独り言 | shingo722のブログ

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 「独り言」
 
 「あなたはいつも独り言を言うの?」
 彼女にそう尋ねられて驚いた。独り言?
「僕はそんなによく独り言を言うかな?」
「“いつも”独り言を言っているわ」
 彼女は訂正した。
「僕はどんな独り言を言うんだろう?」
「さぁ、よく分からないわ…。なんだかモゾモゾと口の中で言っているんだもの」
「ふぅん」
 僕は考え込んでしまった。そこには僕の潜在的なストレスなり願望が関係しているのだろうか?
「でもね、あなたが独り言を言うときには決まって無表情なの」
「無表情?」
「えぇ、何かに怒っているとか笑いながらとかでも無くて、無表情のまま何かを口の中で言っているのよ。だから最初のうち、この人一体どうしちゃったのかしらって思ったわ」
 彼女は笑いながら言った。
「あるいは本来的に変なのかも知れないよ」
 僕が情け無く笑いながら言うと、彼女は小さく首を振った。
「私はあなたのこと好きよ、多少変わってはいるけれどそれもあなたの良さだもの」
「やっぱり変わってる?」
「独り言は抜きにしてもね」
 彼女はクスクス笑いながらグラスのいかにも甘そうなカクテルを飲んだ。そんな彼女のことを見ながら僕は思った。君だってずいぶん変わっているよ、と。こんな僕のことを好きでいてくれること自体、きっと人とは違う感性の持ち主なのだから。