居眠りをしていたのか

目覚めると、列車の中に

対面シートの四人席に一人

窓の外の雪景色を見た瞬間

トンネルに入ったのか

車内が暗くなった

暗い車内の通路を挟んだ横の対面シートに

小さな明かりがひとつ

トンネルを抜けるとその明かりは

子供がもつゲーム機だとわかった

隣の対面シートに子供が一人

必死にぶつぶつ言いながら

ゲームをしている

彼を見ていて気づいた

彼側の窓の外をみると

外には未来都市が広がっている

自分側の窓を確認すると

窓外には砂漠が広がる

『 お飲み物はいかがでしょうか? 』

ワイングラスに入った

紫の液体を渡してきたのは

ピンクのライオンだった

ワイングラスを受け取ると

ピンクのライオンの後ろから

ゲームをしていた子供が

大きな声で、早口に

『 この人生のゲーム、まったくクリア出来ないんだけど?!なんのアイテムあれば先に進むわけ??『経験』も『才能』も『努力』も、ほとんどゲットしたんだけど???何?何が足りないわけ?!? 』

彼の早口の勢いに乗せられて

『 感謝、、かな、、』と答えた

彼はニヤリと微笑み

勢いよく自分の席に戻りゲームを再開した

この車両から出て行こうとしている
ピンクのライオンを呼び止め
この列車は
どこに向かっているのか尋ねた

『 アナタの先です。』

ライオンはニヤリと微笑んだ