「世界の端っこで」
世界は僕を中心に回っているんだ!そう思ったのは確か小学校1年生か2年生の時だ。家の座敷にゴロンと横になって天井を見上げながら、この宇宙は僕の主観でしか存在しないのだということに思い至った。なぜそんな考えに行き着いたのかは分からない。おそらく、自分を客観的に見る視点をまだ獲得出来ていなかったのだろう。専門家ならもっと別の言い方をするのかも知れない。
それから時を経るごとにどんどん僕は特別な存在では無くなっていった。世界の中心どころか、家族の中心ですら無くなった。人は一人一人、自分自身の個別のドラマを生きており、他者は誰しもその中では脇役だ。僕もこの世界を構成する一員に過ぎない。高校を出て大学生になる頃には僕はそのことにほとんど気がついて凄くガッカリした。
30をとうに過ぎた今ではそんなことはほとんど気にならなくなった。色々な挫折を経て、自分が特別じゃ無いことをいちいち嘆いていては生きていけないと思った。他者にとって脇役だろうが、自分自身が主役のドラマを生きればよろしい。世界を変える偉人など一握りである。そう開き直って生きている。いいのか悪いのかは分からないけれど。