雨の日的な状況 | shingo722のブログ

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 「雨の日的な状況」
 
 雨に濡れた1匹の野良猫に自分の孤独を投影する事は容易い。それは廊下の蛍光灯の切れかけた六畳一間のアパートにも同じ事だ。その日僕が工場の派遣アルバイトの帰りにアパートの前で拾った子猫は、まさに僕の日々の思いを体現するかの様な存在だった。
 部屋に入って冷蔵庫の余り物の牛乳をいつ買ったのか覚えていない紙皿に空けてその猫に与えた折に右の前足を怪我している事に気がついてやり切れなくなった。バイト中、現場監督に浴びせられた心無い言葉が何度も反芻され、やり切れなくなってビールを飲んだ。雨の音がやけに大きく響いていた。