百パーセントの物語 | shingo722のブログ

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 「百パーセントの物語」
 
 僕は本当の物語を書きたいと望む。僕の見ているもの、感じていることを百パーセントそっくりそのまま物語という容れ物に移し替えてしまいたいと望んでいる。しかしその想いは叶う事なく容れ物の縁からこぼれ落ちてしまう。ある場合には物語の容れ物の中に残ったのは本来の量の半分以下ということもある。それが物語を書くということなのだ。自分の主観の半分も語ることが出来ない。しかし、だからこそ物語だと言うことも出来る。百パーセントの主観をそのまま語ることが出来てしまえば、そこにはフィクションの入り込む余地すら無い。想像力の飛翔のための翼はもぎ取られ、哀れなイカロスの様に海に落ちて落命してしまうことになりかねない。しかしもし僕が望むのならばその翼は太陽の熱で溶けることなくどこまでも羽ばたいていける、それこそが物語というものの本質なのかも知れない。だから百パーセントの真実の物語など存在しない。しかし作者の施した物語のフィルターに読者の想いが共鳴したとき、それ以上の美しい景色が眼前に広がる。今のところ僕はそのように考えている。あるいはそのようにして、自分を慰めている。