非日常 | shingo722のブログ

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 「非日常」
 
 その出来事のあとで僕は世界との距離感を掴むことが難しくなっていた。それは唐突に、僕と世界との親密さ、言うなればイノセントな信頼関係を奪って行ったのだ。
 当時僕は小学校3年生で、放課後に教室に居残って課題を仕上げていた。植木鉢に支え棒を刺して、そこに沿わせて朝顔のツルを巻き付けるというものだったが、当時から僕は学科以外の音楽やら家庭科やらといった実技が極端に苦手だった。
 ぼくが悪戦苦闘しながら課題に取り組んでいると、教室の外が何やらやかましくなった。廊下側の窓から覗いてみると、見ず知らずのの男が廊下で先生たちに取り押さえられていた。近くには僕と一緒に居残っていたクラスメイトの少年と、彼の割れた植木鉢が散乱していた。
 幸いにも少年に怪我はなかったが、学校に侵入した不審者にクラスメイトが襲われたという出来事は僕の中にある種のトラウマを残した。その少年は僕であったかも知れないのだ。そのクラスメイトは受けたショックの大きさを考慮して1週間ほど学校を休んで、心療内科などで診察を受けたらしい。
 日常の中に突如現れた歪みから、非日常が訪れることの恐怖と理不尽さは今でも僕の心に焼き付いている。