昨年は災害に翻弄された1年でした。



大阪地震の時は朝の番組。医療の実情をかなり語ったけど災害オジサン風に報道されました(^-^;
西日本豪雨や北海道地震に続き奄美群島では1週間におよぶ停電がありました。
離島、僻地医療をサポートさせていただいている責任上、平成28年度より災害や大規模停電を想定した設備を増強し、業界の中では最も災害に強いと言える企業になったと自負しておりました。
ところが、昨年は高槻を震源地とする地震で本社社屋に甚大な損害を被ったのも束の間、台風により本社と資材倉庫が損壊するなど、被災者の立場を経験することになりました。
不幸中の幸い、台風被害の最中に発生した北海道地震による全戸停電、沖永良部島での1週間の停電では、備蓄酸素ボンベと、備品の貸与を申し出て下さった同業者、発電機やガソリン携行缶を持ち寄って下さった多くの仲間のお陰で、患者様に被害が及ぶ事なく対処する事ができました。
しかしながら、真っ暗闇の中、いつ酸素が届くかわからない状況で、我々の到着を信じて待ち続けて下さった患者様には甚大な心労を与えてしまったと猛省しております。また対処は他の支援があってこそ成し得たものであり、自力では何ともならない状況であったのも事実です。
そして自らが被災し、北海道や奄美に駆けつけた経験より、災害は事前に対策すべきである事を改めて痛感しました。事が起こってから対策するには限界がある。交通インフラや電力が途絶えた状況下でできうる事なんてたかが知れていると。もう「災害時も24時間対応します!」なんて無責任な説明はできないと心から思いました。
昨年度は災害対応のため、予定を遥かに上回る数の酸素ボンベを設備しました。恐らく患者様あたりの備蓄ボンベ数は業界でもトップクラスだと思います。
しかし、災害が発生してからデリバリーしていては間に合わない事を経験した今、それならばと用意したのがこの「緊急用酸素ボンベセット」です。
内容は2.8㍑容器(19.6Mpa充填)が6本とデマンドバルブ(呼吸同調式レギュレーター)とチューブ類。
酸素の容量は3立米(3000㍑)以上になりますので、毎分1㍑吸入なら8日の間、3㍑で2日半、5㍑でも1日半は持ちこたえることが可能になります。
従来これだけの設備を置こうと思えば、多大な費用が必要となります。
保険適用となる携帯用酸素ボンベの場合はせいぜい1~2本の酸素ボンベを置くだけで月額8800円の利用料が必要となります。デマンドバルブの使用料は月額3000円、チューブなど材料費は月額1000円です。もちろん保険が適用できるので患者様は1~3割の自己負担で済みますが、残念ながら緊急用の酸素ボンベには保険が適用されません。

緊急用ボンベには保険適用がないので患者様には一部費用負担を頂く形にはなりますが、保険適用並の負担で済むように大部分は当社が負担させて頂く形にしています。保守管理が必要なので当社酸素濃縮機をお使いでない方は少し割高になりますが。
そこで今回用意したのがこの「緊急用酸素ボンベセット」
考え方は、社内に備蓄しておいてもデリバリーができなければ意味がないと言うことです。ならばビジネス度外視で必要とする患者様に予め貸与することで、災害に備えよう。そうすることで少なくとも酸素を必須とする患者様の危機を未然に防ぐ事ができます。備蓄酸素があれば緊急対応サービスを届けるまでの時間的猶予にもなり、スタッフの労力も軽減できます。
そんな事を考えながらの年度末。23期目を迎える当期は、前期投資した設備を腐らせる事なく、しっかり活用することで名実共に災害に強いADICとしてのポジションを確立してゆこうと考えております。



