彼女のピンクの歯ブラシを捨てた時
私も捨てられる覚悟をした日が
懐かしい

あれから自分でも
もう変えた方がいいと思いながらも
ずっと使ってくれている事への喜びがあったのは事実だ

彼は強く磨き過ぎる
だから私は彼の口の中で
彼の強さをセーブする様に
体をくねらせていた

私がボロボロになっても使い続けてくれるので
バラバラ
バサバサになった私は
なんとか
歯の隙間に入り込もうと
歯茎を傷付けない様に
必死に体をくねらせる毎日だった

どれも楽しい思い出だ

やっと彼は
新しい歯ブラシと出会ったようだ

彼が私を捨てる時が来た

こんなに長く使ってくれて
ありがとう

こんなにボロボロな私は
あなたの歯に良くない
だから
新しい歯ブラシに出会い
私を捨てる決断をした事

嬉しく思っている

ありがとう

おっ!君が新しい歯ブラシか!

デカっ!?何??

君歯ブラシ?!マシーン??

どこで
どう磨くのさっ?!??!!