。寂しかったのです。
ある日、おじいさんはおばあさんのために、かわいい子ねこを拾ってくることにしました。
丘を越え谷間を越え、とうとう猫でいっぱいの丘にたどり着きました。
さあ、ぴったりのねこは見つかるのでしょうか?


昔、次男のママ友と「子どもが成長したら寂しくなって動物飼いたくなるかもね」、、、なんて話をしていたことがあります。

我が家は、結局飼うことには至りませんでしたが、そういう方って多いのもしれません。

この絵本の老夫婦の寂しさも相当のものだったのでしょう。

でも、おばあさんの、ちゃんと自分の思いを言葉にする力と、それを二つ返事で行動に移すおじいさんの素晴らしさ!!


どこまでも優しいおじいさんは、1兆匹の猫を前にして1匹だけを選ぶことが出来ません。1兆匹の猫と共におばあさんの待つ自宅に向かうのですが、そこで立派なのはおばあさん。こんなにたくさんのねこを飼うなんで無理、と毅然としています。そしてこう言うのです、「どのねこにするか、ねこ達に決めさせましょう」。


、、、あぁ、なんて賢いおばあさん。

そして、おじいさんとおばあさんのたった1匹の大切なねこは、2人と一緒に幸せに暮らしたことでしょうね。





この絵本もとても古い絵本です。古いのなんの、1928年にアメリカで出版された最古の絵本といわれているものです。

日本での出版は1961年。全編白黒のイラストは、とても緻密でペン画のようなタッチです。それでいて、流れる雲や草花や風景の軽やかさ、そしてなんといってもねこ達の魅力的なこと。


最後のあっと驚く展開には度肝を抜かれますが、昔話にも似た大らかで簡潔なストーリーは、カラっとして幸せな余韻が残るのが不思議です。


猫好きさん達にはたまらない、、、ある意味色んな意味でたまらない1冊ですよね。